今から十年前の「2002年12月4日」に、片瀬那奈ちゃんの歌手デビュー・シングルが発売されました。もう、アレから十年も経ったのですね。「GALAXY / TELEPATHY / FANTASY」と題された其のデビュー盤は、なな、なんと、「トリプルA面」と云う前代未聞の物理を超越した仕様であり、しかも、同じ音源なのに市販盤だけでも「ピクチャー・レーベル6種」+「通常盤」と那奈色で発売されました。更に、プロモ盤での「カセット、CCCD」、そして驚愕のアナログ盤!も存在します。じっくりと時間を掛け、女優活動を休止して挑んだ「歌手・片瀬那奈」の音楽は、十年を経ても輝きを失っていないどころか、時を重ねるごとに其の先見性が再評価されています。「歌手・片瀬那奈」は、早過ぎたと云えるでしょう。然し、其の試行は確実に後世へと受け継がれました。
そして、片瀬那奈ちゃん本人も2012年には再び音楽のフィールドへも踏み込まれた。ドラマ「カエルの王女さま」と舞台「サイケデリック・ペイン」で、歌って踊りました。「STUDIO VOICE MUSIC IN CAR 音楽とクルマと僕らの未来」では、熱く音楽を語りました。そして、「サイケデリック・ペイン」が再結成した「AAA」には応援に駆けつけました。「カエルの王女さま」と「サイケデリック・ペイン」は映像作品化もされ、「サイケデリック・ペイン」は劇場限定発売ながら「CDDA」化もされたのです。片瀬那奈ちゃんの歌声が「CDDA」化されたのは、2008年の「bash featuring KATASE NANA」以来の事で、ハッキリ云って大事件!なのだ。「サイケデリック・ペイン」を御覧になられた方々ならば、那奈ちゃんの歌の上手さやダンス・パフォーマンスの素晴らしさは御存知でしょう。
那奈ちゃんは「歌って踊る女優」と云う、ファンにとって念願だった夢は実現して下さいました。ならば、もう少し我侭を云わせていただきたい。何年掛かっても構いません。永遠のマスターピースである「TELEPATHY」のつづきを、是非とも発表して欲しいのです。2008年のたった一曲だった「bash featuring KATASE NANA」は、それでも揺るぎない片瀬那奈ちゃんの音楽を高らかに奏でていました。新録としては2004年の「EXTENDED」から四年半も経過していたのに、片瀬那奈ちゃんの音楽は「唯一無二」だったのです。そして、其れは、2012年の現在でも変わりません。那奈ちゃんの音楽は、那奈ちゃんにしか創れないのです。那奈ちゃんは、もっともっと歌うべきなのだ。
「片瀬那奈がきこえる INDEX」(小島藺子/姫川未亜)