プロデューサー:ジョージ・マーティン
エンジニア:ジェフ・エマリック、ケン・スコット、他
歌と演奏:ザ・ビートルズ
(録音:1966年11月24日〜1967年11月7日)
1967年11月27日 米国編集アルバム発売(最高位、米国1位)
キャピトル MAL 2835(モノ)、SMAL 2835(ステレオ)
side-A1. MAGICAL MYSTERY TOUR2. THE FOOL ON THE HILL3. FLYING4. BLUE JAY WAY5. YOUR MOTHER SHOULD KNOW6. I AM THE WALRUSside-B1. HELLO, GOODBYE2. STRAWBERRY FIELDS FOREVER3. PENNY LANE4. BABY YOU'RE A RICH MAN5. ALL YOU NEED IS LOVE1967年12月26日に放送されたビートルズ主演TV映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」は、敏腕マネジャーであったブライアン・エプスタインの死後に初めてビートルズ(ポール・マッカートニー主導)で発表された作品でしたが、評判は散々でした。天然バカボンでありますポールの思い付きで、脚本も無しに行き当たりバッタリで撮られた意味不明な内容に、視聴率「75%!」と云われた英国民も「ぽか〜ん!」となりました。元々、何の意味も無い出鱈目な映像だったわけですが、現在では「MTVの先駆け!学生時代のスピルバーグも影響を受けた傑作!」なんぞと云われております。どんなもんかは、もうすぐリニューアルされて発売されますので、御自分の目で確かめて下さい。あたくしは、無茶苦茶好きですけどね。
英国ではA面収録の6曲を二枚組のEP盤で発売するのですが、米国キャピトルは「そんな中途半端なもんは、売れん!」とばかりに、B面にアルバム未収録のシングル5曲を加え、11曲入りのアルバムにしてしまいました。此れまでなら「またまた、キャピトルが勝手に改変しやがった!」となるトコですが、アルバムにまとめられて聴くのが便利で、英国でも輸入盤がバカ売れしてしまいます。確かに、オリジナル・フォーマットだと最低でも9面を聴かないと全部聴けないわけでして、2面で済むのは楽チンです。其れで、いつの間にかチャッカリとオリジナル・アルバムと同等の扱いを受ける様になった作品なのです。よーするに、此の米国編集盤が存在しないと、此れに収録された内の10曲(「ALL YOU NEED IS LOVE」は、「YELLOW SUBMARINE」にも収録されている。其れは其れで問題もあるのだけど)も「PAST MASTERS」へ入れるしかなかったわけで、CD化の際にも
エラソーにラインナップに加わってしまったのだ。内容は、1967年の脂が乗り切ったビートルズがたっぷりと堪能できる名曲が揃っていますので文句なしです。「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、「ALL YOU NEED IS LOVE」、「I AM THE WALRUS」などのジョン・レノン作品の一曲の為だけに買っても、決して損はないどころか、おつりが来捲くりでしょう。ま、全部シングル盤でも聴けますが、やっぱ、いちいち引っくり返したり取り替えたりしなくて済んで便利じゃん。「此の時期のビートルズのアルバムを改変するなんてトンデモない!」と云うなかれ。コレは「EP盤」と「シングル盤」を合わせただけで、「PAST MASTERS」と変わらない編集盤です。
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