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2012年07月28日

「倫敦五輪」開会式で、サー・ポール・マッカートニー!

ポール・マッカートニー(デラックス・エディション) キス・オン・ザ・ボトム


いよいよ、オリンピックが始まりました。開会式の模様は、日本時間の午前4時30分からNHKで生放送されております。此の後、日テレでも8時から録画中継があり、NHKでも午前中にリピートしちゃうみたいです。もう、暫くは、世の中がオリンピック一色に染められるのですね。開会式の前に、既にサッカーの予選なども始まっておりまして、当ブログ既報通り、片瀬那奈ちゃんがうっかり「なでしこジャパン」の初勝利を祝うコメントが昨日(7/27)のサンスポに載っていたりもします。「シューイチ」でも大いに語られるでしょうけど、五輪開催中には「那奈ヲタ」はスポーツ紙にも目を配らなければならないみたいですね。こーゆーのって、公式ではほとんど告知して下さらないからナァ。

でもですね、あたくしが早朝の4時半から録画もしつつ視聴しているのは、開会式に「サー・ポール・マッカートニー」が登場し演奏すると云われているからなのだ。ズバリ云って、ポールのライヴさえ観れればええのよさ。他は前座なのだけど、随所にビートリーな演出があるのは英国ならではでしょう。ミリタリー・ルックの行進には萌えますナァ。「007」と「女王陛下」も登場し、盛り上がってまいりました。耳の不自由な子供たちが国歌を斉唱します。そして、マイク・オールドフィールドが演奏していますけど、えっと、どうしても「エクソシスト」を思い出してしまうぞ。てか、実況が「LIVE AID」を思い起こさせる「へっぽこ」ぶりです。実況なんかいらないでしょ、普通に流せよ。

あらららん、メリーポピンズの大群だっ。こんなに沢山いたんじゃ、有り難味がないナァ。てか、マイク・オールドフィールドがノリノリです。おっと、オーケストラが「炎のランナー」を演奏だ。おいおい、映画ばっかじゃまいか。ミスター・ビーンも参加してやらかしているぞ。えっと、そろそろ飽きて来たのですけど、ポールはまだ?むむむ、「THE WHO」とか「THE ROLLING STONES」とか「THE KINKS」とか流れて、挙句に「THE BEATLES」の「抱きしめたい」も出たぞ。ボウイだ、QUEENだ、と英国ロック絵巻です。おいおい、ピストルズもありなの?女王陛下も観てるんじゃないの?何やらライヴ・モードに突入した模様ですので、ポールの出番も近いのでありましょうかしらん。でも、予定だと残り二時間近くあるんだよナァ。

五輪の開会式って、毎回こんなに長時間やらかしているのでしょうかしらん。マジで「長げぇ(片瀬那奈ちゃん声で)」し、申し訳ありませんが、どーゆー意図でこんなにも長々とやっておられるのか理解し難いです。始まってから一時間半近く経って、ようやく選手団が入場です。えっと、つまり、ポールが出るのは200カ国以上の全選手団入場の後ですか。延々と各国選手団の入場が続きます。いえ、此れが開会式のメインでございます。でもですね、あたくしが待っているのは「ポールのライヴ」なのよさ。録画は一瞬で消せますけど、早朝からリアルタイムで視聴してしまった時間は還って来ません。嗚呼、遂に予定の終了時刻(8時)をまわってしまった。おや、でも中継は続行されます。

アークティック・モンキーズが登場し花火が上がって盛り上がります。でも二曲目にビートルズのカヴァー「COME TOGETHER」を演奏しているのに、実況を被せるって何だ?長々と御挨拶があり、女王陛下の開会宣言に続き花火が打ち上げられます。五輪旗が運ばれ、モハメド・アリが待っていたのですけど、云われるまで分かりませんでした。やつれたナァ。ベッカムがテムズ河を渡って持って来たと云う聖火がたっぷりと時間を掛けて灯されました。時刻は8時38分。おいおい、押し過ぎでしょ。「梅ちゃん先生」を楽しみにしているミクロちゃんファンが御立腹ですよっ。

そして、ようやく登場しましたサー・ポール・マッカートニー!「THE END」のエンディングだけ歌って、お約束の「HEY JUDE」をピアノを弾きながら熱唱でございます。ポールってば、こーゆー時でも定番の観客にコーラスをやらせる演出までしっかりとやらかすのね。おいおい、盛り上がっているのに実況を被せないで下さい。此れだけを楽しみに四時間以上観てたんですよっ。そんでもって、会場全体で「ナ〜ナナ、ナナナナ〜」と大合唱しておりますけど、片瀬那奈ちゃんを賛美しているわけではありません。但し、あたくしが2002年にポールのライヴで歌った時には、間違いなく片瀬那奈ちゃんを賛美して歌わせていただきました。

ちなみに再放送もしっかりと録画しました。出だしのミスがこれまた「LIVE AID」の悪夢を思い起こさせましたが、すぐに立て直してからのポールの熱唱にはシビレたね。コーダへ行くトコでのシャウトも素晴らしかったし、「The movement you need is on your shoulders」の歌いまわしとか、「Don't Let Me Down」と歌い込んだりして、ジョン・レノンへの変わらぬ愛情も伺えて涙モンでしたよ。どうやらスタッフが「口パク」にしようと思っていたのに機材トラブルで音がずれてしまったので、ポールが咄嗟の機転で生演奏のみに切り替えたらしいです。最後に「失敗したぁ!」とばかりに頭を抱えるのもポールらしくて好かったナァ。やっぱ、此のジジイはスゲェよ。此の人は、ずっと、ビートルズだよ。カッコイイよ、ポール!


(小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 08:52| FAB4 | 更新情報をチェックする

「COVERS」#177

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「シューイチ」より


(2012年7月作)



片瀬那奈ちゃんは、先日の「Message 2012」でも抜群な司会者ぶりで盛り上げていました。
2011年4月から毎週生放送で司会を務められている「シューイチ」での経験が活かされています。
いえ、もちろん「Oh ! どや顔サミット」もありき、なのですけどね。



「公開は終了しました」 (小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 01:49| COVERS | 更新情報をチェックする

FAB4-154:HAPPINESS IS A WARM GUN

Thank You World ストレンジ・リトル・ガールズ


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:クリス・トーマス(9/23-26)、ジョージ・マーティン(10/15)
 E:ケン・スコット
 2E:マイク・シーディ(9/23-26)、ジョン・スミス(10/15)
 録音:1968年9月23日(「Happiness Is A Warm Gun In Your Hand」 take 1-45)、
    1968年9月24日(「Happiness Is A Warm Gun In Your Hand」 take 46-70)、
    1968年9月25日(take 53 & take 65 を編集した take 65 に SI
    「歌、コーラス、オルガン、ピアノ、チューバ、ドラム、タンバリン、ベース」)
 MONO MIX:1968年9月25日(take 65 より 1-2)、9月26日(take 65 より 3-12)
 STEREO MIX:1968年10月15日(take 65 より 1-4)

 1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 A-8)
 アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)


ジョン・レノンが別々に書いた三曲をつなぎ合わせ、70ものテイクを録音した中から切り張りし音を重ねて仕上げた楽曲。「ホワイト・アルバム」A面の最後を飾る傑作で、ポール・マッカートニーは「ホワイト・アルバムの最高傑作!」と絶賛しています。全く別の曲を繋ぎ、僅か三分にも満たない内にメロディーもリズムも目まぐるしく変化する此の楽曲の発想は、ポールに大きな影響を与えました。其れが後に「ABBEY ROAD」での「YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY」や、WINGS での大傑作「BAND ON THE RUN」の曲想へ活かされています。曲調も変化しますが、途中でギターとドラムが別のリズムを取る「ポリリズム」を用いてもいて、通して演奏するのは困難な楽曲です。「ホワイト・アルバム」は二枚組で非常にバラエティに富む内容ですが、此の楽曲は其れを一曲の中で表現しており、アルバムを象徴しているとも云えるでしょう。

特筆すべきなのは、此の三曲をつなぎ合わせた楽曲はジョンがスタジオに持ち込みレコーディングを始めた「take 1」の段階で既に完成版と同じ構成になっていた事です。「アンソロジー3」などで聴けるデモの段階ではまだ別々の曲だったのですが、正式に録音する時には曲想が完璧に出来上がっていたのです。ゆえに「HAPPINESS IS A WARM GUN」は、ブライアン・ウイルソンが「GOOD VIBRATIONS」を創り上げたのとは全く違う構想で、ジョン・レノンが発明した独特の楽曲です。ジョンは「ロックンロールの歴史みたいなもの」と語っておりますが、「三分間の魔法」である大衆音楽の範疇でこんなとんでもない発想を取り入れてしまった才気は凄すぎます。此の楽曲は、たったの「2分43秒」しかないのです。其れなのに、何と云う豊潤な世界なのか。

正に「奇才・ジョン・レノン、此処にあり」と云えるでしょう。曲想が変化するのはプログレッシブ・ロックなどでは普通ですが、其れは「長げぇ(片瀬那奈ちゃん声で)」しクラシックやジャズからの影響です。ジョンがやらかしたのは、あくまでもたった三分以内のポップスやロケンロールの枠に、複雑怪奇な展開をぶち込むと云う荒業でした。最後の基本的な循環コードで歌われるパートの開放感が素晴らしい。ジョンの絶唱に、何度聴いてもゾクゾクさせられます。本当に、歌が上手い!内容はドラッグの影響も強く、かなり性的な表現も多用しております。デモで分かる通り、ジョンはヨーコを対象としています。アメリカでは放送禁止にされ、アルバムにも警告ステッカーが貼られてしまいました。録音はジョージ・マーティンが休暇中に行われたので、プロデューサーはクリス・トーマスとなっています。マーティンはステレオ・ミックスに立ち会っただけです。

然し、前述した通り、クリス・トーマスは「ただ、居ただけ」で、実質的にはビートルズがセルフ・プロデュースした楽曲です。演奏は、紛れも無く「ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター」の四人で行われ、複雑なポリリズムを二日間で70テイクも繰り返し、そこからベスト・テイクを繋ぎ合わせ、四人で丹念に音を重ねて完成しています。三日間、ビートルズは「HAPPINESS IS A WARM GUN」のレコーディングに没頭しました。そして出来上がったのが、たった「2分43秒」の完成版です。ジョージ・マーティンは「ホワイト・アルバムは、一枚にまとめるべきだ」と主張しましたが、自分が全く関わっていないとは云え、此の曲を外す気はなかったでしょう。「HAPPINESS IS A WARM GUN」は、何十年経っても色褪せない、ビートルズの大傑作です。


(小島藺子)



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