
世の中は「金環日食」でフィーバーしちゃってましたが、ビージーズのロビン・ギブがお亡くなりになりました。1960年代後期の日本では「ビートルズよりも人気があった」と云われるビージーズは、1970年代にはディスコ・ブームに乗ってイメチェンし復活しました。「愛はきらめきの中に(How Deep is Your Love)」なんかは、初期のメロディアス路線とディスコ路線を融合した傑作だと思います。ビージーズはバリーだけになっちゃったナァ。御冥福をお祈り致します。
其れで「金環日食」で折角の「旭天鵬37歳、涙の初優勝!」の話題も霞んでしまいましたが、あたくしは拘ります。いえ、もう「横綱が一人と大関が六人もいて、平幕同士の優勝決定戦って、何だ?」とか「もしも、旭天鵬も本割りで負けて栃煌山が不戦勝で幕の内最高優勝となったら、どーする気だったのかしらん」とか「キセノンはこーゆートコでズッコケると分かっているし、旭天鵬だって絶対に勝てるとは思えない状況なのに、ドッチラケな展開にしちゃって、琴欧洲が悪いで済む事態じゃないじゃん!」とか「千秋楽だってゆーのに、無気力相撲のオンパレードで白鵬まで人情相撲と来て、チャッカリとパレードに参加して、何じゃ、そりゃ?」とか、もうグダグダと云わずにですね、素直に「旭天鵬おめでとう!」と讃えます。
其れよりも気になったのが、実況アナなのだ。解説の北の富士と舞の海がどんなに私情を剥き出しても、別に構いません。其処を冷静に諌めて粛々と実況をするのが、天下の日本放送協会のアナウンサーの務めでしょう。昨日の千秋楽では、序盤には北の富士が「琴欧洲の当日休場」に御立腹で、舞の海も乗っかっておりました。然し乍ら、起きてしまった事にいつまでもグダグダと云っても仕方ないわけで、解説の二人の話題は土俵上へと移るのです。ところが、実況アナが蒸し返し「立場が逆で自分の優勝が掛かっていたなら、琴欧洲は出ていたでしょうね」と大問題発言をぶちかましました。コレって、北の富士や舞の海が云うのとは全く別です。北の富士は「まだ勝ち名乗りの前なのだから、琴欧洲が出て来るかもしれませんよ」などと「プロレスじゃあるまいし」なギャグで返していましたけど、実況アナがトンデモだと分かりましたよっ。
挙句の果てには、キセノンに「押せっ!!」ですよ。フルタチの「猪木、やった、やったーっ!」とか「ハッキリ云って、新日贔屓だっ!」とか、辻の「そうだっ、橋本には水面蹴りがあるぞ。水面蹴りだ!イケイケ!UFOを粉砕!!」とか、プロレス実況では御馴染みの「贔屓実況」ですけど、天下の日本放送協会での国技大相撲中継では前代未聞だと思います。そもそも、琴欧洲を実況アナが叩き捲くるって何だ?北の富士が叩くから、乗っかって云ってるだけじゃん。怪我したんだから、仕方ないざんしょ。「横綱は怪我をしても出ているのに」って、骨折した手で吊れるんだから話は別でしょ。琴欧洲は前から膝を故障していて、前日に旭天鵬にぶん投げられて明らかに怪我しちゃってたじゃん。此の実況アナが風邪とかで喉を壊して仕事を飛ばしたらボロクソに叩かれても、絶対に文句は云えませんよっ。「不戦勝にこんなにも大きなブーイングが起こったのは、初めてです!」とか、余りにもコトノハが軽いのよさ。もう、昨日のアナウンサーは大相撲の実況はやめてはくれないか。
(小島藺子)