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2012年02月25日

「続々続・第二期女優時代の苦闘」

小早川伸木の恋 DVD-BOX


片瀬那奈ちゃんの「第二期女優時代」は「離婚三部作」が中核となっております。其れは、2005年の「離婚弁護士II〜ハンサム ウーマン〜」「熟年離婚」そして、2006年の「小早川伸木の恋」へと連続ドラマ三作連続で「離婚絡み」となった三作で、其の三部作で「女優・片瀬那奈」は大きく成長しました。特に「小早川伸木の恋」での妙子・役は、其の後の「怪優開眼」へとまっすぐに繋がる「異様な演技」となりました。片瀬クンの演技だけを考えれば「小早川伸木の恋」は重要な作品と云えるでしょう。

主演の唐沢さんは研音の大先輩で、其の妻を演じた事には思いっきり「バーター」と云うコトノハが脳裏に浮かびます。同じCX系で唐沢さん主演作で大ヒットした「白い巨塔」に続くドラマだったのですが、同じ医者役でありながら性格は真逆とのギャップを狙い、わざわざ「白い巨塔」で誤診により死なせた弁当屋(田山さん)を逆転する立場にキャスティングするなど、思いっきり「ネタ・ドラマ」の要素も含んだ作品です。ストーリー展開は原作マンガの方が正に「目が点になる結末」へと向いますが、ドラマもシリアスと謳いつつ、妙子が伸木の浮気を疑い病院へ乗り込みジョーズ登場の如く現れる演出などは「完全にギャグ」です。

片瀬クンが演じた妙子は、ひとことで云うなら「マジキチ」で、夫の伸木は医者なのですから「さっさと精神科へ連れて行け」と思うのですが、其れではドラマにならないので野放しになっております。娘である「神の子・みーちゃん」の良き母でありながら、嫉妬深くブチキレ捲くるトンデモな役柄なのですが、伸木にも責任は在り捲くりなのだ。発狂する嫁に苦悩する伸木はカナさん(紺野まひるちゃん)とうっかり関係を持ち、妙子もリューケンドーに抱かれてしまいます。然し、伸木がキチンと妙子との約束を守ればそんな事にはならなかったのだ。妙子は伸木に愛されたくてリューケンドーを当て馬にし、伸木に「妙子は俺の嫁だから、消えろ!」と云ってもらう舞台を演出したのに、在ろう事か伸木はすっぽかしカナさんの元へ向かったのでした。

ま、そうしないとドラマにならないわけですが、其処からのセリフがすぎょい。伸木は病院に乗り込んで来たリューケンドーに、単刀直入に「妙子と寝たのか?」と訊くのです。妙子が「カナさんを好きになって、カナさんと寝たんでしょ?」と攻めると、伸木はアッサリと「ああ、寝たよ!」と開き直るのです。挙句に「お前だって、アノ学生と寝ただろっ」と逆ギレし「俺は、家を出る!(キリッ)」と身勝手宣言をぶちかまします。「みーちゃんはどーするの?」とすがる妙子に、伸木は「みすずも、大人になれば分かってくれるさ」などと手前勝手なオトコの言い分を炸裂!何やら、最近もそんな発言を有名司会者からぶちかまされた気がしますが、伸木も相当にイカレタ野郎です。そりゃ、ネジが外れていなければ妙子と結婚したりしていないわけです。妙子は結婚前から鉄柱に嫉妬するなど完全に常軌を逸しており、伸木はそんな「無機物にまで嫉妬し、僕だけを愛してくれる妙子が好きだぁーっ」となったわけですからね。

前作「熟年離婚」もトンデモ展開でしたが、片瀬クンが演じたみどりはまだまだ普通でした。然し、此の「小早川伸木の恋」ではヒロインであり、狂った世界で最も発狂し捲くる役どころでした。此処で存在感を残せるかどうかの「正念場」だったと思います。其のプレッシャーに、見事に片瀬那奈ちゃんは打ち勝ち、次の「ビバ!山田バーバラ」から快進撃が始まるのでした。でも、壮絶な片瀬クンの熱演も「神の子・みーちゃん」に食われ捲くっていました。此のドラマは、大人の皆さんが些か過剰に演技されておられるので、「神の子・みーちゃん」の「何も考えていない」無垢な存在感に「莫迦負け」しております。2012年の現在でも「子役ブーム」とか云われておりますが、「単に上手い子役」なんて面白くないのよさ。あたくしにとって「神の子・みーちゃん」を超える「子役」は、未だに居ません。


「小早川伸木の恋」INDEX


ところで、今、フジテレビで榎木孝明さん版の「浅見光彦」を再放送していまして「恐山」とかテレビ欄に載っていたので何となく流していたら「小野未来のお父さん」や「森福みちるのおばあちゃん」が登場し、「藤波紹子(大路恵美ちゃん)」が出て来ましたよ。1998年の作品ですが、おんなじ「藤波紹子」なのに、片瀬那奈ちゃんが2009年に演じた時とは役柄設定が全く違っております。気になって調べたら、どうやら原作の「恐山殺人事件」に忠実なのは榎木孝明さん版の方で、「藤波紹子」は「かつて強姦され自殺した関根真琴にソックリで、歌手志望で新人女優に抜擢されるヒロイン」だったのです。では、片瀬那奈ちゃんが演じた「藤波紹子」って、一体何だったのでしょう。舞台が恐山ってだけで付けられた役名だったのでありましょうかしらん。兎も角、原作とは全く違う役柄だったわけで、其れで「藤波」に「卍」を絡ませたのは、もう完全に狙っていたとしか思えなくなりました。ちなみに、大路恵美ちゃんは「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助(2007年)」で片瀬クンと共演しております。てなわけで「ダブル・藤波紹子共演作」である「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」を引っ張り出して観ますよっ。コレもDVD化されていないんだよナァ。


(小島藺子)



イコ:おいおい、未亜たん、何じゃこりゃ?小梅ちゃんが出て来ないじゃまいかっ。

未亜:えっと、大路恵美ちゃんは殺された被害者役なので、其の裁判を担当した新人弁護士である片瀬那奈ちゃんとの絡みはないのですよ。だから、ボキが入魂の「夏目理恵子ちゃんヴァージョン」には出て来ませんっ。えっへん!

イコ:えっへん!じゃないわよ。こんなんじゃ訳分からんだろ。

未亜:フル・ヴァージョンもありますけど、長げぇし、那奈ちゃんさえ観れればハッピーじゃないですか。ホラ、面会シーンや法廷シーンなんて絶妙の編集でしょ?ずっと那奈ちゃんが出ずっぱりですよっ。完全版は、後で姐御ひとりで観て下さいね。

イコ:未亜たんに任せたら、片瀬クンの歴史が改竄されるって事だけは分かったわよ。


「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」INDEX
「浅見光彦〜最終章〜」INDEX



(小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 16:31| ERENA | 更新情報をチェックする

「麦のごちそう」の「じゃんけん」篇もゲットしました。

South Pacific (1958 Film Soundtrack)


まあ、あっさりと片瀬那奈ちゃん御出演の新CM「麦のごちそう」両ヴァージョンを捕獲ってのも嬉しいけど、些かつまんないわけです。でも「二人で“お疲れ”」篇は初日から流れていたけど、此処に来て「じゃんけん」篇しか流れなくなったりしてますから、獲れる時に獲っておかないとイカンですねっ。う〜む、「じゃんけん」篇の那奈ちゃんも素晴らしい。あっ。まだ「麦のごちそう」は冷蔵庫に入った侭です。

ところで余談ですが、此のCMで流れている曲は「Happy Talk」と云いまして、元々はミュージカルで映画にもなった「南太平洋」の楽曲なのです。其れで、益々余談なのですけど、ジョージ・ハリスンが来日公演の時に「Cheer Down」を演奏して下さった時に「えっと、次の曲は、映画『南太平洋』から、チア・ダウンです」とジョークをかましたのですよ。「Cheer Down」は御存知の通り映画「リーサル・ウェポン 2」の主題歌なんですけど、洒落たわけです。

あたくしは「Cheer Down」って曲が凄く好きで、ジョージの傑作のひとつだと思っておりますので、「麦のごちそう」で「南太平洋」から「Happy Talk」が流れていて、嬉しくなったのです。そう云えば「緒方亜紀ちゃん」は、間宮せんせいに「リーサル・ウェポン」と呼ばれておりましたね。


(小島藺子/姫川未亜)



KIRIN「麦のごちそう」公式サイト

posted by 栗 at 00:30| CM | 更新情報をチェックする