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2012年02月20日

「第二期女優時代の苦闘」

不機嫌なジーン DVD-BOX


あたくしがブログを始めたのは「2004年8月8日」で「COPY CONTROL」と云う名前でした。当時の片瀬那奈ちゃんは「歌手」でしたが、月イチのイベントが頓挫したり、新作がカヴァーだったりと迷走しておりまして、こりゃイカン!とばかりに「片瀬那奈ちゃん応援サイト」を立ち上げたのですが、何故か「コピコン」は「片瀬那奈ちゃんサイト」とは認識されず、逆に「片瀬那奈の記事が邪魔だ」と非難される様になったのでした。其れで「2004年12月29日」に此処を分家したのですが、案の定こっちは半年間は毎日の訪問者がひと桁で、酷い日にはあたくしを含めて「たったの三人」となったのです。「此れは変だ!」と思いまして、ドドンガドン!と気持ちは「ゼンキロ」へと傾き、気が付けばこちらがメインとなり吸収合併となったのでした。

でもですね、此処が始まった2004年当時の状況を考えると、人気がなかったのも頷けるのです。何せ、前回に蒸し返した通り、あたくしは当時の最新作であった「ラストクリスマス」に絶望し「片瀬那奈は終わった」と思い「ならば、輝かしい過去の記録だけは遺そう」とのモチベーションで此処を始めたのですからね。女優・片瀬那奈の最大最悪の駄作である「ラストクリスマス(2004年)」で女優回帰した片瀬クンは、続けて「月9連投」となった「不機嫌なジーン(2005年)」にも出演しました。第4話、第5話、第7話(回想シーンで第6話にも出演)とのゲスト出演ではありましたが、天下の「月9」に2クール続けて出演すると云う破格の復活劇を用意され、CM「AUBE」と其れに連動した大量の女性誌への露出と「第二期女優時代」は最高のスタートを切ったと思われました。然し、あたくしは「ドッチラケ」だったのです。面白くも何ともない展開が続くのですから、応援にもチカラが入らないわけですよ。

ズバリ云って、2004年当時には「たぶん、片瀬クンは近いうちに結婚引退する」と予想しておりました。女優復帰作の「ラストクリスマス」と続く「不機嫌なジーン」での演技を観て、もう「伸びしろは無い」と観念しました。幾らゲストとは云え「不機嫌なジーン」での使われ方(一応、主役の恋敵として登場するも置き去りにされ、其の後どうなったかも描かれない端役)はあんまりでした。次作となった「離婚弁護士II ハンサムウーマン」では盛り返しますが、其の路線では到底「第一期女優時代」の弾けっぷりには及ばないとも思えたのです。あたくしは「第一期女優時代」の片瀬那奈ちゃんが大好きですが、其れは「那奈ちゃんがアイドルだった」からです。歌手時代も変わらず「那奈ちゃんはアイドル」でした。でも、女優復帰した片瀬クンは「アイドルではありません」と云っている様に感じられたのです。つまり「本格派女優さんになるのだ」と決めたと思えました。だったら「ダメ」なのよさ。「アイドルじゃなくなったからダメ」なのではなく「女優としてダメ」って事です。つづく主演作「香港バタフライ」や「いい男はマーケティングで見つかる」で脇役に食われ捲くる姿を観るに至っては「ダメだ、こりゃ」としか思えませんでした。

ところが、そんな中で、2005年に片瀬クンは「残り夏」や「浜ちゃんと!」などのバラエティ番組でギラリと光る演技を魅せるのでした。箍が外れた異様な演技が「小早川伸木の恋(2006年)」「ビバ!山田バーバラ(2006年)」「デスノート the Last name(2006年)」などで盛り上がり「西豪寺エレナ様」で爆発します。所謂ひとつの「怪優開眼」へと向かった「第二期女優時代」ですが、其処に至るまでには、確かに渡哲也さん(「熟年離婚(2005年)」)や松本幸四郎さん(「信長の棺(2006年)」)などの重鎮との共演も大きかったでしょうが、見逃せないのがバラエティ番組での活き活きとした姿です。そして、片瀬那奈ちゃんは、やっぱり「アイドル」でした。「アイドル」のまんまで「本格派女優」へと向かったのです。こうして「第二期女優時代」の噺をふたたびしてしまうのは、此の頃の片瀬クンも堪らなく好きだからです。


 「不機嫌なジーン」INDEX


(小島藺子)


posted by 栗 at 17:06| ERENA | 更新情報をチェックする

やはり「ラストクリスマス」はワーストだ。

ラストクリスマス DVD-BOX


片瀬那奈ちゃんは、1999年3月のデビュー作「美少女H2 最後のデート」以来「70作品」にも及ぶ多くのドラマ、映画、舞台で様々な役柄を演じて来ました。おそらく、御本人にとってはデビュー作が「最悪」だと位置付けられておられる様で「デビュー作での屈辱をバネに女優道を邁進した」と語られております。あたくしは、若干17歳での主演デビュー作での演技が其れ程に酷いとは思いません。最近もチマチマと過去ログのブラッシュアップ作業もしておりまして、基本的には添付画像を加えたりしているのですが、昨日に「ラストクリスマス」関連記事を見直して、DVDも再見したのです。と申しましても、未亜たん入魂の「藤澤律子ヴァージョン(よーするに、片瀬クンが出演した部分を中心に編集されたダイジェスト版)」を観たわけですが、此れが酷いんですよ。

あたくしは、以前から「ラストクリスマス」が「女優・片瀬那奈」の最大なる駄作だと断じて来ました。でも、其れは「ドラマ自体がつまらなくて、片瀬クンの出番も少なく、誰が演じても構わない様な役柄」だとか、つまり「片瀬クンに責任は無い」との論調でした。然し、其れは間違いだったのです。確かに、ストーリーも下らないし、片瀬クンの出番も少なく(全11話なのに、藤澤律子ヴァージョンは壱時間もありません)、役柄も「何ゆえ片瀬クンが演じるのだ?」と大いに疑問を持ったものです。物語の陳腐さの証明は「藤澤律子ヴァージョン」を観ただけで話が通じてしまう事実だけでも充分でしょう。

「律子と直哉の物語」が、本編とは別に進行して完結してしまうのです。ヒロインの青井由季が直哉に片思いしていて、主役の春木健次は直哉の会社の先輩で、律子とは仕事で関わっているのだけど、中盤で律子と直哉がくっつくと、青井は春木と恋仲になります。死んだ婚約者で恩師を忘れられない律子に苛立つ直哉が春木に「青井は俺が好きだったんですよ」と云ったり、プレイボーイの直哉に疑惑を持つ(実際に直哉の部屋で待っていたら女が乗り込んで来るし、偶然に直哉と青井のハグを目撃したりする)律子が青井に「貴女を信じていいの?」と問い詰めたりしますが、ただそれだけで四角関係に発展したりしません。そうこうしている内に、後半では完全に「律子と直哉の物語」が本筋とは無関係に進行するのです。よーするに「律子と直哉の物語」は無くとも、ストーリーは成立します。ゆえに「律子と直哉の物語」だけでも完結しちゃうのだよ。普通なら「おいおい、片瀬クンしか映ってないじゃん!」と完全版を望むあたくしですが「ラストクリスマス」はダイジェスト版で充分でした。

片瀬那奈が女優復帰して初めて挑んだのが「藤澤律子」でありました。2002年3月に終了したドラマ「プリティガール」を最後に、片瀬那奈は歌手に転向し、此の「ラストクリスマス」で復帰するまでは、2003年4月に主題歌を担当したドラマ「こちら本池上署」第二話にゲスト出演した以外は女優活動を封印していました。「こちら本池上署」からでも一年半、「プリティガール」からだと二年半も女優を辞めていたのです。完全なる再スタートと云える「ラストクリスマス」で演じた「藤澤律子」は、過去の栄光を捨て新たな「クールビューティー路線」とも呼ぶべき役どころでした。そう考えると「片瀬クン、頑張ったね」と思えても来ますが、残念乍ら其の演技が酷いのだ。

先ず以って、当時の片瀬那奈のコンデションが最悪です。歌手活動は2004年7月のライヴで事実上は終了しておりましたから、再出発となる「ラストクリスマス」に専念出来る状況にあったはずです。出番も多くないのですから、ビシッと体調を整えて臨むべきだったでしょう。ところが、物語の半分くらいで藤澤律子は「声がガラガラ」なのだよ。当時は、ラジオ番組などでも「完全に声を潰した状態」で出演したりもしていましたが、其の理由が「風邪をひいた」ではなく(いえ、そうであってもプロとしてよろしくないわけだが)、明らかに「夜遊びの影響」と思われたものです。台詞回しも気合が入っていませんし、借りて来た猫の様に怯えた演技もダメダメです。DVDでは修正されましたが、肌荒れも酷く「やる気あんのか?片瀬那奈」と思わずにおれない「最悪の演技」です。「よくぞ、こんな酷い状態での再出発から立ち直ってくれた」と現在でなら笑い話になりますが、其れにしても酷い。リアルタイムの記述を読み直して「何であたくしは、折角片瀬クンが女優復帰したのに、こんなに怒っているのかしらん」と思いましたが、こりゃ怒るわ。ニューヨークへ旅立つ横断歩道の場面で笑顔になる律子は、まだまだ「第一期女優時代」の面影を残しております。律子を演じるには、早すぎたね。


 「ラストクリスマス」INDEX


(小島藺子)


posted by 栗 at 11:21| ERENA | 更新情報をチェックする

「COVERS」#149

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「星」


(2012年2月作)



「何気に、片瀬那奈ちゃんの荒川シリーズ」其の弐



「公開は終了しました」 (小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 01:54| COVERS | 更新情報をチェックする