TBS 1:55〜2:25
映画『荒川アンダー ザ ブリッジ』が、いよいよ2月4日に公開!自らを金星人と名乗る美少女“ニノ”や、河童のスーツを着た“村長”、常に星型のマスクを被っている“星”など、一風変わった人ばかり住んでいる荒川河川敷に、ひょんなことから住むことになったエリート御曹司の“リク”。強烈な個性を持つキャラクターたちが織り成す電波系コメディーが、超豪華キャスティングで映画化される。その魅力を紹介します。
絶賛公開中の映画「荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE」のナビ番組です。此の番組は全国26局で日にちや時間帯がマチマチで放送されると告知されましたが、其のほとんどの局では映画公開初日に合わせて既に放送されております。確かにドラマ制作は関西の毎日放送ではありますが、何ゆえ東京放送での放映日が遅れたのかは分かりません。と云うわけで、あたくしは既に映画本編を四回も観た後で、此のナビ番組を観るわけです。映画を観た後で、ドラマ版を全話観直してもおりましてですね。流石に、一寸、もう、「お腹いっぱい」かもしれません。
主演の林遣都くんと桐谷美玲ちゃんがナビゲーター役で、映画の見どころを紹介します。美玲ちゃんは、遣都くんより「ひとつ年上」なので、何となく「おねえさん風」を吹かせておりますね。呼び方も「ハヤシくん」だし、結構「上から目線」です。座長なのに自分よりも年下が「鉄人兄弟」しかいない状況では、遣都くんが「初日に泣いた」のも分かりますね。注目のマリア様を演じられた片瀬那奈ちゃんも含め、豪華俳優陣のインタビューも「劇中の扮装の侭」で挿入されております。つまり、遣都くん&美玲ちゃんは新撮で、他は撮影時に既に収録されていたのでしょう。
最近流れている映画告知CMは多数のヴァージョンがありますが、流石に其の全てをコンプリした構成ともなっておりました。映画のナビ番組としても「肝心な部分を思わせぶりに語る」手法でしたので、興味を持った片には有効でしょう。此の実写版「荒川アンダー ザ ブリッジ」は、原作マンガが未だ連載中でありまして、実写版でオリジナルの「オチ」を作っております。其れは其れで好いのだけど、個人的には「映画だけで好かったんじゃまいか」と思わされました。
少しネタバレになりますが、余りにも多く「ドラマと同じ場面」が映画でも描かれています。確かに、映画の筋を通すには「重要な場面」ばかりなのですが、些か過剰です。何ゆえ其処まで「ドラマ版の使い回し」が多用されたのかと申しますと、繰り返しますが、其れが「ストーリーの肝」でもあるからです。然し乍ら、ドラマでは他のエピソードに埋もれさせ、如何にも「思わせぶり」に提示され、何の決着も無かったのです。映画を観てしまえば、ドラマの頭からして「余りにも大胆なネタバレ」だったと云えますし、他の多くの「意味不明だったエピソード」も綺麗に繋がって「めでたし、めでたし」となります。
そうして、ドラマで多くの「謎」を投げかけ、映画で決着させた「テクニック」は「アリ」でしょう。全く同じ様に進行するエピソードが「ドラマと映画でネタが違う部分も在る」のも、見どころなのでしょう。ドラマで「荒川河川敷村」だけを描き、相対する「現実社会」を隠しつつ、チラリホラリと見せ「映画へつづく」とし、見事に完結させたわけです。ドラマを観ていて「モヤモヤ」していた方々も、ドラマは観てなくて映画を観た方々も、キチンと分かる作品となりました。
ですが、ドラマから付き合って来た立場といたしますと、何ゆえ「こんなにも同じ場面があるのか?」よりも気になったのが、何ゆえ「同じ場面なのに、ドラマと映画で違うのか?」なのです。「同じなのに違う」と云う「コアな楽しみ」は出来ますが、そうして「別ヴァージョン」を多く入れた事によって、明らかに「辻褄が合わない」部分があります。制作者が大いに楽しんでおられ、俳優陣も「クラブ活動の様に(片瀬那奈ちゃん・談)」仲良く臨まれた現場だった事は、映像から充分に伝わります。あたくしは、個人的には「ドラマは駄作だったけど、映画は好かった」と思いますし、片瀬那奈ちゃんの演技に関しては何の文句もありませんし、星のキャラも好きです。でも、ツッコミどころが「在り捲くり」ですよっ。
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「荒川アンダー ザ ブリッジ」INDEX
(小島藺子/姫川未亜)