チェ・ホンマンが韓国の自分が経営するお店で女性客と揉めて、警察に事情聴取されたらしいです。女性客は「殴られた!」と主張しているのだけど、チェ・ホンマンは「手を出したのは反省しているが、女性が先に突っかかって来たから払いのけただけ」と暴行は完全否定しているそうです。でも、あんなにデカイ人が払いのけるってのは通常の其れとはかなり違うとも思われます。其処でチェ・ホンマンが「私は暴行なんかしていません。だって、私が拳固で殴ったとしたら、彼女はどうなっていたでしょう」と云ったみたいです。
此の件で思い出したのは、北尾が双羽黒と名乗ってお相撲さんだった時に廃業に追い込まれた事件です。解雇理由は色々と在ったのですけど「おかみさんを殴った」と云うのが注目されました。チャンコが不味いと北尾がキレて親方と大喧嘩になり、止めに入った後援会長を殴り、挙句におかみさんも殴って怪我をさせたと云われました。そもそも、チャンコの味で師弟が大喧嘩ってのが間抜けですが、其れに対して北尾は「俺がおかみさんを殴った?おいおい、そんな事をしてたら、おかみさんは死んでるよ」と云ってのけたのです。おそらく、北尾もチェ・ホンマンも「殴った」とは本気で思っていません。「一寸払いのけた」のでしょう。但し、やられた側は堪ったもんじゃないでしょうね。
さて、本日(10/13)に「燃えろ!新日本プロレス」が創刊されました。メインはDVDなので、其れだけ売ってくれた方が好いのですけど、色々と事情が在るのでしょう。創刊号は特別価格で「880円」と格安なので購入しました。全50巻で、新日本プロレスの名勝負をそれぞれ四試合で一時間半から二時間くらいの尺で収録したDVDが売りみたいです。創刊号は流石に力が入ったラインナップで「猪木VSホーガン」「猪木VS前田」「タイガーマスクVSダイナマイト・キッド」「ハンセンVSアンドレ」と美味しいカードがてんこ盛りです。全て既にDVD化されている試合ばかりですが、入場曲もオリジナルの放送通りになっています。
其れで観たのですけど、やっぱり面白いんだナァ、コレが。何度も繰り返し観た試合なのだけど、実に面白い。こんなもんを観ていたんだから、現在の「ワールドプロレスリング」がつまらないのは仕方ないと思います。猪木の一人芝居だと云われるホーガン戦は、それゆえなのかリアリティが在り過ぎます。失神した猪木を全員が本気で心配していて、特に加害者にされたホーガンの狼狽ぶりがマジです。勝ったのに全然嬉しそうじゃないし「俺、やっちまった、、、」と涙目になっています。そりゃそーだ。猪木が勝つシナリオだったのに、アクシデントで自分が勝ってしまった上に猪木は失神して動けないんだもん。こんなヘマをやらかしたら、もうプロレスラーとして生きてゆけません。当時まだ20代だったホーガンが受けた心の傷は大き過ぎるでしょう。
前田との試合では、当時新人アナだった「辻」が何度も「放送席のフルタチさん!」と呼び掛けるのにフルタチは完全に無視しまくると云う「もうひとつの師弟対決」も見どころでしょう。終盤に那奈回目位でようやく拾ってもらった辻はボロボロで、何を云っているのか分かりません。タイガーのデビュー戦では、リングサイドにユセフ・トルコと梶原一騎が居て「してやったり」とニヤニヤしています。そしてメインの「ハンセンVSアンドレ」が、矢張り素晴らしいですね。此の試合は実際にはセミファイナルで、当日のメインエベントは「猪木VS戸口」で、例の「ラッシャー木村、こんばんは事件」が在ったのです。でも、超ヘビー級の外人対決に完全に喰われてしまいました。兎に角、デカイ二人がぶつかり合うだけでも迫力満点なのだ。
試合は両者リングアウトとなった後に延長戦となる「二度美味しい」展開で、衝撃のエンディングを迎えます。在ろう事か、アンドレがハンセンに「掟破りの逆ラリアット」をぶちかまそうとすると、其れを止めるピーターことレフェリーのミスター高橋に激高したアンドレが完璧なジャイアント・ラリアットを決めるのでした。当然乍らアンドレの反則負けになるのですけど、問題はアンドレのラリアットをマトモに喰らったピーターですよ。其の衝撃度数は、どう観ても「ホーガンのアックスボンバーを喰らった猪木」よりも格段に上です。今回のDVDや冊子の表紙に載った写真で分かる様に、猪木は巧みにホーガンの斧爆弾を正面からではなく横向きで受けています。対して、ピーターは真正面からアンドレのラリアットをぶちこまれているのです。う〜む、ピーターも体を張ってますね。弐号以降は「1680円」と倍近い値段になってしまうので美味しいカードが収録されているのだけ買う心算ですが、創刊号はお買い得だと思います。
(小島藺子)