松重豊は、1963年1月19日、福岡生まれの俳優です。明治大学文学部演劇科で演劇学を学び映画や演劇の製作者を目指していましたが、数多くの演劇を観て演技に感動し、自らも演じる道を志しました。大学在学中の1983年に小劇場で初舞台を踏み、其の後「東京サンシャインボーイズ」に所属、卒業後の1986年から「蜷川スタジオ」に入団、1989年に退団後は「ザズウ」に所属し、多くの演劇に出演します。1990年代からは演劇に留まらず、映画、ドラマ、ナレーター、CMなど幅広く活躍中です。長身で強面ながら人間味溢れる演技が高く評価され、映画「しゃべれども しゃべれども(2007年)」で「毎日映画コンクール助演男優賞」を、映画「ディア・ドクター(2009年)」で「ヨコハマ映画祭助演男優賞」を受賞しています。
片瀬那奈ちゃんとは、ドラマ「離婚弁護士II〜ハンサムウーマン〜(2005年、CX)」「ブラッディ・マンデイ(2008年、TBS)」で共演し、片瀬クンがゲスト出演したドラマ「子育てプレイ&MORE(2009年、毎日放送)」や、後の「どや顔」へ繋がるドラマ「検事・鬼島平八郎(2010年、朝日放送、テレビ朝日)」でも絡みはないものの名を連ねています。「ブラッディ・マンデイ」では、片瀬クン演じる「宝生小百合」が第4話で自決しますが、松重さん演じる上司「加納」は完全に取り乱し、彼女の亡骸を独占!本来なら死後は出番が無いはずの「宝生」を事在るごとに回想し(第5話、Season2-第1話)、「宝生ゾッコン☆LOVE」振りを見せ付けました。役柄的には「リコベン2」の「タモっちゃん」の方が好きなので、此処ではそっちが愛称になっています。
一時期は仕事が無く「役者廃業」まで考えたと云うタモっちゃんも売れっ子になりまして、近年では毎クール連続ドラマのレギュラーやゲストで出演するどころか、うっかりすると同クール掛け持ちレギュラーもこなし、出演映画も数多いです。さらに、渋い声を活かしたナレーターとしてCMなどで多く活躍されてもいます。現在放送中の連ドラ「ドン★キホーテ(2011年、日本テレビ)」での「若頭・兵頭」も好いですけど、個人的に近年で好かったと思うのは「不毛地帯(2009年〜2010年、CX)」の「小出」です。
さて、タモっちゃんが助演男優賞を獲得された映画「ディア・ドクター」に主演されたのが、(つづく)
(小島藺子)