出演作:『外交官・黒田康作』(フジテレビ)
放映日:2011年1月13日〜3月17日(木曜日 22:00〜22:54、初回54分拡大版)
全10話 平均視聴率 10.1%
映像作品:DVD「外交官 黒田康作 DVD-BOX 」(ポニーキャニオン)
2011年6月15日発売
Blu-ray「外交官 黒田康作 Blu-ray BOX」 (ポニーキャニオン)
2011年12月21日発売
2011年1月期に放送された連続ドラマ「外交官・黒田康作」は、所謂ひとつの「黒田シリーズ」でして、2009年公開の映画「アマルフィ」と2011年公開の映画「アンダルシア」のど真ん中に位置づけされる作品です。映画「アンダルシア」との兼ね合いからか、撮影は2010年9月から始まり、放送開始時の2011年1月には既にクランクアップしていた模様です。片瀬那奈ちゃんが演じた「佐々木藍子」は事件を探る謎のフリージャーナリストですが、初登場した第2話から積極果敢に主役コムビ(黒田&大垣)にコンタクトを取ります。物語が進むにつれ、事件に大きく関わりを持つ重要人物と判明し、物語で最大のクライマックスである第9話では大いに活躍しました。
近年の片瀬クンとしては珍しく「完全なるシリアス路線」に挑まれた作品で、片瀬クンお得意の「シリアスとコミカルを行き来するリアリズム路線」も封印し「どシリアス」に徹しています。前述のクライマックス場面での凜とした佇まいや、矢張り悪に徹し切れない「甘さ」もみせる終盤など「シリアスもイケテルじゃん」と思わせるに充分な熱演でした。数字的には期待ハズレだった様ですが、実質11話分の尺を取って複雑な人物関係を丁寧に描いた今どき珍しい「本当の意味での連続ドラマ」として評価すべきかもしれません。個人的にはコンパクトにまとまった「総集編」の方が観易かったものの、其れは本編を観ているからでしょうね。
皆さん御存知の通り、最終回の直前に「東日本大震災」があり、もはやドラマどころではない状況だったのにフジテレビは最終回を「L字テロップ」入りで放送敢行しやがりました。全く、何を考えているのか分からないし、おそらく何も考えていないのでしょう。最終回での「佐々木藍子」の登場場面は、前回のクライマックスで生き残り拘留されていたので、ほんの僅かしかありません。個人的には、放送を延期するべきだったと思うのですけど、其の後を鑑みても「フジテレビには、放送倫理とか知ったこっちゃない」のでしょう。片瀬那奈ちゃんを女優として世に出して下さったのは、フジテレビです。だからこそ、あたくしは情けなくって涙も出ません。
「外交官・黒田康作」INDEX「2013年9月26日 補足改訂」 (小島藺子/姫川未亜)