2011年2月現在「女優・片瀬那奈」の最新作は、放映中のフジテレビ系連続ドラマ「外交官・黒田康作」と、今週末に公開される映画「ジーン・ワルツ」です。どちらでも片瀬那奈ちゃんは「フリーライター」と「ジャーナリスト」と云った同じ様な役柄をシリアスに演じています。此の設定は映画「デスノート the Last name」にも相通じますが、それぞれで違った演技を確かに片瀬クンは魅せて下さったと思います。
今年(2011年)初頭に放映されたドラマ「ザ・ミュージックショウ」で演じられた「レイカさん」は、今や「鉄板」と称される抜群なコメディエンヌ路線を存分に発揮された磐石な演技でした。そして、「ジーン・ワルツ」も悪くはなかったし、作品的にはいまひとつ納得がいかない「黒田」での演技も充分に及第点は超えているとは思います。
正直に申しますと、今年に公開されている其の三作品に関しては「作品としては、如何なものか?」と思っております。「ザ・ミュージックショウ」は、丸っきり「ザ・クイズショウ」の二番煎じだったし、「ジーン・ワルツ」は感動はしたものの「おいおい、一寸此の展開は、、、(公開前ですので、自主規制)」って思っちゃったし、「黒田」は今のところ「ズバリ云って、つまらん!片瀬クンが出てなきゃ、観ねーぞ」ってモードに入って居るので御座居ます。更に云ってしまうと、片瀬那奈ちゃんの演技に対しても「絶賛」までは至って居りません。
あたくしは、昨年(2010年)のベストを敢えて「高瀬リコ」ではなく「大久保千秋」としました。確かに、「高瀬リコ」は「片瀬那奈ちゃんでなければ出来ない適役」でした。されど、「大久保千秋」や「長谷部真理」を演じる片瀬クンに「新たなる可能性」を魅せられてしまったのです。本格的なシリアス路線で挑む「佐々木藍子」や「田中美紀」も、決して悪くはありません。でもですね、其処に「片瀬那奈ではならない」との必然性が未だ感じられないのです。
コメディでもシリアスでも、片瀬クンには未だ「アグレッシブな役」が似合っています。落ち着くのは、本当にまだまだ早いと思います。片瀬クンの振幅が広いのは素晴らしいのだけど、あたくしが望んでいるのは「其れを全て内包した演技」なんです。「大久保千秋」に魅了されたのは、確かに其の道へと進んでいると感じたからです。大いに期待してるよ、那奈ちゃん。
(小島藺子)