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2011年01月27日

「外交官・黒田康作」第3話

天使の報酬


フジテレビ 22:00〜22:54

「迫る、再会の時」


■ キャスト

 織田裕二 :黒田康作
 柴咲コウ :大垣利香子
 鹿賀丈史(特別出演) :安藤庸介
 夏帆 :霜村瑠衣
 紺野まひる :霜村倫世
 香川照之 :霜村 毅

 片瀬 那奈:佐々木藍子
 、ほか

■ スタッフ
 原作:真保裕一
 脚本:古家和尚、池上純哉
 音楽:菅野祐悟
 演出:永山耕三
 企画:臼井裕詞
 プロデュース:牧野正
 制作:フジテレビドラマ制作センター



注目の「黒田」第三話ですが、此処としては「第二話」と呼ぶべきかもしれません。片瀬那奈ちゃん演じる「佐々木藍子」の登場は、前回の第二話からでしたからね。其の前回では、正に「登場場面のみ」が描かれたにすぎず、何とも云えない気分にさせられました。

はたして今回は、ヒロインである「大垣(柴崎コオさん)」に直接接触して来る大胆な場面での登場となりました。しかし、今回も「ヒロインに接触しましたよ」って事しか描かれておりません。「フリーライターで、殺人事件に関する記事をものにする為に動いていて、関連する人物や事件にも矢鱈と詳しく、突撃取材も辞さない」って「クールビューティーさん」って感じでしょうかしらん。柴崎さんと対峙する片瀬クンは、やっぱ「デカイ」なぁ。見下ろしてますよ。う〜ん、好いね。あひるちゃんはマトモに映ってるのは「今回も写真のみ」ですか、、、。あひるちゃんはメキシコで死んじゃったみたいだから、片瀬クンとの「宝塚共演(片瀬クンはタカラジェンヌ出身ではありませんが、諸々あって、こう称しても好いでしょう。)」は望めませんね。

でね、またしても「今後の展開に期待しちゃって好いのかナ」なのだ。ドラマが面白いのかどうかも、もう少しお話が進んで頂かないことには迂闊に判断しかねます。てか、どー考えても「佐々木藍子は、殺される役」なんじゃまいか。其れは其れで構わないのですけど、正直に申しましてですね、現在のあたくしの興味は「ジーン・ワルツ」に向いております。


(小島藺子/姫川未亜)



「外交官・黒田康作」フジテレビ公式サイト

posted by 栗 at 22:57| ACTRESS | 更新情報をチェックする

「コピコン・リマスターズ」#08(2004年9月)

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ビートルズが1966年にライヴ活動を休止してしまったと言うのは有名な話です。来日したのも此の年なんですけど、其の時に完成していたアルバムが「REVOLVER」で、日本の警官が保持していた拳銃から命名されたらしいんですね。それで「REVOLVER」以降の曲はビートルズとしてはライヴで演奏されなかったわけです。例外として1969年1月30日のアップル屋上ライヴが在りますが、その時演奏されたのはすべて当時は未発表の曲ばかりで「公開ゲリラ・ライヴ・レコーディング」だったんですね。

ライヴを止めたもっともらしい理由が「REVOLVER」の曲はライヴでは再現不可能だと言うことだったのです。此れは現在の感覚では変に思うでしょうけど当時はシンセサイザーもコンピューターも無しにライヴをやっていたのですからね。シンセサイザー(しかも初期のムーグ)をビートルズが導入するのは、1969年の実質的なラスト・アルバム「ABBEY ROAD」まで待たなければなりません。ビートルズをレコーディング・バンドに変貌させるきっかけは、ビーチボーイズの「PET SOUNDS」でしょう。リーダーのブライアン・ウイルソンがツアーから外れて、スタジオ・ミュージシャンをこき使ってオケを完成させたうえツアーからもどったメンバーに自分の指示通りに歌入れだけさせた其の作品は、ビートルズの「RUBBER SOUL」に影響を受けて発想されたそうです。

解散後に4人はそれぞれビートルズ時代にライヴで演奏しなかった曲を沢山披露してくれています。ジョージは亡くなってしまいましたけど、生前に代表的な自作曲は演奏してくれました。まぁもともと彼の曲はビートルズ時代にそんなに多く発表させてもらえなかったんですけどね。リンゴはもっと少ないうえに現役ですから、ほとんどコンプリです。「ヘルター・スケルター」のエンディングの叫び声まで再現してくれましたよ。とほほ。ポールは沢山書いたけど、毎回ツアーのたびに違う曲をセットに加えてくれています。

問題は一番多く曲を書いたレノンさんです。彼はソロになってからライヴ自体ほとんどやっていませんし、さあこれからまたやるべ、と思った途端にいなくなってしまいました。そのうえビートルズがライヴをやめてから一番ライヴ向きではない曲を作ったのもジョンですから、ジョンの声で聴ける1966年から1969年のライヴ版ビートルズ・ナンバーってのは貴重です。アップル屋上の例外を除けば「COME TOGETHER」「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」「YER BLUES」くらいしかないんです。そして「COME TOGETHER」「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」は解散後に披露されたもので「LSD」はエルトン・ジョンとの共演です。(ちなみにこの時はポール作の「I SAW HER STANDING THERE」も演奏してます。解散後、公式にポールの曲をライヴで歌ったのは此れだけです。)

対して「YER BLUES」はまだビートルズが活動中に二度もライヴで披露されました。しかし演奏したのはビートルズでは在りませんでした。

「YER BLUES」のオリジナル・ヴァージョンは1968年8月にレコーディングされ、同年11月発売の「THE BEATLES」(通称「ホワイトアルバム」)のC面2曲目に収録されました。かなりラフな演奏ですが、此れはわざとやっているのです。ふたつのテイクをぶったぎってはっきり分る様に繋いでますけど、此れも意図的なことなんでしょう。

ビートルズは「ホワイトアルバム」を制作した時点でいつ解散してもおかしくない状況だったそうです。実際リンゴが一時脱退していますが、なんとか丸くおさめられてしまいます。でもジョンはもっと明確に脱退の意志表示をし始めるのです。「ホワイトアルバム」発売の直後に発表された「TWO VIRGINS」を問題にしているのではありません。ソロの前衛作品ならジョージだって発表しているし、ビートルズ以外のZAPPLEカタログを増やすことは「経営者としてのビートルズ」的な立場から見れば当たり前なんです。

問題は12月に「YER BLUES」をTV番組収録ライヴ(ローリング・ストーンズの「ロックンロール・サーカス」)で、ビートルズではないバンドで演奏したことです。ジョン・レノン(ギター、ヴォーカル)、エリック・クラプトン(ギター)、キース・リチャーズ(ベース!!)、ミッチ・ミッチェル(ドラムス)による此のスーパー・バンドの名前は「THE DARTY MAC」と言います。これを知ったポールの衝撃は計り知れませんね。

ビートルズの曲を別のバンドで演奏されたんですよ。しかも名前が「ポール逝ってよし!」ですよ。其れでもポールは翌年1月2日からの「THE GET BACK SESSIONS」を敢行するのです。此れはもう散々なことになりましたね、なんせ完成したのが2003年ですよ。この時はジョージが脱退してしまいますが、ジョンは「代わりにクラプトンを呼ぼう」なんて言ってます。クラプトンが好きなんですねぇ。それ以前にジョンとポールが居ればビートルズなんですね。 5月にジョンとポールのふたりだけで「ジョンとヨーコのバラード」を制作し「ビートルズ名義で発売」しちゃうんですから、いやはや。夏には4人で「ABBY ROAD」を制作して、ビートルズはまだまだやれるってトコをみせつけました。

しかしジョンは「ABBY ROAD」発売(9月26日)直前、またしても「YER BLUES」をビートルズではないバンドで演奏するのです。9月13日「THE PLASTIC ONO BAND」としてカナダのトロントで行われた「ロックンロール・リヴァイヴァル・ショー」のトリで登場したジョンは、クラプトン、クラウス・ヴアマン、アラン・ホワイトを従えてロックンロールのカヴァーやPOBのオリジナル曲(クレジットはレノン・マッカートニーですけどね)と共に「YER BLUES」を歌いました。「あれはエリックと前にもやったから」と言うのが理由で、この時は移動中の飛行機でリハーサルをやったそうなので「なるほど」と思えますけど、おいおいだから「前にもやった」こと自体が問題でしょう。一週間後(このへんは諸説あり「ABBY ROAD」制作中の事だと言う記述もありますが、ドラマティックに行きたいので)其れでもビートルズの存続を願うポールにジョンは言いました。

「バカかおまえは?俺はもうビートルズはやめたんだよ。みてりゃわかるべ?」

「YER BLUES」とはそんな曲なんです。


(小島藺子)




初出「COPY CONTROL」
 「YER BLUES」(2004-9-26)
 「YER BLUES (Reprise)」(2004-9-27)


posted by 栗 at 00:06| FAB4 | 更新情報をチェックする