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2011年01月19日

「コピコン・リマスターズ」#01(2005年5月)

Let It Be


名著「レコーディング・セッション」は1970年5月8日の記述で終わる。其れは、アルバム「LET IT BE」の発売日であります。

此のアルバムは発売順こそ最後だけど、実際には「ABBEY ROAD」よりも前に録音されたモノであって、ビートルズのラスト・アルバムでは無いと云われています。近年は「NAKED」が発売されて、其の存在意義すら危うくなってしまった可哀想な作品です。日本で一番売れたアルバムって話も、たぶん「1」に抜かれてしまったんじゃないでしょうか。

でも、此の作品には本当の意味でのビートルズのラスト・レコーディング曲「I ME MINE」(ジョン不参加)が収められて居るし、フィル・スペクターがミキシングを担当したのは1970年3月末からでありまして、完成したのは「ABBEY ROAD」よりも後なんですね。何でこんなことになったのかと云うと、此れが映画のサントラ盤だからでして、どーしても発売しなきゃいかん事情があったわけですな。「DIG IT」や「MAGGIE MAE」とか会話の断片が入っているのは、サントラらしくする為なんでしょうけど、スペクター流の音の壁とのギャップが妙な感じになってしまいました。映画の音との明らかな違いは、一体ビートルズ(決してスペクターの責任ではありません)が何を考えていたのか、理解に苦しみます。此れを世に出したのは、フィル・スペクターではなく、ザ・ビートルズなのです。

「NAKED」の様なカタチで出すつもりなら「GET BACK」として「ABBEY ROAD」より前に出してしまえばよかったのだけど、出来が悪いと云う理由で却下され続けたんです。そんなクズ音源をフィル・スペクターに押しつけて置いて、ジョンはヨーコとわけわかんない平和運動、ポールはリンダと宅録、リンゴはちゃっかりスタンダード・ナムバーのゴージャスなソロ・アルバム発売、ジョージは来るべき三枚組の下準備、とてんでばらばらに勝手なことをやってたんですから、つーかたぶん、ビートルズは「ABBEY ROAD」を作ったことで、此のマテリアルの存在を意図的に忘れてしまったんじゃないのかね。

名曲の誉れ高い「LET IT BE」は、1969年1月31日の録音が元になっていますが、ブートレグを聴けば分るのですけどポールが歌詞を完成させたのは、正に其のレコーディング中のことです。すげえ、やっつけ仕事。そりゃ、ほったらかしにもするわ。でも名曲、其れがビートルズ。


「LET IT BE」で終わったはずのザ・ビートルズですけど、世の中そんなに甘くはなかった。以前も途中まで言及しましたけど、その後のザ・ビートルズの新作状況を列記してみます。一気に現在まで行くつもりだったけど、無理でした。此れは解散したバンドのリリース・ペースでは在りません。当然のことですけど、此れ以外にも妖しげなモンや各ソロ作品がドカンドカン!と出ていたんですからね。

 1973年 「THE BEATLES 1962-1966」「THE BEATLES 1967-1970」(通称「赤盤」「青盤」)
      ジョージ・ハリスン選曲の2枚組2セット(計54曲)の初の全キャリア・ベスト。

 1976年 「ROCK'N'ROLL MUSIC」ロケンロール・ナムバーを集めた2枚組コンピ盤。
      米国盤はジョージ・マーティンがリミックス。未CD化。

 1977年 「THE BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL」初の公式ライヴ盤。未CD化。

 1977年 「LOVE SONGS」バラッド中心の2枚組コンピ盤。未CD化。

 1978年 「THE BEATLES COLLECTION」
      初のボックス、14枚組(英国オリジナル・アルバムすべて+レアリティーズ)。

 1979年 「RARITIES」ボックスに入っていたアルバム未収録曲集のバラ売り。未CD化。

 1980年 「RARITIES」(US版) キャピトル・アルバム未収録集。未CD化。

 1980年 「THE BEATLES BALLADS 20 ORIGINAL TRACKS」バラッド集。「LOVE SONGS」の二番煎じ。

 1980年 「THE BEATLES BOX」8枚組(126曲)ベスト。MIX違いを多く収録。

 1981年 「THE BEATLES E.P.s COLLECTION」英国オリジナルEP集。15枚組ボックス。

 1982年 「REEL MUSIC」映画に使用された曲を集めたコンピ盤。
      メドレー・ブームに便乗したシングル「MOVIE MEDLEY」も出た。

 1982年 「20 GREATEST」元祖「1」的なシングル・ベスト。英米で別選曲。

 1982年 「THE BEATLES SINGLE COLLECTION」英国オリジナル・シングル+α、27枚組ボックス。


さてさて、このへんでCDが登場するのですが、なかなかザ・ビートルズのCD化は実現しません。ようやく、1987年から全世界統一規格でCD化がスタート(東芝さんはフライングして回収しましたね)、ちなみにCD化をじらして居る間にリリースがなかったのは、ジョンの件が在ったからです。そりゃあ、もう、ジョン関連の新作?をガンガン出してましたからね。1988年には補足盤「PAST MASTERS Vol.1&2」が出て、全曲収録17枚組「THE BEATLES」や、「CD SINGLE COLLECTION」「CD E.P.s BOX SET」と来て完結。

いや、ホントに世の中は、そんなに甘くはなかった。怒濤の90年代以降は、また今度。


さて、つづきです。

1987年にザ・ビートルズのCD化が開始されたのは、「SGT. PEPPERS」の20周年に合わせたかったからだと思います。なんせ♪ It was 20 years ago today ♪ですからね。

で、CD化されたと同時にジョージが名盤「CLOUD NINE」で大復活!1988年には「GOT MY MIND SET ON YOU」で全米1位を獲得してしまいます。となるとポールも負けじとコステロと組んだプロジェクトなどで勢いをつけて、1989年からはビートルズ・ナムバー満載のワールド・ツアーを開始。リンゴもアル中から復帰して、オールスター・バンドでビートルズを歌いまくる様になります。ジョージの「FAB」のプロモでは、ジョージ、リンゴに「せいうち」のコスプレをしたポール、そしてジョンのジャケット写真を加えた疑似再結成まで実現。こーなると、最早、誰もザ・ビートルズを止められません。

1989年リンゴ、1990年ポール、1991年ジョージとソロでの来日公演も実現し、正に時代はビートリー!!そんな展開で本家の新作リリースも騒がしくなっていきます。

 1993年 「赤盤」「青盤」CD化。売れた。初期音源がCDで初ステレオ化されたりして、単なるCD化ではなかった。

 1994年 「THE BEATLES LIVE AT THE BBC」ラジオ音源を集めた2枚組。
      純粋な意味での新作と云うなら、1977年の「LIVE AT HOLLYWOOD BOWL」以来17年振り。売れた。

 1995年 「ANTHOLOGY 1」ついに始まった「アンソロ」プロジェクト!公式海賊盤だが、凄く売れた。
      新曲「FREE AS A BIRD」で仮想再結成までしてしまった。

 1996年 「ANTHOLOGY 2」内容的には「アンソロ」で最も充実した作品。仮想新曲「REAL LOVE」も良い。
      当然のことだが、また売れた。

 1996年 「ANTHOLOGY 3」新曲は無いけど、またまた売れた。重要曲を敢えて外したトコに不安が。
     「アンソロ」は、当時TV放映もされ、ビデオとLD版も発売、とにかく売れた。

 1998年 「THE BEATLES」(ホワイト・アルバム)発売30周年記念で紙ジャケCD化。限定50万枚、即完売。

 1999年 「YELLOW SUBMARINE SONGTRACK」初のリミックス盤。賛否両論だったが、売れた。

 2000年 「1」チャートで1位になった曲を集めた27曲入りのベスト盤。リマスターもされて居る。
      此れはもう、兎に角、売れた。日本だけで300万枚、全世界で2000万枚って、なんだかなぁ。
      挙げ句に、2001年の全米年間トップ・セールスなんですよ。おいおい、此の30年は何だったんだ?

 2003年 「ANTHOLOGY」DVD BOX化。2001年にジョージが他界し停滞して居たが、更に売れた。
    
 2003年 「LET IT BE...NAKED」ついにポールの念願達成盤、やりすぎ、でも売れた。

 2004年 「THE CAPITOL ALBUMS VOL.1」禁断の米盤をCD化。売れた。しかも「VOL.1」でつよ。


てなわけで、ザ・ビートルズ名義だけでもこんなに出てるんですなぁ。てか、此れ以外にもDVDとか、沢山出て居るんですけど、音源中心に主要なモンだけ列記してみたんだわさ。でね、驚くべきことにこんなに出して居るのに、未CD化のアルバムやミックス違いがゴロゴロ残っているんですよ。オリジナル・アルバムのリマスターすらやってないわけですよ。(【注】此れは、2005年時点での事です)映画「LET IT BE」も、未だDVD化されてないんですよ。(【注】此れは、2011年時点でも変わってないのだ、、、)先日入手したブートDVDには、観たこともない演奏シーンが含まれてました。一応、あたしは30年以上追っかけてるんですけどね、困ってしまうよ。

誰か、こいつらの暴走を、いい加減止めてくれませんかね?にやにや。


(小島藺子)


初出「COPY CONTROL」
 「DIG IT」(2005-5-8)
 「IT'S NOT THE END」(2005-5-9)
 「DON'T STOP」(2005-5-10)



【付記】

「COPY CONTROL」の記事を当時のまんまで復刻してみようと思いました。片瀬那奈ちゃんを語った「NANA」は全て既に此処へ移していますし、「FAB4」「ONDO」「KINASAI」などのカテゴリもほとんど引越しさせたのですが、「コピコン」って其れだけじゃなかったと気付いたのですよ。えっとですね、コレって手抜きじゃないのよさ。掘り起こすってさ、大変なんですから。


(鳴海ルナ)


posted by 栗 at 06:24| FAB4 | 更新情報をチェックする

「あきれて物も言えない」

PLEASE


えっとですね、あたくしは此れまで「新マネくんは不慣れだし、悪気はないのだ」と思っていたのですよ。でもですね、今回の「黒田」に関する一連の「マネ日記」を読んでいますとですね、どーやら「意図的にファンを莫迦にしているのではないのかしらん?」としか思えなくなって参りました。

初回放送後に初回予告を送信したのも「事前に送ったなら、虚偽の煽りになっちゃう」って及び腰ゆえだったんじゃねーの?「第1話での登場を待っていたみなさん、すみませんでした!」って、おいおい、、、どの口が云ってんのよさ。

実際には放送後に届いたけれど、文面的には完全に初回放送前に書いたと思われる文章で「登場をお楽しみに♪」ってぬかしたのは誰よ?アノですね、片瀬クンが初回には出演しないって事は多くの信頼出来る情報源から確実だったのだよ。昨年の「名古屋の悪夢」も、やっぱりわざといい加減な告知をしやがったんだな。

もう、おまいに云うことは何にもないよ。勝手にしやがれ。


(小島藺子/姫川未亜)


posted by 栗 at 00:54| MIAMIA | 更新情報をチェックする