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2010年11月29日

FAB4-125:FIXING A HOLE

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1978 Film) Arkeology Butterfly


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:エイドリアン・イベットソン(2/9)、ジェフ・エマリック(2/21、4/7)
 2E:リチャード・ラッシュ(2/21、4/7)
 録音:1967年2月9日(take 1-3)、
    2月21日(take 1(実質 4)、take 2 を編集した take 3(実質 5)に 「SI」)
 MONO MIX:1967年2月21日(take 3 より 2-6)
 STEREO MIX:1967年4月7日(take 3 より 1)

 1967年6月1日 英国アルバム発売 (「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」 A-5)
 パーロフォン PMC 7027(モノ)、PCS 7027(ステレオ)


純正なるポール・マッカートニーの作品。アルバムのA面では最も地味な位置づけながら、ギラリと光る佳曲です。ポールが弾くハープシコードのイントロや、ジョージの渾身のリード・ギター(滅茶苦茶カッコいい!)も好いけど、やはりポールのベースが凄い!アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」の聴きどころのひとつは、ポール・マッカートニーの天才的なベース・プレイです。また、此の楽曲は珍しくポールがドラッグの影響を伺わせたものです。前曲「GETTING BETTER」から次の「SHE'S LEAVING HOME」までの三曲は、基本的にはポールが書いた作品で、其の流れがアルバムの「肝」と云える効果を出しています。1967年のポールは、ノリに乗っていたと云えるでしょう。

ジョン・レノンも絶賛した此の楽曲ですが、前述の通りにアルバムでは目立たない印象でした。あたくしが此の曲の素晴らしさを再認識したのは、ポールがソロで演奏した時でした。イントロから完璧な過去の自分を模倣した其の演奏を聴いて、正に摩訶不思議な「1967年のサマー・ラヴ」へと誘われたのです。マイナーからメジャーへと、いとも簡単に展開する「ポール節」は、壱度ハマったら抜け出せない魅力に溢れています。後に語る「ホワイト・アルバム」でジョンが書いた「GLASS ONION」にも歌い込まれました。此の楽曲の凄みを、流石に相棒のジョンは知っていたのです。本当に、史上最強の名コムビだナァ。

モノラルではエンディングが2秒も長く、ポールのアドリブ・ヴォーカルが続くのが聴けます。マジで、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」だけでもいいので、モノラル盤と聴き比べて下さい。幾ら森山直明サンやあたくしが「此処が違うのよさ」と書いても、実際に聴いてもらわなきゃどーにもなんないのよさ。聴き比べて「うわっ!違うじゃんっ」って認識した時の感動は「至福」ですよ。レコーディングやミックスの過程でのナンバリングがダブっていて分かりにくいのですけど、よーするに「take 2」から新たな「take 3」を作って、其れを元にミックスしています。「take 1」と「take 3」がダブっているわけで、正確にナンバリングするとマスターは「take 5」となります。


(小島藺子/鳴海ルナ)



posted by 栗 at 00:40| FAB4 | 更新情報をチェックする