w & m:
LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック
2E:リチャード・ラッシュ
録音:1967年3月1日(take 1-7、take 7 を編集し take 8)、
3月2日(take 8 に SI 「歌、コーラス、ベース、ギター」)
MONO MIX:1967年3月2日(take 8 より 1-11)、3月3日(take 8 より 1-4)
STEREO MIX:1967年4月7日(take 8 より 1-5)
1967年6月1日 英国アルバム発売 (
「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」 A-3)
パーロフォン PMC 7027(モノ)、PCS 7027(ステレオ)
ジョン・レノンが、当時は幼稚園児だった息子のジュリアンが描いた絵をヒントに書いた曲です。たまたま頭文字が「LSD」になっていたのは、偶然なのか狙ったのかは謎です。曲を書いたのはジョンですが、アレンジやコーラスでのポールの活躍ぶりも素晴らしく、完成形は合作に近いとも思えます。「レノン・マッカートニー」とクレジットされた楽曲のほとんどは実際にはどちらか片方が書いた作品も多いのですが、常に明らかにもう片方の影響も伺えます。当然の話ではあるのですけど、ジョン・レノンとポール・マッカートニーは同じバンドに居て、二人で曲を書き、歌い演奏していました。
アルバムでは三曲目の此の楽曲から、世界はとってもカラフルに感じられます。色彩感があるんですよ。其れがドラッグによるものだったとしても、サウンドとしてキラキラする音像に昇華してしまったのは「ビートルズの才能」です。ジョン曰く、ルイス・キャロルに影響された詩(「万華鏡の瞳の女のコ」とか「新聞紙で出来たタクシー」とか、ゾクゾクします)を、独特のレノン節(ジョンの歌唱法は、語り掛ける様に自然で、しかも音節に見事に収めてしまうんです)で歌うだけでも、充分に幻想的です。
ビートルズのオリジナル・ヴァージョンはシングル化されなかったものの、1974年のエルトン・ジョンによるカヴァー・シングルにはジョン・レノンがギターとコーラスで参加し全米首位を獲得しました。当時、日本盤のシングルを買いましたが、ドーナッツ盤なのに「45回転」ではなく「33回転」でした。そんでもって「エルトン・ジョン・レノン」とか書いてありました。更に、其のお返しでエルトンが客演したジョンの「真夜中を突っ走れ」が彼のソロとしては初めて全米首位になり、ジョンはエルトンのライヴに客演し、此の楽曲も披露されました。
エルトンはジョンの親友で、ショーンの名付け親にもなっています。ジョンが育児休暇で「主夫」をしてた時代(実際には、単に遊んでいただけなんですけど)に、エルトンと一緒にベイ・シティ・ローラーズのライヴを観に行ったら、ファンの女のコに「エルトンの隣にいるオヤジは誰?」と云われたらしいです。1970年代には五年も引退状態では天下無敵のビートルズのリーダーであるジョン・レノンですら「あの人は今」だったのですね。エルトン・ジョンとビリー・ジョエルがジョイントで来日した1998年のコンサートには、あたくしも足を運びまして、アンコールで此の曲も演奏されました。ジョンのパートをビリーが受け持った構成でしたけど、感動したナァ。そー云えば「ルシ☆スカ」って居たナァ。どーしてんのかナァ。
(小島藺子/姫川未亜)