w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック
2E:フィル・マクドナルド
録音:1966年4月7日(take 1-5)、4月8日(take 6-8)、
5月18日(take 8 に SI 「歌、ブラス」、更に take 8 を編集し take 9-11 を作り、
take 9 に SI)、6月17日(take 9 に SI 「ギター」)
MONO MIX:1966年5月18日(take 9 より 1-2)、6月17日(take 9 より 3-7)、
6月20日(7 に take 8 から SI 「ブラス」し、8)
STEREO MIX:1966年6月22日(take 9 より 1)
1966年8月5日 英国アルバム発売 (「REVOLVER」 B-6)
パーロフォン PMC 7009(モノ)、PCS 7009(ステレオ)
タムラ・モータウンを意識したポール・マッカートニーの傑作です。「アンソロジー2」で聴ける初期テイクでは、オルガンが主体のビートリーなサウンドでしたが、リメイクした公式テイクは大胆にブラスを取り入れたサウンドに変貌します。イントロから「いきなりだナァ(片瀬那奈ちゃん声で)」とトランペットとサックスが鳴り響く斬新なアレンジは、後の「ブラス・ロック」の先駆けでしょう。実際に、此の曲はシカゴやブラッド・スウェット・アンド・ティアーズに影響を与えカヴァーされています。しかし、作者のポールは「ビートルズは世界最強の盗作集団さ!」と元ネタの存在を隠しません。其の「何でもアリ」な精神こそが、ビートルズを怪物にしたのです。
ジョン・レノンはアルバム「REVOLVER」のポール楽曲に関しては手放しで絶賛しており、此の曲も「ポールの傑作のひとつだろ。歌詞が好いし、しかも書いたのは僕じゃないんだから」と彼らしく褒めちぎっております。其のジョンも賞賛する歌詞ですけど、タイトルにもなった決めフレーズが素敵ですね。直訳すると「僕の人生に君を入れちゃうよ」って事で、よーするに「結婚しよう」ってプロポーズです。それにしても浮かれすぎてますけど、其れはマリファナをガッツリとキメて書かれたからでしょう。
ポール自身もお気に入りの曲で、ウイングス時代から現在まで実演の定番曲になっています。現在ヘビロ中の昨年の最新ライヴ「GOOD EVENING NEW YORK CITY」でも、序盤でしっかりとやらかしてくれますが、イントロだけで気分が昂揚する最高の楽曲です。オリジナルのステレオとモノでは、エンディングのポールのアドリブが全く違っているのもマニアには堪りません。また、EW&Fによるカヴァーは、数多在るビートルズ・カヴァーの中でも傑作と云える出来映えです。確かに、アルバム「REVOLVER」のポールは素晴らしい。満点ですね。
(小島藺子)