w & m:LENNON /
McCARTNEY P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック
2E:リチャード・ラッシュ(6/8)、フィル・マクドナルド(6/9)、ジェリー・ボイズ(6/22)
録音:1966年6月8日(「A GOOD DAY'S SUNSHINE」take 1-3)、
6月9日(take 1 にドラム、ピアノ、手拍子を SI)
MONO MIX:1966年6月9日(take 1 より 1-6)6月22日(take 1 より 7)
STEREO MIX:1966年6月22日(take 1 より 1)
1966年8月5日 英国アルバム発売 (
「REVOLVER」 B-1)
パーロフォン PMC 7009(モノ)、PCS 7009(ステレオ)
ポール・マッカートニーの作品で、アルバムだとB面一曲目を飾る楽曲です。アルバム「REVOLVER」は、ジョージ・ハリスンの楽曲を挿みつつも、基本的にはジョン・レノンとポール・マッカートニーの曲が交互に配置されておりまして、レノマカの相違が明確に分る構成になっています。前述の通り、ポールはジョンに「REVOLVER」で「俺の曲よりも、お前の曲の方が好きだ」と云われたのが本当に嬉しかった様で、後に1984年の「ヤア!ブロードストリート」で此の曲を含めて4曲もセルフ・カヴァーしています。
イントロが如何にも「此れから始まりますよっ」って感じでワクワクさせられるのは、アナログでB面にひっくり返して針を落としてこそ味わえる部分でして、其れは他のアルバムでも云える演出です。CDは便利だけど、こうした味わいが無くなってしまいましたね。ポールの才能が爆裂したと云われるのがアルバム「REVOLVER」ですし、実際に彼が書いた楽曲は全て名曲です。然し乍ら、ジョンが後退したのでは無いのが、ビートルズの恐るべき点なのだ。「天気が好いぞ、楽しいよ〜ん」って、正に天然ポール節が全開で莫迦丸出しの阿呆な歌詞ですが、美しいメロディーで「全てはオーライ!」と聴き手を簡単に捩じ伏せてしまいます。
そして、此の曲の肝は、エンディングでのコーラスでしょう。ジョン、ポール、ジョージの黄金の三重唱が、うねりを上げてこだまし、最後には突然に転調!此の辺こそが、実はいち早く「PET SOUNDS」を視聴したレノマカの対抗心の成せる技だと思えます。さらに楽曲自体はラヴィン・スプーンフルの「DAYDREAM」に影響されて書いたと自白しており、ポールの貪欲な「パクリ精神」が伺えます。此の時点で、ポールは完璧にピアノをマスターしちゃっていますね。間奏のホンキートンク風なソロはジョージ・マーティンがダビングしていますが、元の演奏は「take 1」で、ポールがピアノを弾いて歌っています。此の頃から、ポールはピアノでも曲を書く様になったと思われます。ポールは、根っからの音楽人だ。其の貪欲なパクリ精神も含めて、凄いナァ、やっぱり。
(小島藺子)