ビートルズ全曲解説も中間地点を超えましたが、最近毎日新宿へ通う日々を送っておりますゆえ、西新宿へ寄る機会が増えました。其れで、本日も、トンデモなブートDVDを買ってしまったのでした。其の名は「GET BACK chronicles」、三枚組のプレスDVDでたったの2800円でした。安過ぎる!
あたくしが最も散財したビートルズの海賊盤は、圧倒的な物量を誇る「THE GET BACK SESSIONS」関連です。其れは、1969年1月2日から1月31日までに記録された音源及び映像で、公式では1970年に映画「LET IT BE」とアルバム「LET IT BE」、及びに1969年のシングル盤「GET BACK / DON'T LET ME DOWN」と1970年のシングル盤「LET IT BE」として発表されました。2003年に「LET IT BE... Naked」としてリミックスされたのも此の音源です。
映画を撮っていた為に、約一ヶ月間の模様が他のアルバム制作時とは比べ様が無い程に多く遺されているのですが、映像作品に関しては、なな、なんと公式の映画「LET IT BE」すら現在は発売されていません。完成品の映画ですらDVD化されないのですから、他の膨大な未公開映像など論外なのです。今回購入したのは、流出した「THE GET BACK SESSIONS」の映像を時系列で並べ替えて編集したと云うトンデモな労作です。ハッキリ云って、現時点では此の三枚組と最新デジタル・リマスター映像(最早、現在のブートはリミックスもリマスターも自由自在です)の映画「LET IT BE」(驚くべき事に、其れも今や新品でたったの千円で投げ売りされておりました)を揃えれば、幻の「ゲバ音源映像版」は完璧でしょう。
音源に関しては余りにも膨大ですし、素人が踏み込んではいけない泥沼です。映画のAロールだけでも、CDで70枚以上ありますからね。でも、此のDVDは「THE GET BACK SESSIONS」に興味があるなら買って損はないですよ。あたくしにとっては、宝の山ですので、暫く全曲解説を休止して此れを堪能します。「屋上ライヴ」だけでも失神モンですよっ。
(小島藺子)