w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック
2E:フィル・マクドナルド
録音:1966年6月21日(「UNTITLED」リハーサル take 25 後、take 1-3、
take 3「伴奏」 に SI 「歌&コーラス」し take 4 とし、更に SI 「ギター、オルガン」)
MONO MIX:1966年6月21日(take 4 より 1-3、ボツ)、6月22日(take 4 より 4)
STEREO MIX:1966年6月22日(take 4 より 1)
パーロフォン PMC 7009(モノ)、パーロフォン PCS 7009(ステレオ)
ジョン・レノン作で、アルバム「REVOLVER」のA面ラストを飾る傑作です。ドラッグ・パーティーで完全にトリップした俳優のピーター・フォンダに「俺は死ぬのがどういう事なのか知ってる」と云われた体験から発想された楽曲ですが、完成した音楽は素晴らしいです。まずもって、ジョンが書くメロディーが繊細で美しい。其れは、ジョージ・マーティンによってオーケストラでアレンジされたカヴァーを聴けば分ります。更に、ジョンの独特な歌い回しが実に好い。絡み付きうねる様に展開する歌唱は、ハマったら最後、抜け出せません。
アルバム「REVOLVER」でのジョン・レノンは、単純なコード進行で単音で歌うと云う新たなる曲作りに挑戦しています。7thコードを中心にした縛りも自ら選択したと思われます。演奏も抜群に格好良く、ジョージのベースとリンゴの太鼓も好いのだけど、ジョージのエレキ・ギターが凄い!イントロから飛ばしっ放しです。ジョージ、弾けるじゃん。此の曲は「REVOLVER」で最後(1966年6月21日)にレコーディングされました。そして、此の日のセッション中に口論が起こりポールが途中で帰ってしまったので、ポール不在で完成されています。コーラスがジョンとジョージの二人だけなのは其の為です。其の経緯から、此の曲にはポールが全く参加していないとの説もあります。事実、ポールも参加していないと証言しています。確かにポールが関わっていたら、曲の印象は変わっていたでしょうね。
明らかに、ジョン・レノンは別の次元の音楽を作ろうとしています。其れをしっかりと支えるポール(途中で帰っちゃったわけだが)、ジョージ(ポールが帰ったので、活き活きとしています)、リンゴ(何も考えていません)。此れが、ビートルズ。個人的には、アルバム「REVOLVER」のベストは此れですね。アルバムの最後に到達したのが、此の音だったのです。こんなにも不可思議で、しかも大衆音楽から逸脱していないって、凄過ぎるよ。でも、ジョンは不満だったのでしょう。彼は大衆音楽から逸脱したかったのです。
(小島藺子)
さて、本日(11/9)は、ジョン・レノンとブライアン・エプスタインが出逢った日であり、ジョン・レノンと小野洋子さんが出逢った日でもあります。在る意味、ジョンの「第二の誕生日」とも云える日なのでした。ジョンは「9」が大好きな数字ですから、運命的なものを感じたと思われます。
(小島藺子)