w & m:HARRISON
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック
2E:フィル・マクドナルド(4/11、5/16、6/21)、リチャード・ラッシュ(4/13)
録音:1966年4月11日(「GRANNY SMITH」take 1-6)、4月13日(take 7)
MONO MIX:1966年4月11日(take 6 より ラフ1)、4月13日(take 7 より 1-3)、
5月16日(RE-MIX-mono 3 より 4-5)
STEREO MIX:1966年6月21日(take 7 より 1-3)
1966年8月5日 アルバム発売 (「REVOLVER」 A-4)
パーロフォン PMC 7009(モノ)、PCS 7009(ステレオ)
ジョージ・ハリスンの作品で、当時ハマってしまった印度音楽に激しく傾倒した楽曲です。演奏は、ジョージ以外にはビートルズのメンバーは参加した様には感じられません。ポールとリンゴは録音に参加したようなのですけど、全く痕跡が残っていません。全篇がシタール(ジョージ)やタブラ(アニール・バグワット)、ディルルパ、インド式ハーモニウムなどの印度楽器で構成された此の楽曲は、全く以て新しい「ラガー・ロック」の創造でありました。「静かなビートル」と呼ばれレノマカに小僧扱いされて来たジョージの、余りにも劇的で過激な自己主張です。云ってみれば、ポールしか参加していなかった「YESTERDAY でしょ?あたし好きだナ(片瀬那奈ちゃん声で)」同様に、此れは「ジョージのソロ」です。なのに、ビートルズの作品として堂々と発表しちゃったわけでして、此の辺の「何でもアリ!」って自由奔放な精神が彼等の持ち味でもあります。
余談ですが、タイトルはジョージの曲では毎度の事ですが決まっていなくて、「GRANNY SMITH」と林檎の品種が仮題となっていました。ちなみに「GRANNY SMITH」は後にビートルズが立ち上げたアップルのシンボル・マークとなり、レコード・レーベルにも仕様され有名になります。其の元がジョージの曲名だったと云うのも面白いのですけど、アップルで最後にジョージが発表したアルバム「EXTRA TEXTURE(ジョージ・ハリスン帝国)」(1975年)では林檎が芯だけになっていました。其れは、アップルで最後の元ビートルズによるオリジナル・アルバムでもあったわけで、洒落が効きすぎています。
音楽的にも革新的ですが、歌詞も「MAKE LOVE ALL DAY LONG」なんぞとトンデモな内容でして、中学生の時に此の曲を聴いて「MAKE LOVE って何だべさ?」と調べてしまったあたくしは、吃驚仰天したものですよ。そー云えば、友達から聞いた話で、海外留学した女のコが「彼に『愛を作ろう』って云われたの」って誤解してヤラレちゃったってのがあります。あと、ウッディ・アレン監督の映画「カイロの紫のバラ」で、映画から現実世界に出て来たトムが娼婦に誘われる場面で「あなたは彼女に『FALL IN LOVE』してるの。だからあたしとは『MAKE LOVE』しましょ」って云うのが面白かったです。そーゆーのを覚えたのは、ジョージの御蔭だね。
(小島藺子)