w & m:
LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック
2E:フィル・マクドナルド
録音:1966年4月27日(take 1-11)、4月29日(take 11 に SI 「歌」)、
5月5日(take 11 に SI 「逆回転ギター」)、
5月6日(take 11 に SI 「コーラス」、編集し take 12-13)
MONO MIX:1966年5月6日(take 13 より 1-4)、5月12日(take 13 より 5)、
6月6日(take 13 より 5-6、正確には 6-7)
STEREO MIX:1966年5月20日(take 13 より 1-2)
初出:1966年6月20日発売 (「YESTERDAY AND TODAY」 A-2)
キャピトル T 2553(モノ)、ST 2553(疑似ステレオ)
1966年8月5日 英国アルバム発売 (
「REVOLVER」 A-3)
パーロフォン PMC 7009(モノ)、PCS 7009(ステレオ)
ジョン・レノン作の傑作!ハッキリ云って、アルバム「REVOLVER」時のジョン・レノン楽曲は凄過ぎます。此の曲や
「SHE SAID SHE SAID」や
「TOMORROW NEVER KNOWS」、そして前述の
「RAIN」等は、全く以て新しい!しかも大衆音楽の範疇からは逸脱していません。ドラッグ体験の影響下にあったとはいえ、こんな物凄い曲が書けたのはジョン・レノンの才能です。
驚くべき事に、ジョンは自分の声がキライでした。ゆえに、何とか違った声に加工したいと考えましてですね、此の楽曲でもテープのスピードを上げております。ジョンは感性の人なので、技術的な事など考えていないわけで、マイクに後ろ向きに立って歌ったり、寝転んで歌ったり、マイクを吊るしてぐるぐると回転させたり、挙げ句の果てには「喉にシールドを繋ぐ穴を開けよう」なんて訳が分からない事も本気で云い出すのでした。芸術家だナァ。ま、マーティンやエマリックにとっては「トンデモな野郎」ですけどね。印象的なジョージの逆回転ギターも、単純に普通に弾いたのを逆転したのではないのです。
まず、ジョージ・ハリスンが普通にギターを弾いて、其れをジョージ・マーティンが採譜し逆進行で採譜し直し、其の逆進行をジョージ・ハリスンが二本のギターで弾き直し、其れをさらに逆回転させているわけです。「賛成の反対の賛成の反対は賛成なのだ」と云った行程でありまして、よーするに音階としては最初にジョージ・ハリスンが普通に弾いた状態に戻っているのですけど、そうは聴こえないトコがミソです。5月5日に行われた此の間奏のオーヴァー・ダビングには、なな、なんと「6時間」も掛かっています。
録音に凝った上に、米国キャピトルの要請で先にマスターを渡さなければならなくなりまして、ミックス違いの宝庫となった楽曲でもあります。ミックス違いに関しては多くの研究本やサイトがありますが、やはり実際に自分の耳で聴いて「おおっ!違うじゃん」と楽しんで頂きたいですね。幸いにも現在ではほとんどのミックスがCDでも簡単に聴ける様になっています。てかさ、そもそも「俺は寝てるだけ」って歌ですからね。何じゃ、そりゃ?なのに名曲、其れがビートルズ。
(小島藺子)
さて、本日(11/6)は、伊原剛志さん(片瀬那奈ちゃんとは「ラストクリスマス」で共演)と、Soweluちゃん(片瀬那奈ちゃんとは「SHiNY☆girls」でユニット結成)のお誕生日です。御目出度う御座居ます。それでは、おやすみなさい。
(小島藺子/姫川未亜)