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2010年09月20日

「片瀬那奈ちゃん名セリフ集」#021

AS TIME GOES BY(テレビ朝日系ドラマ「天国のKiss」主題歌)


「お願い、櫂をあたしに返して。櫂があなたのことを好きなのは知ってる。あなたも櫂のことを。だけど、櫂への想いはあなたに絶対負けない。あたしはあなたよりずっとずっと櫂が好きなの。それに、あたしはあなたみたいに櫂に寄りかかったりしない。櫂はあなたを庇うためにいつも巻き添えになってる。あなたはいつだって櫂に頼るだけ。守ってもらうだけ。それって櫂のためになってるの?負担になるだけじゃない。それがあなたの愛し方なの?好きな人に対してそれでいいの?あたしならそんなことは絶対にしない。あたしは櫂を幸せにしたいの。これから先も、ずっとずっと櫂を愛しつづける。あたしなら、いつでもいつまでも櫂のそばにいて支えてあげられる。あなたにそれが出来る?出来るの?もしも、本当に櫂のことを想っているなら、あたしに櫂をください。(突然、土下座)お願いします。お願い、お願い!」

(「天国のKiss」1999年)


片瀬那奈ちゃんの連続ドラマ初出演作であります「天国のKiss」で演じた「桂木礼奈」は、典型的な「苛め役」です。主人公の「明日美(奥菜恵サン)」と恋人の「櫂(藤原竜也クン)」を巡って対立し、徹底的に明日美を苛めまくります。改心した振りをして罠に嵌めたり、バスケ部員の明日美に対する評判も落とし、バイトへ行く明日美をトイレに閉じ込め水をかけるとか、エスカレートしてゆくのです。

ところがですね、終盤になりまして最終手段として繰り出したのが「土下座して嘆願」だったのですよ。櫂から明日美への気持ちを聞いた礼奈は、登校する明日美を玄関で待ち伏せして、橋の上に来たところで今回取り上げた長セリフを一気に捲し立てます。其の間、明日美はずっと黙って聞いているだけです。

最後には唐突に土下座してですね「お願い」を繰り返すのです。道ばたですよ。橋の上ですよ。朝っぱらから、一体何をやってんのよさ。すると、明日美はそんな真摯な礼奈を置き去りにして、ひとこと「イヤーッ!」と絶叫し逃げ出してしまいます。「待って!」と追いかけた礼奈ちゃんは、なな、なんと車に轢かれて死んでしまうのでした。もう、こうなると其れまでの「苛め」なんかお釣りが来ちゃいますよ。何で礼奈ちゃんが死ななきゃならないのよさ。余りにも破天荒なシナリオだっ。

死体になった礼奈を、叩いたり揺さぶったり、土下座の時には黙りこくっていたのにここぞとばかりに罵倒しまくる明日美は「鬼」ですよ。「何で死んじゃうのよぉーっ!」って、お前が逃げたから死んじゃったんじゃまいか。そもそも櫂と礼奈は恋人同士だったのに、幽霊の明日美が現れて滅茶苦茶になってしまったわけですよ。明日美が死んだのは、ビジュアル系の歌手の追っかけをしていたからで、其れが偶然にも櫂の亡くなった姉(主題歌担当のhiroちゃんが特別出演)の恋人だったとか、明日美と櫂が幼馴染みだったとか、そんな事は礼奈ちゃんには全く関係がないのです。恋人を奪われて死んじゃうなんて、礼奈ちゃんは此のドラマの壱番の被害者ですよ。

「ご臨終です」と死亡宣告されたものの、どーゆーわけか明日美と櫂に呼び掛けられただけで礼奈は蘇生するのですけど、マンガじゃないんだからさぁ。ま、原作はマンガなんですけどね。「苛め役」で在り乍ら、明らかに礼奈ちゃんの方が魅力的ですし、憎み切れない役どころになっています。現在までつづく片瀬那奈ちゃんの「ライバル、敵役、苛め役、悪役」路線の基礎が築かれた名演技です。


(小島藺子/姫川未亜)


posted by 栗 at 21:45| ERENA | 更新情報をチェックする

「片瀬那奈ちゃん名セリフ集」#020

フジテレビ系ドラマ「氷の世界」オリジナル・サウンドトラック


「遅いよ、遅過ぎるよっ!」

(「氷の世界」1999年)


片瀬那奈ちゃんの月9初出演となった「氷の世界」で演じた迫田七海は、数在る那奈ちゃんが演じた役柄でもかなり好きです。此処のプロフィールでの代表作には挙げていませんが、其れは「年間で一作」って考えての事でして、正直に云いまして女優デビューした1999年の作品は全部好いのですよ。「最後のデート」「GTOドラマスペシャル」「天国のKiss」「氷の世界」と続いた女優デビューの年での那奈ちゃんは、正しく其の時でしか観られない初々しい姿を魅せてくれました。

ハッキリ云うとですね、此の頃の那奈ちゃんの演技は稚拙です。でも、必死に演技を学ぼうとして成長してゆく過程が記録されています。特に「氷の世界」ではセリフ回しが過剰になっていて、まるで舞台女優みたいになっているのです。明らかに、那奈ちゃんが「如何に演じるか?」と迷い乍ら戦っていたと感じられます。

もう二度と、片瀬那奈ちゃんは此の時と同じ言い回しは出来ないでしょう。七海ちゃんのイントネーションは、他の作品では味わえない独特なモノです。そして、其れがとっても魅力的だったのです。数多ある那奈ちゃんのセリフの中でも、何故かこの「遅いよ、遅過ぎるよっ!」は個人的に耳に残っております。「おそいよ、おそ、すぎるよっ!」って節回しが、余りにも過剰で情熱的なんですよ。物語では惨殺される役でして、何度観ても泣いてしまいます。来月に「DVD BOX」が発売されますので、是非御覧になって下さい。

主題歌の「ダイヤモンド・ダスト」が、あんまり気付かれないかもしれませんけど、サー・ポール・マッカートニーの「Beautiful Night」から頂いちゃってるんですよ。♪デデデン!デデデン!♪ってトコはモロなので、確信犯です。ヒムロックは「DEAR ALGERNON」って曲でも、ちゃっかりポールの「Only Love Remains」をモロパクしてたりして、意外にもかなりの「ポール好き」みたいです。

さて、本日(9/20)は、片瀬那奈ちゃんが出演し11月に公開される「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」で共演されている鈴木砂羽さんのお誕生日です。アムロちゃんのお誕生日でもありますが、あたくしの大切なおともだちのお誕生日でもあります。皆さん、御目出度う御座居ます。


(小島藺子/姫川未亜)


posted by 栗 at 00:37| ERENA | 更新情報をチェックする