「えっ?褒めた?今、貧乏人のこと褒めた?昨日せっかくシックスティ・オーバーまで打たせたのにぃ、あいつすぐ追いついてくるぜ、あの女ぁっ!貧乏人はハングリーだしよっ、いつも腹ぺこリンゴだしよぉっ!うーん、ムカつくぅ、今出川サンまで味方しちゃってぇ、ムカつくから、リコのスピニング・クリオネ〜!」
(「プロゴルファー花」2010年)
今年(2010年)に片瀬那奈ちゃんが演じた「高瀬リコ」は、歴代のキャラの中でも上位に入る正に本人も語る通り「片瀬那奈ちゃんにしか出来ない役」でした。先日発売されたDVD箱の出来映えも最高で、万人に自信を持ってオススメできる代表作のひとつです。強烈なキャラクターばかりのドラマでしたが、矢張り此の路線なら片瀬那奈ちゃんの十八番です。明らかに、リコちゃんの存在感が図抜けています。此れは、決してファンの贔屓目ではありません。
多くの必殺技を遺したリコちゃんですが、そちらは最終回直後に「リコちゃん必殺技大全集」としてまとめました。DVD箱を観ると、新たな発見や未公開シーンでの技、そして那奈ちゃんのインタビューでの発言などもありますので、改訂版を書かなければいけないでしょう。必殺技や「変顔」にも目を奪われたリコちゃんには、多くの名セリフも当然乍ら在ります。
今回取り上げたのは、第4話からでして、今後も何度かリコちゃんのコトノハはピックアップするのですけど、最初に此れを選んだのはですね、此のセリフが必殺技「スピニング・クリオネ」の前振りになっているってのが最高だったからです。技を出すまで、此れだけ語るって好いナァ。あとですね、特に「貧乏人はハングリーだしよっ、いつも腹ぺこリンゴだしよぉっ!」ってトコの言い回しが素晴らしいのです。「ハングリー」を「ふあんぐぅりい〜」と過剰に云ったり、うっかり「はらぺこりんご」とかオヤジギャグを交えたり、もう片瀬那奈ちゃんの独壇場ですよ。片瀬クンは、本当にセリフ回しが面白いのだ。
片瀬那奈ちゃんは表情も豊かでセリフ回しも見事で顔だけでも芝居が出来るのですけど、必殺技大全集が成立してしまう程に全身で演技が出来るのです。さらに、後ろ姿とか脚だけとか指先だけとかでも「片瀬那奈、此処に在り」と示せる域に達しています。正に盤石な女優となった片瀬クンは、此れからが勝負ですよ。「あたしにしか出来ない」と堂々と云える様になった片瀬クンの今後に、大いに期待せずにはおれません。片瀬クンには、未だ未だ、伸びしろが在る!(きっぱり)
さて、本日(9/26)は、ブライアン・フェリーとオリビア・ニュートンジョンのお誕生日です。御目出度う御座居ます。お二人共、ビートルズのカバーを発表していますね。そう云えば「FAB4」って連載中断したまんまだナァ。
(小島藺子/姫川未亜)