出演作:『ブラッディ・マンデイ Season1』第1話〜第5話(TBS系)
『ブラッディ・マンデイ Season2』第1話(TBS系)
放映日:2008年10月11日〜11月8日、2010年1月23日
(毎週土曜日 19:56〜20:54、初回2時間スペシャル版)
平均視聴率 Season1:11.4%、Season2:8.1%
映像作品:DVD「ブラッディ・マンデイ DVD BOX 1」(アミューズ ASBP-4326)
2009年1月23日発売
DVD「ブラッディ・マンデイ DVD BOX 2」(アミューズ ASBP-4327)
2009年3月27日発売
DVD「ブラッディ・マンデイ Season2 DVD BOX」
2010年6月25日発売予定
初主演舞台「フラガール」を見事に完走した片瀬那奈ちゃんは、「暴れん坊ママ」以来壱年振りに連ドラのレギュラーへ戻って来ました。そして同時期に「歌手・片瀬那奈復活!」と云う驚愕すべき出来事も起こります。其れ等すべてが、デビュー10周年イヤーで魅せた片瀬那奈ちゃんからの愛情溢れる素晴らしい贈り物でした。
映画「20世紀少年」に期待した悪女路線の決定版は、同じく東宝が制作に関わった此の「ブラッディ・マンデイ」で果たされます。片瀬那奈が演じた「宝生小百合」は自衛隊特殊部隊出身の公安調査庁テロ対策組織「THIRD-i」のメンバーで主人公「藤丸(三浦一馬くん)」と其の妹「遥(うみに〜:川島海荷ちゃん)」の護衛役を担当しますが、実はテロ組織のスパイです。宝生はかつて国家によって死に追いやられた兄の復讐の為にテロ組織に加担しましたが、非情に徹し切れず人質を解放し、拳銃で頭を撃ち自決します。
「THIRD-i メンバー兼スパイでテロリスト」としてのクールビューティー振りを大いに魅せつつも、護衛する遥へ柔らかで強い母性的な愛情を注ぐ人間らしさも隠せない「悪人になり切れない役どころ」は、片瀬那奈ちゃんの真骨頂でしょう。多彩な関節技や蹴りを屈強な男子相手に見事に決めるアクションも見どころです。片瀬クンは「U系」のファイト・スタイルがよく似合いますね。
屋上で夕陽を背にして自ら頭を拳銃で撃ち抜き絶命する第4話で宝生小百合の出番は終了しますが、どう考えても「小百合ちゃんにホの字」だったとしか思えない上司の加納(タモッちゃん:松重豊さん)が事在るごとに回想する為に、第5話と第二部の初回にも登場し、自害場面が三回もリピートされます。実質的にはたったの四回で死んでしまう役柄なのですが、其のインパクトは強烈だった様で、2008年11月29日に広島ガス展で行われたトークショーでは其の前にあった「ゴーオンジャー・ショー」目当てで集まったチビッコたちも「ほうしょうおねえさんが来る!」とばかりに居残り「ななちゃ〜ん!」と可愛い声援を送っておりました。
片瀬クンは「え〜、みんなみてくれたの?おねえさん、こんなのこと(頭に指でピストル・ポーズ)して死んじゃったのに、こわくなかった?」とご満悦で御座居ましたが、後で考えれば既に「歌のおねえさん:美月うらら姫」の試運転に入っていたのだとも思えます。そう云えば「僕たちの好きだった革命」初演千秋楽の大阪で出待ちをした時に、片瀬クンは眼鏡をかけて登場しました。単なる伊達眼鏡ファッションかと思ったら、次作の「地獄の沙汰はヨメ次第」での「みちるっち」がメガネちゃんだったのでした。必ず、其の後に繋がるヒントは在るのです。
「宝生小百合」が中盤で死んでしまって、2008年は終ったと思えました。「片瀬クン、御苦労さん!また来年」と労おうとしたのですが、片瀬クンは「宝生が途中で死んだから転生しちゃうぞっ」とばかりに、2008年10月期の別の連ドラにゲスト出演しちゃうのです。しかも、二作品に。1クールで三つの連続ドラマに助演する女優なんて、なかなかお目に掛かれるものでは在りません。うっかり片瀬クンは、連ドラ三本を掛け持ちする程の「売れっ子助演女優」になっていたのでした。
「ブラッディ・マンデイ」INDEX
(小島藺子/姫川未亜)