出演作:『キミ犯人じゃないよね?』
第5話「ヴィーナスに魅せられた彼女」(テレビ朝日系)
放映日:2008年5月9日(金曜日 23:15〜24:10)視聴率 9.7%
映像作品:DVD「キミ犯人じゃないよね?DVD BOX」
(角川エンタテインメント ACBD-10586)2008年9月26日発売
映画「20世紀少年」への出演と舞台「フラガール」主演が発覚し、紀行番組で印度へ向かった2008年春の片瀬那奈ちゃんが、2008年4月期の連続ドラマに出演するなど普通なら考えられませんでした。ところが、片瀬クンは連ドラ2作品にゲスト出演してしまいます。其れどころか、バラエティ番組とは云え「浜田警察緊急出動スペシャル!〜本当にあった男と女のサスペンス劇場〜」(読売テレビ:2008年4月17日放送)や「ショコラ」(日本テレビ:2008年5月3日放送)などは、所謂ひとつの「再現ドラマ」への出演でありまして、うっかり女優歴に加えたくなる程の熱演を魅せております。止まらないナァ。
「キミ犯人じゃないよね?」は、片瀬クンとは「信長の棺(2006年)」以来の再共演となり当時には考えられない程に出世しちゃった「貫地谷しほりちゃん=森田さくら」と、歴代ライダー俳優のひとりで此の直後に「二人の食卓」(テレビ朝日:2008年5月30日放映)で片瀬クンに自慢のイタリアン料理を振る舞い2010年に「泣かないと決めた日」でも片瀬クンと再共演する「要潤さん=宇田川教生」のコムビが主演の、推理コメディです。てか「此れは貫地谷しほり&要潤主演の推理コメディ」で済む説明が、何でこんなに長くなるのよさ。
毎回、セレブ刑事の宇田川を尻目に、ド素人で「推理作家の卵」の自称「神出鬼没のアルバイター」さくらが真犯人を突き止める展開で、宇田川が「持ってかれた美女」が実は真犯人ってのもお約束です。脚本が「ケータイ刑事」シリーズと同じ片でして、其れからの我田引水なパロディも多く、貫地谷ちゃんの無意味なコスプレなども含めて「コアなヲタ向けのマニアックな悪ふざけドラマ」とも云えます。第五話にゲスト出演した片瀬那奈ちゃんが演じるクールビューティーで「ルナルナパークの副園長」である「流山まどか」も、ズバッとスルッと「真犯人」ですよっ。
物語を詳しく説明するのは推理ドラマでは禁じ手ですが、此の作品なら大丈夫でしょう。ま、よーするに「流山まどか」は「ルナルナパーク」園長の実の娘で、亡くなった母ともども父親に捨てられ復讐を誓い立身出世して大企業から副園長の座に出向して来て、父親を殺害しちゃうわけよ。斜陽のテーマパークを復興させる為に園長と結託し彼が金星人にさらわれたとの芝居を打ち、殺人事件か?と思わせて捜索させ欺いて、其の後に本当に殺して最初に警察が疑った場所に埋めるってトリックで完全犯罪を企むものの、さくらに見破られてしまうのでした。迫真の殺害場面や宇田川を徹底的に見下す「ドS女王」振りが見どころで、真犯人なのに全く悲壮感が出ないスットコドッコイな落ちも待っています。
よく「クールビューティー」と称される片瀬那奈ですが、意外と「クールビューティー」な役柄を演じる機会は多くありません。一見「クールビューティー」乍ら、実は「変なおねえさん」でしたって役柄の方が定番です。此の「流山まどか」は、珍しく本当に「クールビューティー」な役柄なのです。ところが、作品自体の無茶苦茶さからなのか、まるで「クールビューティー」な役柄をパロディ化した様に感じられます。
思えば、連ドラへのゲスト出演は2003年の「こちら本池上署」以来の事でして、此れを観てもっとゲストでも出まくって色んな役柄を演じて欲しいと思ったものです。其の願いは「ええっ?こっちもあっちも出ちゃうの?」と驚かされる程に叶うのでした。
個人的には貫地谷ちゃんと対峙した場面での「頭ひとつ以上も違う二人の身長差」に、大いに萌えました。貫地谷ちゃんが垂直に近い角度で見上げてるのを顎を引いて見下ろす片瀬クンの図は、何なんだ?大人と子供じゃん!フレームに収まり切れませんよっ。カメラマンさん、本当に御苦労さん。まるでアノ時の「那奈理名」みたいだったよ。うん、実に好い構図だ。
「キミ犯人じゃないよね?」INDEX
(小島藺子)