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2010年05月19日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 032「まどかの友人」

グータンヌーボ SPドラマ グータンな女たち (スペシャルエディション) [DVD]


 出演作:『グータンな女たち』(関西テレビ、フジテレビ系)
 放映日:2007年10月3日(水曜日 21:00〜23:18)

 映像作品:DVD「グータンな女たち」(東宝 TDV-18069D)2008年3月8日発売


片瀬那奈が2006年5月と2008年6月にゲスト出演し、2009年10月から2010年2月までMCを担当する「グータンヌーボ」のスペシャル版として放送された「大グータンヌーボ 恋する女たち勢ぞろい&初ドラマSP!」の番組内企画ドラマ「グータンな女たち」には多くのゲストが出演しました。片瀬クンも「So close, 7」のスカル柄ワンピ姿で1カット出演しております。

完全なる顔見せだけの特別出演で、流石の片瀬クンもブランドの宣伝をうっかりやらかす位しか出来なかったのですが、堂々とDVD化されました。前述の通り、後の代打MCへの布石ともなった作品です。只、正直に申しましてあたくしは此の「グータンヌーボ」って番組自体が余り好きではありません。片瀬クンがゲストの回は観ましたけど、片瀬クンが出ている以外、一体どこが面白いのかさっぱり分らなかったので、片瀬クンが代打MCに抜擢された時も期待は全くしてなかったのです。ま、其れは杞憂に終わりまして、グータンでの片瀬クンはとても面白かったんですけどね。

でも、結局それは「片瀬那奈が面白い」だけで、番組が面白かったわけでは在りません。毎回、テキトーに女の子が三人で話してるだけじゃん。三時間長回しした中からおいしい場面を15分位に編集したお気楽な番組でしょ。2006年に初めてゲスト出演した時に片瀬クンは「やっぱり、ガールズ・トークは楽しい」とかぬかしてましたけど、マジっすか?本音なんか語ってないわけだし、もしも本当に三人で楽しんでお話をしちゃったのなら、そんなもんはTVで流すラベルじゃないじゃん。勝手にプライベイトでやって頂戴。

確かに片瀬クンはバラエティもこなせる逸材です。でもね、君は女優なのよさ。グータンの代打MCでの片瀬クンは女優でした。だから面白かったのよさ。「フェイク・オフ」とかもおんなじで「女優の片瀬那奈がバラエティに出てる」から価値が在るのです。サッカーとかガンダムとか家電とかキューピーとかも、全部一緒なの。本分としての女優で輝いているからこそ、楽しめるんですよ。グータンの司会なんかに収まってもらっちゃ困るんだよ。

片瀬那奈ファンとしての視点からすれば、此の作品は「マニアック」の極みです。ところが、本来なら超レアな物件になるはずが、まさかのDVD化でそうした偏執狂的な価値も暴落してしまいました。ま、こんな作品もあるさ、ってトコでしょう。


(小島藺子)


posted by 栗 at 01:07| ERENA | 更新情報をチェックする

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 031「三浦真由」

回転木馬 オリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤


 出演作:『未来遊園地』『未来遊園地2』(テレビ朝日系)
 放映日:2007年9月28日、2008年3月28日(金曜日 23:15〜24:10)


所謂ひとつの「第三期女優時代」に突入した片瀬那奈ちゃんは、休む事なく様々な役柄に挑戦し続けます。「三浦真由」役で出演した「未来遊園地」は、かつて「ビバ!山田バーバラ」を送り出したテレ朝の「金曜ナイトドラマ」枠で改変期に放映された単発ドラマでしたが、好評を得て半年後に続編が制作されます。続編では、ズバリ云って片瀬那奈ちゃん演じる三浦真由が主役です。

夢ヶ丘遊園地のオーナーに嫌々乍ら就任した主人公「長谷部達也(田中直樹さん)」が、会社を株暴落で解雇され退路を無くし、遊園地経営に賭ける物語です。謎の幽霊少女(夏未エレナちゃん)や、何故かひとりだけやる気マンマンの片瀬クン演じる三浦真由に関わり、見事に再建を成し遂げるのでした。壱作目は幽霊少女と達也の関係を中心に描かれた作品ですが、達也が「余りにも真由が夢ヶ丘遊園地を愛する姿」に疑問を感じ尋ねる場面があります。真由は「詳しく話せば壱時間かかるんだけど」と云い、達也に「だったら話さなくていい」と却下されるのです。其の語られなかった話が「未来遊園地2」で描かれるのでした。

長い髪を二つに結び遊園地のユニフォームを着た「三浦真由」は、其のスタイリングだけでも片瀬クンの新たなる魅力を伝えて余り在るのですが、何と云ってもプレイベートでの「眼鏡ちゃん」が好いっ!前作「地獄の沙汰もヨメ次第」でのみちるっちも眼鏡姿を頻繁に披露しておりまして、此処に来て遂に僕も、

「那奈ちゃんは、眼鏡をかけても好いじゃん!」

と、新たなるフェティシズムを体感してしまいました。嗚呼、片瀬那奈ちゃんとは何と罪深き御方なのでしょうかっ。続編での主人公は完全に「三浦真由」です。彼女の半生を描き、物語は前作ともリンクして感動的な結末へと進みます。前述の通り壱作目で何気に続編内容を示唆しておりましたので、最初から二作目まで作る気マンマンだったのかもしれません。片瀬クンは、彼女にしては「普通の役柄」も難なく演じられる様になりました。情感が込められた熱演に引き込まれ、自然と涙が溢れます。

それで、「片瀬クンは、実に好い女優さんになった。めでたし、めでたし、、、」とはならないのが、「怪優・片瀬那奈」の凄まじさです。二度の「三浦真由」を演じる僅か半年の間に片瀬クンが挑んだ数々の役柄が、其れを雄弁に語ります。そして何よりも讃えるべきなのは、後に語る「花輪倫子」や「手塚モモコ」や「鳴海京子」や「加藤絵里」などを経た後でも、しっかりと「三浦真由」に戻ってしまった事実でしょう。いよいよ、変幻自在な怪優振りが発揮されて参りましたよっ。


「未来遊園地」INDEX


(小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 00:07| ERENA | 更新情報をチェックする