出演作:『不機嫌なジーン』第4話〜第7話(フジテレビ系)
放映日:2005年2月7日〜2月28日(毎週月曜日 21:00〜21:54)平均視聴率 14.3%
映像作品:DVD「不機嫌なジーン DVD BOX」
(ポニーキャニオン PCBC-50720)2005年7月29日発売
女優復帰作「ラストクリスマス」に続いて、2クール連続で「月9」に片瀬那奈ちゃんは登板しました。とは云え今回はゲスト出演で、物語の中盤に登場し儚く消えてゆくのでした。正式にクレジットされたのは、4話、5話、7話ですが、6話にもノン・クレジットの回想シーンで登場します。
「岡元めぐみ」は、主人公ジーン(竹内結子さん)の恋人「白石健一(黄川田将也さん)」のかつての同級生です。健一が親に頼まれて注文した花を受取りに行った花屋さんで店員をしていて、偶然に再会します。其の後もバスの車中でこれまた偶然に出逢ったりして幼馴染みですので距離が縮まってゆき、多忙なジーンに逢えずに振り回されていると感じためぐみは健一に「あたしの方が白石クンに合っていると思う」と告白します。ところが、めぐみと健一がデートしている現場に居合わせたジーンを見掛けた健一は、在ろう事かめぐみを置き去りにしてジーンを追いかけるのでした。なな、なんと、岡元めぐみの出番は、分けも分らずに置き去りにされた(ジーンはめぐみを認識しているけど、めぐみは健一が追いかけたのがジーンだとは知りません)場面で終ってしまうのです。物語はいきなりだナァで数年後に飛び、果たしてめぐみが其の後どうなったかは全く描かれません。
「おいおい、噛ませ犬かよっ」
前作「ラストクリスマス」同様に、別に片瀬那奈ちゃんでなくとも構わない役柄でした。女優回帰した事を喧伝するには「月9」に連投は最上級の高待遇だったでしょう。でも、其れは顔見せにしか思えませんでした。此のドラマでの片瀬那奈ちゃんの出演場面が終った直後に、追い打ちをかける様に「歌手・片瀬那奈」の完全終了を意味するベスト盤「RELOADED」が発表されます。最早、退路無し。片瀬那奈ちゃんは、女優として生きてゆかねばならないのです。其れなのに、復帰後に演じた「藤澤律子」も「岡元めぐみ」も、余りにも期待はずれだった。もしも歌手活動専念で空白だった二年半も女優を継続していれば、片瀬那奈ちゃんは其れ也のポジションに居たと思えました。現に2005年の世界では、かつては手下役だったハセキョーや後輩のみーたんが堂々とゴールデンで主演を張って居たのです。此の侭、片瀬那奈ちゃんは消えてゆくのでありましょうかっ。ま、そんなわきゃーなかったんですけどね。次作から、いよいよ「待ってました」とばかりに片瀬クンは躍動し始めるのでした。
余談ですが、此の作品には「キッちゃん」こと吉瀬美智子さんも出ています。ジーンの眞の相手役である南原(内野聖陽さん)が自宅マンションに連れ込む女性役なのですが、空き巣被害に逢っていて帰ってしまうチョイ役です。南原教授に「こんな状況だから、今夜は帰ってくれ」と云われ去り際に「せんせい、あたし今度、女優になるんですぅ〜」って云うのですけど、2010年の視点から観ると預言の様で興味深いですね。
(小島藺子)