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2010年05月08日

「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」公開!!

いつの間にやらまるっと10周年! トリック大感謝祭オフィシャルBOOK (TJ MOOK)


片瀬那奈 as 杉尾園子サマ


てか、那奈ちゃんも舞台挨拶に出てるじゃん!

仲間由紀恵、「TRICK」10周年に感無量も、声援を“かんだ”ファンにツッコミ! (ハリウッドチャンネル 5/8)

さて、先行試写会にハズレて、初日の舞台挨拶も事前には片瀬クンと戸田さん以外の那奈名しか明かされないトリックにまんまと引っ掛かり逃してしまいましたが、ちゃんと映画館に足を運んでまるっとすっかり観ましたよ。

内容に関しては、上映中でネタバレになってしまいますので、いずれ「怪優・片瀬那奈・進化論」で詳しく語ります。たぶん「act 54」あたりに登場する事になるでしょう。

片瀬クンが演じた「杉尾園子」は、以前から予告などを拝見して言及した通りの「出落ち女王」です。扮装から佇まいや所作や台詞回し等の全てが「へんちくりん」で、出て来ただけで笑ってしまいました。但し、片瀬クンの場合は此の手の役柄は十八番で、どんなにやり過ぎに見えても本人が嬉々として演じているのが伝わってきます。逆に最近ではシリアスな役どころの方が意外性がある程です。

「わ〜けわけ」の絶妙な言い回しや、こまわりくんの「死刑!」を彷彿とさせる奇怪なポージングなど、やりたい放題でしたけど、何と云いましても只立って居るだけの姿が変でした。丸っきり妖怪みたいな役柄です。ホント、片瀬クンは何でもやるナァ。本編では「20世紀少年」三部作から四本連続して堤作品への登板となり、あたくしも気付けば此の三年間は映画館で堤カントクの映画ばっか観て来たわけですが、敷島ミカでスカされ捲った鬱憤は晴れました。片瀬クンが大好きな「例の場面」を三回も繰り返し魅せて下さったのですから、満足しましょう。紫頭巾を止めているブローチが「ともだちマークのパチモン」みたいだったのも好かったですよ。

普通だったら此処までやってくれたら満点なのですけど、何せ片瀬クンは現在「高瀬リコ様」でもっともっとおかしな事になってますので、「片瀬クンなら此のラベルは当然でしょ」と思えてしまいます。本人がどんどん自分でハードルを上げまくっているわけですから、ファンといたしましては見守ってゆく他に手だてはありません。


(小島藺子/姫川未亜)


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2010年05月09日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
中入りの肆:「2002」

GALAXY/TELEPATHY (CCCD)


2002年は、今後もつづく長い「片瀬那奈歴」に於いて最初のエポック・メーキングとなった時でした。簡潔に云えば、片瀬那奈は其れまでの四年間で築き上げたグラビア・アイドルやアイドル女優のキャリアを捨てたのです。

「プリティガール」を最後に、唐突に片瀬は女優活動を休止しました。そして、其れは後になって解った事実です。「プリティガール」終了後の2002年の春に、これまた突然の「グラビア卒業宣言」が発せられます。そして、此の年限りで「きれいなおねえさん」も降板します。そんな不穏な動きの中で、女性向けファッション誌を飾る那奈ちゃんの姿を多く見掛ける様にもなりました。明らかに、那奈ちゃんが変わってゆく予感が在ったのです。

ハッキリ云っちゃうと、どんなにシークレットで進行していても、片瀬那奈が歌手デビュウするってのはファンには衆知の事実でした。問題は「歌手に専念する」なんてトンデモな事を企んでいるなんて、小指の先ほども想定していなかった事なのだよ。僕は「那奈ちゃんが歌もやるのか。そりゃ好いね!プロモとか楽しみだナァ」なんぞとお気楽に考えていました。イベントも沢山やりそうだって情報も得て、本人に逢えるかも?なんてウキウキ気分でいたのです。よもや、女優活動を休止してまで音楽活動に専念していたとは、、、。

2002年12月4日、片瀬那奈は歌手デビュウします。そして、其れは「女優・片瀬那奈の封印」をも意味していました。トリプルA面と云う破天荒なデビュウ盤を前にして、僕は底知れぬ怒りが込み上げて来るのを押さえ切れませんでした。確かに、那奈ちゃんが歌ってくれたのは嬉しかった。でも、だからって女優をヤメちゃうなんて有り得ないじゃん!「歌手活動をするので、グラビアや女優は休止して専念します」って、アノですね、そんな事をヌカして実行した芸能人なんて居ないっす。何を考えてんのよさ、片瀬クン!と叫びたいっ。ボキの大切な「グラビア・アイドル女優・那奈ちゃん」を返して下さいっ。

そんな那奈ヲタの勝手な期待を完全無欠に叩き潰して、片瀬那奈は音楽活動に専念してしまいました。こんな風にファンを置いてけぼりにする存在を、僕は初めてリアルタイムで体験したのです。「おいおい、此れってビートルズがライヴをヤメちゃったとかゆー感じなんじゃまいか?」とドキドキしてしまったのです。でも、其れは冗談半分なお遊び気分でも在りました。

「歌手専念とか分け分んない事を云ってないで、女優も併行して、普通にアイドルでいて頂戴!」ってのが本音でした。ズバリと云いますけど、当時の僕は那奈ちゃんに「音楽活動専念」なんて誇大妄想的な期待なんかしていなかったのです。アイドルの余技として歌も歌うって感じの、よく有りがちなお気楽な企画だと思っていました。だって、歌手デビュウ当時の片瀬那奈は21才ですよ。そんな崖っぷちに立つ様な「歌手専念宣言」なんてする必要がないじゃありませんか。多くのファンだって、おんなじ気持ちだったと思います。勝手に活動の場を完全に変えてしまったのですから、其れまでに培ったファンに対する明らかな裏切り行為です。なのに、片瀬那奈は我を通してやってしまいました。よくもまぁ、事務所が許したもんです。那奈ちゃんは、恵まれてるよ。そして、其れも才能です。


(小島藺子/姫川未亜)


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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 013「神崎今日子」

Shine/REVENGE〜未来(あす)への誓い〜(初回)(CCCD)(DVD付)


 出演作:『こちら本池上署 2ndシーズン』第2話「被害者の傷跡」(TBS系)
 放映日:2003年4月21日(月曜日 20:00〜20:54) 視聴率「17.1%」


片瀬那奈ちゃんが音楽活動に専念した時代に、例外として唯一出演したのが「こちら本池上署 2ndシーズン」第2話です。ドラマ主題歌「Shine」を「歌手・片瀬那奈」が担当していたがゆえのスペシャルな企画でした。普通なら俳優も歌手もこなせるタレントさんなら「当たり前田の誰が一番強いか決めたらええんやっ!」とばかりに「ドラマ出演&主題歌担当はお約束」なのですが、片瀬那奈ちゃんは頑固なので、相乗効果を呼ぶそんな美味しい企画に乗ったのは此れだけです。

歌手デビュー曲で在る「GALAXY」は、テレビ朝日系連続ドラマ「逮捕しちゃうぞ」のオープニングテーマ曲でした。主演は同僚の「みーたん&さっちん」ですから、当然の流れで那奈ちゃんのゲスト出演も期待されたのですが、何故かゲストはボブ・サップ!何ゆえ那奈ちゃん関連ドラマは、プロレスラーを起用しまくるのでありましょうかっ?そんなこんなで、歌手デビューから約半年後に、ようやく実現したのが「神崎今日子」です。其れは、たった壱度きりの「女優兼歌手・片瀬那奈」を観れる貴重な作品となりました。「神崎今日子」は、水野真紀さん演じる「麻衣」の娘「とも」が通う保育園の先生です。間近に結婚を控え、幸せいっぱいな今日子先生は、在る日突然にひったくり被害に逢い大切な婚約指輪を奪われてしまいます。心に大きな傷を負い婚約者にも理解されず悩む今日子先生を救う為に、本池上署の面々が活躍し事件を解決し、今日子先生も婚約者と和解してめでたしめでたしってな感じのお話です。

ドラマ自体はコメディタッチなのですが、被害者役を演じる片瀬那奈ちゃんは徹頭徹尾シリアスです。前作「プリティガール」で魅せた明るい姿は消え去り、壱年後に垣間見せたのは大人っぽい路線でした。別に「片瀬那奈でなければならない必然性」は、役柄からは感じられません。初代と三代目の「きれいなおねえさん共演作」としても記憶される作品ですが、以前とは明らかに違う那奈ちゃんの演技に戸惑いを感じました。「アイドル女優・片瀬那奈」は、荒木理恵子と共に去っていました。此処に居るのは「歌手・片瀬那奈」が主題歌を歌うがゆえにゲスト出演した姿です。そして、僕は此の直後に生まれて初めて片瀬那奈ちゃんと逢います。「アイドル女優・片瀬那奈」を愛して止まなかった僕の目前に現れたのは「歌手・片瀬那奈」でした。其の瞬間に、僕の心は「片瀬那奈を音楽家として認識」します。もう二度と「アイドル女優・片瀬那奈」には逢えないのだと、ハッキリと分りました。那奈ちゃんは、変わってしまったのです。


(姫川未亜/小島藺子)



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2010年05月10日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
中入りの伍:「2003」

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付)


片瀬那奈が歌手活動に専念したのは公的な活動では、初実演の2002年11月から最後のフルサイズ実演を行った2004年7月までで、僅か壱年半強の短い期間でした。歌手時代をもう少し広く考えても、其れは「TELEPATHY」セッションが開始された2002年春からベスト盤が発売された2005年春までとなります。2002年初頭には未だ女優やグラビア活動も行っており2004年秋からは女優回帰しますので、片瀬那奈が丸一年間歌手に専念出来たのは2003年だけです。其の「第一期歌手時代」に関しては既に「片瀬那奈がきこえる」で詳しく全曲解説を行いましたので、そちらを参照して下さい。(尚、「片瀬那奈がきこえる」は「第一期歌手時代」の終幕で中断しておりますが、未だつづきがあります。)

2003年の世界で、片瀬那奈はコアなファンを除く一般人には「あの人は今?」と揶揄されておりました。ファンにとっては歌手になって其れまでとは比較にならない程に片瀬那奈本人と生で逢える機会が増えていたのですが、活動の場を何もかも変えてしまった片瀬那奈を世間が観る機会は逆に激減したのです。当時のTVレギュラーはBSの「真夜中の王国'03」のみ、CMも御馴染みだった「三代目きれいなおねえさん」は降板し、掲載誌もグラビアを卒業して「Ray」誌上で「Pieces of Rainbow」を連載していました。余りにも潔い方向転換です。毎月どころか毎週、いや毎日の様に那奈ちゃんに逢えていた2003年に、ガールフレンドから「未亜ちゃんが大好きなカタセさんって、最近ドラマに出ないけど、引退したの?」と真顔で云われたりもしました。

前述の通り片瀬那奈が2003年に演じたのは、あくまでも歌手活動のプロモーションとしてゲスト出演した「こちら本池上署 2ndシーズン」第2話のみです。其のひとときの夢を観た時に、2002年3月6日「プリティガール」最終回で女優・片瀬那奈は終ったのだと確認するしかありませんでした。こうなったら、思う存分に歌手活動を邁進してもらおうじゃまいかっ、と取り憑かれた様に現場に通う日々が続きます。そして、其の日々は輝いていました。

歌手として那奈ちゃんが僕たちの前に立ち続けた日々の記憶は、永遠に消えません。公式BBSに毎日の様に書き込みをして、出来得る限り現場に駆けつけ、多くの同志と知り合い夜通しで那奈ちゃん談義を交わし、うっかり「片瀬那奈全記録」を始める事になる「那奈ヲタ狂想時代」でした。片瀬那奈が歌手活動をしなかったなら、此処は絶対に存在していません。僕たちは、ステージで歌い踊る那奈ちゃんを全身全霊を賭けて愛しました。那奈ちゃんが「来てね!」と呼び掛ければ、僕たちは何処へでも駆けつけた。那奈ヲタにとって、最も甘く夢の様な時代でした。僕らの世界は、歌手・片瀬那奈を中心に回って居たのです。

嗚呼、其れなのに、翌2004年に再び片瀬那奈は僕たちに、「ジャイアント・スイングを炸裂」するのでした。


(小島藺子/姫川未亜)


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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 014「藤澤律子」

ラストクリスマス DVD-BOX


 出演作:『ラストクリスマス』全11話(フジテレビ系)
 放映日:2004年10月11日〜12月20日
     (毎週月曜日 21:00〜21:54、初回15分、最終回30分拡大)
     平均視聴率 21.6 %

 映像作品:ヴィデオ「ラストクリスマス」1〜6
      (ポニーキャニオン V-045942〜045947)2005年4月20日発売
      DVD「ラストクリスマス DVD BOX」
      (ポニーキャニオン PCBC50699 )2005年4月20日発売


約二年間歌手活動に専念した片瀬那奈ちゃんは、2004年秋に女優回帰しました。「プリティガール」から二年半、歌手時代に例外的にゲスト出演した「こちら本池上署 2ndシーズン」第2話からでも壱年半、かくも長き沈黙を経て「女優・片瀬那奈」は復活したのです。其の舞台は「月9」のレギュラー出演!と此れ以上無い待遇で、正に華々しい凱旋に思えました。然して其処で片瀬那奈ちゃんが演じた「藤澤律子」は、「プリティガール」まで培った「第一期女優時代」の面影など欠片も無い「クールビューティー」な役柄でした。「女優回帰=歌手活動停止」が既成事実となる中で、再び「片瀬那奈のイメージ戦略」は完全なる方向転換を余儀なくされていました。「藤澤律子」を演じる傍らで、那奈ちゃんは「AUBE」のイメージ・キャラクターとして大量にメディア露出します。其れ等に共通するのは「大人っぽいお嬢様路線」でした。「三代目きれいなおねえさん」は、其の呼称に反して「おもしろいおねえさん」な片瀬クンの魅力を観る者に強く印象づけましたが、女優回帰した「新生・女優・片瀬那奈」は本当の「きれいなおねえさん」に成り下がってしまったのです。

藤澤律子は、主人公である春木(織田裕二さん)が勤務する会社に関わる新進気鋭の若手イラストレーターで、美大時代の同級生であるデザイン部門の日垣(玉木宏さん)と共に仕事をしています。日垣は学生時代から4年越しで律子に想いを寄せていますが、律子は死んでしまった恩師で婚約者を忘れられずに拒否して来ました。其れでも日垣の一途な求愛に心を動かし、目出度くカップルになるのですが、亡くなった婚約者が託したニューヨーク行きに再び心が揺れて、、、てな恋愛ドラマを主人公たちと共に彩ってゆきます。天下の「月9」ブランドにも翳りが見えていたので、夢よもういちどとばかりに「東京ラブストーリー」の主役やスタッフを総動員して描いたベタベタなラブストーリーは、思惑通りに高視聴率を記録しました。

2004年夏に片瀬那奈ちゃんが女優回帰すると知り、当然乍ら「荒木理恵子」のつづきをあたくしは求めていました。歌手時代のステージでも明るく愉快な那奈ちゃんは不滅でしたから、また楽しい演技を魅せてくれると信じて疑わなかった。なのに、其処に居たのは「別に那奈ちゃんじゃなくたって誰でも出来そうじゃん」としか思えない「藤澤律子」でした。しかも、一本気な性格の片瀬クンは歌手活動に専念した時と同じ様に「今後は女優に専念する」と平然と云い放ったのです。

「こんなつまんない役の為に、片瀬那奈は歌手をヤメるのかっ」

底知れぬ怒りが込み上げて来ました。「片瀬那奈は一体どこまでファンの気持ちを踏みにじれば気が済むのだっ」と、「もう那奈ちゃんに振り回されるのは沢山だよっ」と、「てゆーか、こんなんじゃ片瀬那奈はおしまいじゃん!」と、長い那奈ヲタ歴で最大の危機的状況を迎えたのです。「あたくしが愛した片瀬那奈は、こんなもんじゃねーんだよっ」と荒ぶる想いに突き動かされ、PCに向かい「the diary of nana katase」を鬼の様に打ち込みました。2004年の終わりに、此処は突然、既に100記事を超えるブログとして公開されます。あたくしは「藤澤律子やAUBEが、那奈ちゃんのすべてではないのだ」と云いたかった。つまり、此処を創ったのは余りにも不甲斐ないと映った「藤澤律子」なのです。決して、那奈ちゃんの演技が稚拙だったわけでは在りません。逆に普通に上手く収まってしまったからこそ、あたくしは許せなかったのでしょう。此の路線でゆくと云うのなら、もう捨てられても構わないと思いました。「単なる美人女優」を求めて、那奈ちゃんを好きになったんじゃないんだ。折角満を持して女優回帰してくれたのに、此れじゃ悪夢じゃまいか。


(小島藺子/姫川未亜)



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「週刊ポスト」2010年5月21日号

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発行/小学館

表紙!カラー1頁、目次にもモノクロ1カットあり。

 撮影/渡辺達生
 ヘアメーク/青山理恵(ヌーデ)
 スタイリスト/大沼こずえ(kind)


弐号連続で「週刊ポスト」に片瀬クンが登場!今度は表紙ですよ。

「ズバリ云って三冊買い決定!!」



(小島藺子)



「Weekly POST.com」

posted by 栗 at 09:28| MAGAZINE | 更新情報をチェックする

2010年05月11日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
中入りの陸:「2004」

EXTENDED (CCCD)


2004年は、片瀬那奈歴に於いて最も激動の時です。此の年の始めには、間違いなく片瀬那奈は歌手でした。冠イベントの「777」を開始してステージとDJを披露し、同時進行でカヴァー企画の「Extended」セッションを連続リリースしていました。ところが、7月の実演を最後に公的な音楽活動は途絶えます。

翌8月に「10月期『月9』ドラマで片瀬那奈が女優回帰!」との衝撃情報が明かされます。カヴァー路線は明らかに失敗だと感じていましたし、そもそもアイドル女優としての那奈ちゃんを好きになったのですから「女優回帰」は歓迎すべき事です。でも、僕たちは二年間も歌手としての那奈ちゃんを追い続け、其の新たな魅力の虜にもなっていました。

「歌手時代を経た片瀬那奈が再び演じる」のに過大な期待を寄せずにいられないのは、ファンとしては当然でしょう。復帰作は「月9」のレギュラーです。先を急げば翌2005年の1月期「月9」にもゲスト出演乍ら片瀬は連投します。申し分の無い復帰の舞台が整っていました。

なのに、僕は落胆した。復帰作の「ラストクリスマス」を観て、我が目を疑いました。二年半の不在はドラマ界に於いて、すっかり片瀬那奈を忘れ去るには充分すぎました。女優をつづけていれば片瀬が座っていたはずのポジションには、もう既に代わりがいました。第一期女優時代の積み重ねは無かった事になり、片瀬那奈は壱から出直すしかなかったのです。

其れでも、片瀬の歩んだ道は決して無駄ではありませんでした。おそらく、歌手活動に専念した「女優としては一見まわり道」と思えた期間が無ければ、其の後の「怪優・片瀬那奈」はいません。でも、其れは時が経って振り返り解った事です。2004年の終わりに、僕は只只、悔しかった。クリスマスに奇跡の復活を遂げた「歌手・片瀬那奈」最後の勇姿を観て、心の底から「那奈ちゃん、女優なんかいいから歌手をつづけてくれよ!」と叫びました。藤澤律子よりも「Shine」を歌った那奈ちゃんの方が、圧倒的に輝いていた。「次のライヴはいつですか?」と訊いたら、那奈ちゃんは申し訳なさそうに「それは、こちらに訊いて」と青うにょ師匠を観た。「なるほどね、もう歌手活動は無いんだナ、、、」と思うしかなかった。夢は終りました。

僕たちは、またしても片瀬那奈に置き去りにされたのです。


(小島藺子/姫川未亜)


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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 015「岡元めぐみ」

不機嫌なジーン DVD-BOX


 出演作:『不機嫌なジーン』第4話〜第7話(フジテレビ系)
 放映日:2005年2月7日〜2月28日(毎週月曜日 21:00〜21:54)平均視聴率 14.3%

 映像作品:DVD「不機嫌なジーン DVD BOX」
      (ポニーキャニオン PCBC-50720)2005年7月29日発売


女優復帰作「ラストクリスマス」に続いて、2クール連続で「月9」に片瀬那奈ちゃんは登板しました。とは云え今回はゲスト出演で、物語の中盤に登場し儚く消えてゆくのでした。正式にクレジットされたのは、4話、5話、7話ですが、6話にもノン・クレジットの回想シーンで登場します。

「岡元めぐみ」は、主人公ジーン(竹内結子さん)の恋人「白石健一(黄川田将也さん)」のかつての同級生です。健一が親に頼まれて注文した花を受取りに行った花屋さんで店員をしていて、偶然に再会します。其の後もバスの車中でこれまた偶然に出逢ったりして幼馴染みですので距離が縮まってゆき、多忙なジーンに逢えずに振り回されていると感じためぐみは健一に「あたしの方が白石クンに合っていると思う」と告白します。ところが、めぐみと健一がデートしている現場に居合わせたジーンを見掛けた健一は、在ろう事かめぐみを置き去りにしてジーンを追いかけるのでした。なな、なんと、岡元めぐみの出番は、分けも分らずに置き去りにされた(ジーンはめぐみを認識しているけど、めぐみは健一が追いかけたのがジーンだとは知りません)場面で終ってしまうのです。物語はいきなりだナァで数年後に飛び、果たしてめぐみが其の後どうなったかは全く描かれません。

「おいおい、噛ませ犬かよっ」

前作「ラストクリスマス」同様に、別に片瀬那奈ちゃんでなくとも構わない役柄でした。女優回帰した事を喧伝するには「月9」に連投は最上級の高待遇だったでしょう。でも、其れは顔見せにしか思えませんでした。此のドラマでの片瀬那奈ちゃんの出演場面が終った直後に、追い打ちをかける様に「歌手・片瀬那奈」の完全終了を意味するベスト盤「RELOADED」が発表されます。最早、退路無し。片瀬那奈ちゃんは、女優として生きてゆかねばならないのです。其れなのに、復帰後に演じた「藤澤律子」も「岡元めぐみ」も、余りにも期待はずれだった。もしも歌手活動専念で空白だった二年半も女優を継続していれば、片瀬那奈ちゃんは其れ也のポジションに居たと思えました。現に2005年の世界では、かつては手下役だったハセキョーや後輩のみーたんが堂々とゴールデンで主演を張って居たのです。此の侭、片瀬那奈ちゃんは消えてゆくのでありましょうかっ。ま、そんなわきゃーなかったんですけどね。次作から、いよいよ「待ってました」とばかりに片瀬クンは躍動し始めるのでした。

余談ですが、此の作品には「キッちゃん」こと吉瀬美智子さんも出ています。ジーンの眞の相手役である南原(内野聖陽さん)が自宅マンションに連れ込む女性役なのですが、空き巣被害に逢っていて帰ってしまうチョイ役です。南原教授に「こんな状況だから、今夜は帰ってくれ」と云われ去り際に「せんせい、あたし今度、女優になるんですぅ〜」って云うのですけど、2010年の視点から観ると預言の様で興味深いですね。


(小島藺子)



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2010年05月12日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 016「緒方亜紀」

離婚弁護士II〜ハンサムウーマン〜 DVDBOX


 出演作:『離婚弁護士II〜ハンサムウーマン〜』全11話(フジテレビ系)
 放映日:2005年4月19日〜6月28日(毎週火曜日 21:00〜21:54、初回10分拡大版)
     平均視聴率 13.2%

 映像作品:DVD「離婚弁護士II〜ハンサムウーマン〜 DVD BOX」
      (ポニーキャニオン PCBC-60767)2005年9月28日発売


女優回帰した片瀬那奈ちゃんの三作目は、あまみん(天海祐希さん)主演の人気ドラマ「離婚弁護士」続編への登板となりました。壱作目でのミムラさん、スペシャル版での井上和香さんを引き継ぐ「間宮貴子法律事務所」の三代目受付嬢「緒方亜紀」としてレギュラー出演です。3クール続けて連続ドラマに起用され、AUBEのCMもヘビーローテーション、其れに連動した女性ファッション誌上への大量露出!と、一見すれば「片瀬那奈の再度の路線変更」は成功が約束されている様に見えました。然し乍ら、女優復帰後の二作では前述の通り「当たり障りの無い役柄」を演じた上に、今回は「前任者二人と比較されるポジション」への起用ですので、此処で何らかの結果を出さなければ厳しい状況だとも思えました。「復帰三作目でも凡庸な役柄ならばどうしよう?」と「此処が正念場だっ」と、大いに不安でした。

でも、其の杞憂は初回の登場場面を観ただけで消えます。あまみん演じる間宮先生がクライアントのお嬢様ゆえに渋々雇った「緒方亜紀」は、合コン命で占いと健康飲料に凝る「リーサルウェポン」でした。初っ端から諸先輩にタメ口を叩き大欠伸をかます豪快サンです。そうです、其の通りです。遂に、アノ第一期女優時代に魅せていた「楽しく愉快な那奈ちゃん」が帰って来たのです。単純にかつての路線に戻ったのでは無く、歌手時代や女優復帰後の大人しい路線も踏まえた上での爆裂ですので、其の衝撃度は倍増しました。「そう、此れだよ、此れを待っていたんだよ」と、大いに昂揚しました。

初回のゲストで内山理名ちゃんが出演しています。那奈ちゃんとは大親友の仲ですが、ドラマでは初共演でした。絡みはほとんどないものの、同じ画面に二人が映る姿には感慨深いものがあります。更に、主題歌はマブダチ星村麻衣ちゃんが担当しました。戸田恵子さん演じる「つや子さん」との掛け合いも楽しく、すべてが「女優・片瀬那奈」の眞の復活に花を添える美しいサポートと感じられました。そして、片瀬那奈ちゃんは怒涛の快進撃を開始します。単に第一期女優時代の路線へ回帰しただけではなかった。荒木理恵子から緒方亜紀までの三年間は無駄ではなかったのです。片瀬那奈ちゃんはファンを裏切る様な事は何らして来なかったのだと、ようやく僕は理解しました。そして其の瞬間に「遅いよ、遅過ぎるよっ」と云い放つ迫田七海ちゃんの声が、確かに聞こえたのです。夢は、終ってなどいませんでした。


(姫川未亜)



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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 017「菜穂美」

白田久子 Pink Diamond [DVD]


 出演作:『香港バタフライ』全4話(角川映画)
 公開日:2005年9月23日〜11月30日(ネット配信のみの Web Cinema)


「離婚弁護士2〜ハンサムウーマン〜」での緒方亜紀で遂に牙を剥いた片瀬那奈は、此の作品までの2005年夏に多くのTVバラエティ番組に出演しました。特に中学校時代の恩師やお母様も出演された「ウチくる !?」(2005年8月7日放映)は貴重です。南アフリカでの紀行番組「なな色のアフリカ」(2005年9月19日放映)や、女優歴に遺しても然るべき「残り夏」(30minutes鬼、2005年9月24日放映)での「不思議ちゃん演技」も忘れ難いでしょう。タイでロケーションした「AUBE」の夏ヴァージョンも軽やかな印象に変わり、多くの女性誌で表紙を飾ってもいました。そんな正に世界を駆け巡る片瀬那奈ちゃんが、満を持しての事実上の初主演作品に挑みます。7月に行われた過酷な香港ロケで創られた「香港バタフライ」は、新時代に対応したインターネット配信映画として公開されました。

片瀬那奈が演じる主人公「菜穂美」は、ツキに見放された女の子です。買ったばかりのパソコンは立ち上げた途端にウイルス感染し、勤めていた美容室(店長を演じるのはマギーさん)は閉店で解雇され、かつての同級生だった真紀子の誘いで香港へ向かいます。那奈ちゃん自身が「自分とは正反対な性格」と語った消極的な役柄ですが、藤澤律子や岡元めぐみに感じた不満は全く消えました。地味な役どころでも見事な存在感を感じさせる演技を片瀬那奈は成し遂げています。菜穂美と真紀子の掛け合いが絶妙で、恋愛映画と云うよりも二人の友情物語となっています。

只、此の作品は助演で在る「しらたひさこ(現・白田久子)サン」が演じた「みったらの真紀子」のキャラクターの方が、より魅力的にも映るのです。其れは、同じく女性二人の友情をテーマとした次作「いい男はマーケティングで見つかる」でも主演する那奈ちゃんを観て、更に深く印象づけられます。「もしかしたら、片瀬那奈は主役では眞の輝きを放てないのではないのか?」との疑念が膨らみました。


(姫川未亜)



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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 018「松下梨絵」

いい男はマーケティングで見つかる


 出演作:『いい男はマーケティングで見つかる』全2話(日本テレビ系)
 放映日:2005年11月27日、12月4日(日曜日 1:20〜2:20、1:00〜2:00)


前作に引き続き、二週連続のスペシャル・ドラマ「いい男はマーケティングで見つかる」でも片瀬那奈は主演します。

「松下梨絵」は27才のキャリア・ウーマンで才色兼備ですが男運がありません。シェアリングしている友人(矢沢心さん)が結婚する事となり、彼女のマーケティングを元に理想の相手を探すのでした。那奈ちゃん&心ちゃんの二人芝居が中心で、酔っぱらって過激な台詞を吐き合ったり、平手打ちを交わし合うガチンコの喧嘩をしたりと大胆な演技が目を引きます。お見合い場面でのドレス姿や着物姿など、ファッションでも大いに楽しませてくれます。何しろ主演ですから全篇に渡って出ずっぱりなだけでもファンにとっては嬉しいドラマです。

只、前作「香港バタフライ」同様に相方で助演の矢沢心さんの方が明らかに目立っているのです。当時の感想でも「主演は心ちゃんじゃまいか」と書いた通り、完全に那奈ちゃんが食われてしまいました。心ちゃんはオープニングでの狂言回しを演じ、劇中でも梨絵の見初めた相手に惚れられてしまう美味しい役どころではあるのですが、二作続けての主演作で「相方に連敗した」と見えた片瀬那奈の姿に、ファンとして穏やかではいれません。番組公式ブログでの弾けまくる愉快で楽しいオフステージの那奈ちゃんを観て「何故、此の魅力が本編では活かされないのか?」と、もどかしく感じました。

確実にステップアップしている「女優・片瀬那奈」は、其れでも未だ未だ眞の才能を開花してはいなかったのです。


(姫川未亜)


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2010年05月13日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 019「豊原みどり」

芸能生活40周年記念


 出演作:『熟年離婚』全9話(テレビ朝日系)
 放映日:2005年10月13日〜12月8日(毎週木曜日 21:00〜21:54、初回15分拡大版)
     平均視聴率 19.2%


ネット配信映画とスペシャル・ドラマでの二つの主演作を経て、2005年10月期の連続ドラマにも片瀬クンはレギュラー出演します。此の「熟年離婚」は主演が渡哲也さんで、其の他の配役をみても完全なる「石原軍団ドラマ」でした。高視聴率を絶対待望されるドラマです。片瀬クンが演じた「豊原みどり」は渡さん演じる「豊原幸太郎」の次女ですから、天下の渡哲也とガチで共演しなければならない役どころでした。いやぁ〜、ワクワクしますねっ。

末娘のみどりは父親のコネで入社した会社で働くOLですが、恋人のバンドマンにゾッコンで、彼のバンド活動を金銭面も含めて全面支援しています。定年退職した夜に突然に妻・洋子(松坂慶子さん)から離婚を切り出された父親の幸太郎は、家を出る洋子の代わりに家事にトライし、うっかりみどりの部屋を掃除して恋人の存在を知り、更に帰宅したみどりのバッグからコンドームを発見し激怒します。みどりは当然乍ら「娘にだってプライバシーはあるのよっ、お父さん、最低!」と強く反発します。挙げ句に、みどりは妊娠していたのです。すぐさま幸太郎が家族を前にして、いきなり「みどりが妊娠したっ」と云い放つのは如何なものか?なんて思ったら此のドラマには付き合えません。幸太郎は、みどりの恋人・敦也(石原軍団の舎弟、渡邉邦門クン)を全く信用出来ないものの娘の為に何とかしようとするのですが、見事に空転しまくるのでした。

長女の律子(高島礼子さん)や長男の俊介(21世紀の裕次郎:徳重聡クン)もそれぞれ大きな問題を抱えていて、幸太郎お父さんは自分の離婚問題や子供達の難題などで悩みまくり孤軍奮闘します。様々なトラブルが「これでもかぁ〜、これでもかっ」と起こり捲る中で、みどりは煮え切らない敦也に見切りを付け、彼とは別れて生まれてくる子供は自分一人で育てる決心をするのでした。「お父さん、好きな人と別れるって、辛いことだね、、、」と泣き崩れる愛娘みどりを見た幸太郎はプライドをかなぐり捨て、敦也に頭を下げて「此の通りだっ、みどりと生まれてくる子供の事も考えてはくれないか」と嘆願するのですが、其の場に駆けつけたみどりは「お父さん、もういいよ」と敦也に別れを告げ、帰り道で倒れてしまうのでした、、、。

てな感じで終盤まで救い様の無い展開がつづくのですが、入院したみどりを見舞いに来た敦也は唐突に「俺はみどりを愛してるっ(キリッ!)」と変貌し、メジャー・デビューの話を反故にしてまで愛するみどりを選び、挙げ句の果てに「君の才能は捨て難いから結婚して子供が出来てもいいよ、契約しましょ」と手のひらを返されてプロへの道も開かれ「みどりさんも子供も俺に任せて下さいっ、団長!」と宣言し、団長もニンマリって大団円になってしまうのです。他の問題も全部すっかり解決しちゃって、めでたしめでたしってトンデモな最終回を迎えます。みどりちゃんは妊婦になっちゃってまして、おなかが大きな片瀬クンなんて初めて観ましたので「ファンには衝撃映像でしたよっ」てか、なんちゅー話なのよさ?ってツッコミどころが満載なので、DVD化されていないのが残念です。未亜たん入魂の「片瀬クンだけヴァージョン編集版DVD」で観直しただけでも、怪作だと断言出来ます。何もかもが「こんなの、あるわけないじゃん!」なのよさ。

関東では何度も20%超えを記録し平均でも19.2%と高視聴率でしたが、関西での人気が更に物凄く平均20%超えどころか最終回は30%を叩き出しました。制作者側はシリアスな作品のつもりだったのでしょうけど、個人的には爆笑しながら観ていたドラマです。片瀬クンの演技に関しては平均点以上をクリアしているものの、代表作と呼べる程ではなかったと思います。とは云え、研音主導作品ではない場に単身乗り込んで、並みいる豪華キャストの中でも存在感を遺したのですから、大いに評価出来るでしょう。確実に片瀬クンは、益々デカくなっていました。

てか、敦也の歌が物凄いっすね。「いい曲だねぇ〜、このまま、デビュー・シングルでイケルよ」とかオーデションで云われてる場面で、呑んでた酒を吹きましたよ。悪い事は云わないから、みどりちゃん、別れた方が好いよ。

敦也クンには、音楽的才能は欠片もないです。(キッパリ)


(小島藺子)


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「怪優・片瀬那奈・進化論」
中入りの那奈:「2005」

RELOADED〜Perfect Visual〜 [DVD]


2005年に、片瀬那奈は「テレビの国」に帰って来ました。前年の秋に女優回帰してからの片瀬は、3クール続けて連ドラに出演し、AUBEのCMにも出演し連動して女性ファション誌でも席巻します。夏からはバラエティ番組やアフリカ紀行特番へも出演し、二作で主演し、年末には「熟年離婚」にレギュラー出演です。一年間を通して、一般人もTVや雑誌で那奈ちゃんを観ない日は無いと云える日々が戻って来たのです。海外ロケも多い多忙な日々の中でも、トークショー等でファンと直接交流する機会も用意してくれました。立派ですよっ、御本尊様。

此の年には既に此処をリアルタイムで更新していたので、那奈ちゃんの八面六臂な活躍に度肝を抜かれました。正直に云えば、此処を立ち上げた2004年の終わりに、僕は「もう那奈ちゃんの先は長くない」と思っていました。だからこそ、其れまでの記録を遺さなければいけないと考えたのです。其の後の展開は、大いなる嬉しい誤算の連続となります。

来るべき2006年に、遂に片瀬那奈は其の眞の才能を開花させます。目くるめく怒涛の快進撃が始まろうとしていました。ゆえに2005年は正に「革命前夜」と呼ぶべき時です。様々な役柄を演じ乍ら、着実に片瀬那奈は逞しくなっていました。バラエティ番組でも其の特異な才能は発揮されつつあり、女優履歴に記しても然るべき「残り夏」(30minutes鬼、2005年9月24日放映)での摩訶不思議な演技は「ホラね、片瀬クンは単なる美人女優じゃないのよさ、えっへん!」と大いに古参ファンの溜飲を下げてくれました。

16才で衝撃のモデル・デビュウをし、17才から20才までの第一期女優時代を経て、21才で歌手に転身し、22才での女優回帰、其の歴史の全てが今、正に沸点に達しようとしていました。翌2006年、予想だにしなかった怪優が誕生します。其れが突然の出来事では無かった事は、此処までの歴史を紐解けばお分かりでしょう。さあ、皆様お待たせ致しました。

次回より、いよいよ「怪優・片瀬那奈」の降臨です。


(小島藺子/姫川未亜)


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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 020「小早川妙子」

小早川伸木の恋 DVD-BOX


 出演作:『小早川伸木の恋』全9話(フジテレビ系)
 放映日:2006年1月12日〜3月23日(毎週木曜日 22:00〜22:54、初回15分拡大版)
     平均視聴率 11.5%

 映像作品:「小早川伸木の恋 DVD BOX」(ポニーキャニオン PCBC-60980)
       2006年6月21日発売


運命の2006年が始まりました。24才になった片瀬那奈が年頭に挑んだ「小早川妙子」は、研音の大先輩である主演の唐沢寿明さん演じる医者・伸木の妻でヒロインです。お台場ちゃんは、名作「白い巨塔」での財前役と同じ医者役乍ら其の性格は真逆とのギャップを狙ったのでしょうが、「白い巨塔」で財前のエゴで誤診され死んでしまう弁当屋を演じたキチホンさんこと田山涼成さん(何気に片瀬クンと数多く共演しています)が今度は伸木を罠に嵌める越智助教授役で出演する等のツッコミどころが目立ち、ナナムジカによる大仰な主題歌「くるりくるり」と共に「世紀の怪作」として記憶されるドラマとなりました。(ちなみにナナムジカは翌年に同じく奇妙奇天烈なドラマ「女帝」の主題歌も担当します。)其の奇怪な作品での片瀬クンは、ハッキリ云って「小早川妙子の変」と名付けても構わない程の変しい変しい怪演をやらかします。

容姿端麗な妻で愛娘みーちゃん(神の子:北村一葉ちゃん)の優しいママである妙子は、反面、幼少時代のトラウマに起因するヒステリックで情緒不安定な「狂ったダイヤモンド」でもありました。自分以外の女性が例え仕事上でも伸木と関わる度に過剰に嫉妬し、包丁を振り回して暴れたり部屋を滅茶苦茶にする程に錯乱したり勝手に自宅マンションの鍵を変えて伸木を閉め出し伸木の友人で弁護士の仁志(藤木直人さん)に「伸木と離婚したい」と相談したりします。但し原作漫画と同じ性格設定乍らも余りにも身勝手な原作版とは違い、片瀬版の妙子には愛らしさがありました。

家庭での安らぎを得られない伸木はうっかり盆栽教室で知り合った作田カナ(紺野まひるさん)と関係を持ち、其れに勘付いた妙子もうっかり大学生の潤クン(山口翔悟クン:アンテツは此の時「もうリューケンドーは見ない!」と断言しました)と一夜を共にします。伸木「妙子と寝たのか?」潤「(こっくりうなずく)」とか、妙子「カナさんと、寝たんれしょ?」伸木「ああ、寝たよ!」などと身も蓋もない応酬の果てに、物語は離婚裁判へと発展するのでした。ちなみに、リューケンドーを「いつか殴る手帳」にしっかりと記したアンテツに「キス・シーンやベッド・シーンまで演じた唐沢さんは、どーなのよさ?」と訊いたら「唐沢さんは別にいいんですよ、ショッカー戦闘員でライダーマンですからね」と仮面ライダーマニアらしい回答が得られました。

DVDではバッサリとカットされた初回冒頭での大立ち回りから始まり、全篇に渡っての妙子の発狂演技が凄まじく、世間に「片瀬那奈って、一体、、、」と大いにイメージを覆させる事となりました。まるでジョーズが出現するかの如くタイミング良く伸木が他の女と一緒の現場に妙子が現れる演出は、爆笑を誘います。当時、片瀬クンが桂由美せんせいの「ブライダル・ファッション・ショー」で晴れ姿を披露した際にも、客席の奥様方が「アラ、コノコ観た事あるわね」「妙子よ、ホラ、小早川の」「ああ、アノ基地外嫁ね、普通にしてればベッピンさんじゃない」などと語っておりました。

上様(谷原章介さん)などの共演陣もモジャ公を除けば豪華で、キッちゃん(吉瀬美智子さん)が看護婦役でチラリと出てたりもしますが、またしても小川直也さんがプロレスラー役でゲスト出演しているのが注目に値します。「新宿暴走救急隊」での不甲斐なさに奮起したのか、小川は2005年末の吉田戦で本当に怪我をしてまで怪我人役に臨みました。ガチでリアルな姿勢は天晴れですが、役作りってそーゆーもんじゃないんじゃまいか?ハッスル!ハッスル!(死語)

然し乍ら、此の作品の眞の主役は「神の子みーちゃん」です。愛らしい風貌に似合わないドスの効いた単調すぎる台詞回しのギャップが生む破壊力はメガトン級で、怪演する片瀬クンをも食いまくっております。黙っていれば天使の様に可愛いのに、話した途端に物語を根底から覆すのですよ。ストーリー展開上でも、結局はみーちゃんが最後まで鍵を握っておりました。近年、大人も顔負けな上手い演技をしやがる子役が多い中で、こんなにも子供な姿を晒したみーちゃんは素晴らしいですよっ。片瀬クンの初めての御子を演じるに相応しい「史上最強の子役」です。

原作では「伸木はカナと再婚し、妙子は在ろう事か仁志を誘惑しできちゃった再婚し、更に成長したみーちゃんは潤クンと偶然に再会して惹かれ合い親子丼へ、、、」とトンデモすぎる結末を迎えますが(ま、単に原作者フーミンがポール・サイモン好きゆえに映画「卒業」みたいにしたかっただけなのだろうけどさ、、、そーいえばナナムジカの「くるりくるり」も「コンドルが飛んでいく」にアレンジがそっくりじゃん、、、)流石にドラマは其処まで無茶な展開にはなりません。そもそも仁志は原作では冴えない風貌の中年男で、藤木さんの様な綺麗な人が演じる役柄ではありません。ドラマでは最終回で離婚した妙子の引っ越しを手伝わされた仁志に、妙子が「あたし、仁志さんみたいな人となら上手くいったのかナァ」と唐突に告白じみた事を云いますが、仁志は「勘弁してよ、、、」と切り返すのでした。カナもあっさりと身を引き、伸木は独り身になります。可愛いみーちゃんがリューケンドーの魔の手に堕ちる心配もなさそうです。離婚してから逆に関係が修復している様に思える伸木と妙子が屋外で食事する場面でドラマは終りますが、其の最終場面のロケが天候不順で最終回直前まで延期されたなんてウラ話もありました。

予告の段階ではBGMにロネッツの「BE MY BABY」が流れていてワクワクしたのですが、本編では偏屈なフィル・スペクターからの使用許可が降りなかったのか無かった事になりました。挿入歌としてジェイムス・ブライトの「YOU'RE BEAUTIFUL」が使われ、特に妙子が苦悩する場面で頻繁に流れたので「小早川妙子のテーマ」として記憶される事となります。

私生活までもが妙子モードに染まる程に、片瀬那奈は此の役柄に賭けました。大いなる息吹が感じられる怪演に、あたくしも珍しく「妙子がんばれ!」とガチで全面支援を繰り返したものです。確かに、片瀬那奈は新たなるステージに上がったと思えました。箍を外した片瀬クンの暴走が始まったのです。


(小島藺子)


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「テレビでスペイン語」#05 再々再放送

NHK テレビでスペイン語 2010年 05月号 [雑誌]


NHK教育 6:00〜6:25

「知らないものを尋ねる」

 講師:貫井一美
 ナビゲーター:片瀬那奈
 パートナー:フリオ・ビジョリア・アパリシオ、マリア・ゴメス・ペドヤ
 リポーター:マルタ・マルティン・モリーナ


(小島藺子)



「テレビでスペイン語」NHK公式サイト


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「Sports Graphic Number PLUS」June 2010

Armed Forces


発行/(株)文藝春秋

「W杯が待ちきれない “輪”の雰囲気が大好き!」に登場。

カラー1頁(P55)

 Photo:Tamon Matsuzono
 Styling:Kozue Onuma(kind)
 Hair&Make-up:Rie Aoyama(nude.)


W杯に向けての特集本で各界著名人が展望を語る中で、俳優代表として片瀬那奈ちゃんが「サッカー莫迦おっさん」振りを発揮し語り倒しています。

もうすっかりこうしたサッカー関連本や番組へお呼びが掛かるのは、片瀬クンの定番業務となりました。他にもガンダム、ゲーム、家電、キューピー、等の趣味をネタに小金も稼ぎまくっておりまして「遊んでウハウハ」な姿勢はお見事ですね。

加えて、最近は「プロ花」絡みでゴルフ関連の雑誌への登場も目立ちます。高瀬リコを演じるまで片瀬クンはゴルフをやった事がなかったのですが、役作りで始めたら初心者を武器にインタビュウに応じたり、可愛いファッションから入ってゲームで特訓などと相変わらずの「カタセ流」で会得してゆきます。矢張り、御本尊様は常人では在りません。


(小島藺子)



「Sports Graphic Number PLUS」

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「プロゴルファー花」#06

ARIGATO!


読売テレビ、日本テレビ系 23:58〜24:38

「私本気出しちゃうぞ コーチに買収疑惑?」

リコに200打差を付けられた花だが、家族のためという決意を胸に巻き返しを図る。一方、リコは余裕の表れかラウンドを欠席し、今出川の迷惑を顧みずにかいがいしく彼に尽くす。そんな時、醍醐はリコが休んでいる間、彼女のスコアを108にすると発表する。リコ不在の中、花は連日アンダーパーをマークし、ラストラウンドを残してリコの合計スコアに追い付く。ミチルもトップまで5打差に迫り、花と二人で健闘を誓い合う。

■ キャスト

 加藤ローサ :野宮 花

 片瀬 那奈:高瀬リコ様

 高梨 臨 :戸田あゆみ
 上野なつひ :福島百合子
 高橋真唯 :尾口ミチル
 井上正大 :今出川 順
 石黒 賢 :醍醐一馬
 、ほか

■ スタッフ
 脚本:福田雄一
 演出:岡本浩一
 音楽:瀬川英史
 主題歌: ステレオポニー「OVER DRIVE」(gr8! records/Sony Music Records)
 挿入歌:May J.「Believe」(rhythm zone)
 チーフプロデューサー:堀口良則(ytv)
 プロデューサー:尼子大介(ytv)、森谷 雄(アットムービー)
 制作協力:アットムービー
 制作著作:読売テレビ



いきなりだナァと魅惑のモンロー・ウォークで闘いのリングから立ち去り、今出川クンへの一途な想いに賭けてメイド姿での甲斐甲斐しい乙女ちゃん振りを魅せた今宵の高瀬リコ様ですが、うっかり休んでいる間に花ちゃんに並ばれ、今出川クンからも何となく叱咤激励され、再び闘いの舞台に還って参りましたっ。其れにしても、醍醐コーチの「リコだったら、いいのっ」は、蓋し名言でしたね。

そうです。リコ様なら何をやらかしても許されるのです。中盤を迎え、リコ様と花ちゃんのガチンコ対決も盛り上がって参りました。されど、どんなに花ちゃんの兄弟愛やミチルとの友情が描かれても、高瀬リコ様の出現で全てを完食してしまうのです。今回は、トリッキーな数々の必殺技を封印しシリアス・モードに変貌し「初めて本気出しちゃうわよ」と宣言しました。其の凛々しい姿の、何と麗しい事かっ。

予選落ちし荒れる今出川クンに戸惑い乍らも「いいよ、そんな順クンも受け止めるから」と健気に向き合う場面の可愛らしさは何なのよさ。直後にジャガー・チェンジして再び決戦に向かう時に魅せる「正に怪獣王ゴジラの如く咆哮した表情」は、直後に流れた「怪物くん予告でのおーちゃんがミニラに見えてしまう」程の、ど迫力でした。其の緩急を使い分ける完璧な演技には、全く以て何の文句も付ける余地無しです。花ちゃん、ミチル、あゆみ、百合子も、みんな好い味を出しているのですが、贔屓目抜きに「リコ様は、ラベルが違う!」と云わざるを得ません。

今後も更に魅惑の展開が待っている様です。2010年の代表作どころか、片瀬クンの歴史上で現時点での最高傑作と呼んで差し支えないでしょう。「ダメ出し担当」のあたくしと致しましては、此処まで絶賛しちゃったら立場が無いのですけど、高瀬リコ様の前には屈服するしか在りません。潔くハンセンのラリアットを喰らった坂口の様に、云わせて頂きます。

「御本尊様、参りましたぁ!ぐわっ」(吐血)

ゲホゲホ、、、豊原みどりちゃんが上手く使いこなせず妊娠しちゃった道具は、こんな使い方も在るのですよ。こうなったら是非とも、遂にIWGPを戴冠した真壁と対戦して下さい。「掟破りの逆キングコング・ニードロップ」を炸裂させて、苦労人の真壁からあっさりとベルトを強奪しちゃってはくれないか。ミニスカート姿で露になるアノ逞しい太腿なら大丈夫だ。いや、今の片瀬クンなら、アフリカ象にだって勝てますよっ。ハネムーンで南アフリカに再び行かれた際には、是非ともチャレンジして頂戴。


(小島藺子)



「プロゴルファー花」読売テレビ公式サイト
「prohana」on Twitter

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2010年05月14日

「テレビでスペイン語」#06 本放送

NHK テレビでスペイン語 2010年 05月号 [雑誌]


NHK教育 0:00〜0:25

「値段を聞く」

 講師:貫井一美
 ナビゲーター:片瀬那奈
 パートナー:フリオ・ビジョリア・アパリシオ、マリア・ゴメス・ペドヤ
 リポーター:マルタ・マルティン・モリーナ


(小島藺子)



「テレビでスペイン語」NHK公式サイト


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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 021「山田バーバラ」

ビバ!山田バーバラ(3)<完> (講談社コミックスキス)


 出演作:『ビバ!山田バーバラ』全2話(テレビ朝日系)
 放映日:2006年6月30日〜7月7日(毎週金曜日 23:15〜24:10)


「小早川妙子の変」に続いて、2006年の片瀬那奈は二本の映画(後に詳述)の撮影と同時進行で主演ドラマに挑みました。其れは前年に主演した「香港バタフライ」と「いい男はマーケティングで見つかる」では燻っていた片瀬クンの真価がようやく炸裂した作品となります。原作は鈴木由美子さんの同名漫画で、正に「マンガ女優・片瀬那奈」の快進撃が始まるのです。

片瀬クンが演じた山田バーバラは、かつてはトップモデルだったものの42才になった現在は太ったオバさんに成り果てています。人生に疲れコンビニの冷蔵庫で凍死自殺を試みたところ20代の若かりしスタイル抜群の美人時代に戻ってしまい、再びブイブイいわせようとしますが、水に濡れると元のオバさんに還ると判明します。若いバーバラで純クン(内田朝陽クン)に積極果敢にアタックするバーバラでしたが純クンの父親が元カレ・天(杉本哲太さん)と分り、冷蔵庫で変身を繰り返しては濡れて元に戻る二重恋愛ドタバタ喜劇を繰り広げるのでした。原作では「ふしぎなメルモ」さながらに焦ってうっかり10才の少女になったりもしますが、ドラマでは其処までは描かれず結末も違っています。

オバさんになったバーバラを中島唄子さんが演じ、若いバーバラを片瀬クンが演じる「二人一役」ですが、バーバラの心象を吐露する全体のナレーションも片瀬クンが担当しています。海に入り太ってしまう場面では下半身だけ肥大化する特殊メイクを披露したり、内面が42才のオバさんゆえの過激な台詞や大胆な行動も厭わず演じ切り、其の後のコメディエンヌ路線を決定付ける基点となった作品でした。ようやく主演作でも「片瀬那奈、此処にあり」を大いに印象付ける艶姿です。マブダチ星村麻衣クンがエステシャン役で「うっかり女優デビュウ」していたりもしますが、何故か長州小力を始めとする「西口プロレス」の面々が多数出演しております。何で毎度毎度、片瀬クンにはプロレスが擦り寄ってくるのよさ。

単なる美人女優の一人と認識していた世間一般の方々には、2006年の片瀬那奈は大きく変貌したと映ったかもしれません。でも第一期女優時代から片瀬那奈を愛したファンにとっては、此の路線での爆裂は正しく待望していた事でした。「片瀬クンはやる時はやるのだ」と、遂に其の眞なる姿を魅せてくれたと、拍手喝采大絶賛となりました。此の作品の前編がオンエアされた翌日の2006年7月1日に、映画「デスノート完結篇」への出演が公表されます。「おおっ!銀幕でも那奈ちゃんが大活躍かっ」と盛り上がり、翌7月2日に名古屋で行われたトークショーに駆けつけた流星ブラッドベリーズ(未亜&うっぴー☆)に、片瀬那奈は無情にも「結婚引退宣言」を云い放ちます。「結婚したら仕事はヤメます!」とハッキリと明言したのです。「片瀬那奈24才、最後の暴走!」と考えれば、なるほど2006年前半の躍進は納得がゆく展開でした。「ならば良し、其の輝きをしっかりと最後まで見届けよう」と、僕たちは誓ったのでした。

が、未だ未だこんなもんじゃなかった。怪優・片瀬那奈は其の正体を垣間見せたに過ぎなかったのだと、怒涛の2006年後半に僕たちは思い知らされるのです。


(小島藺子/姫川未亜)


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「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 022「夏目雅子」

夏目雅子写真集 HIMAWARI


 出演作:『ニッポン人が好きな100人の偉人・美女編』(日本テレビ系)
 放映日:2006年9月23日(土曜日 21:00〜23:18)


此の作品を女優歴に加えるのは如何なものか?とも思えますが、バラエティ特番の中での再現ドラマで「夏目雅子さん」を演じた片瀬那奈は確かに女優でした。

拾った紙コップのコーヒーを飲み干す場面や、役を降ろされ演出家の和田勉さんに詰め寄る場面など、全てが事実に基づいた「夏目雅子ストーリー」を忠実に再現したものです。「夏目雅子さん」はランキングで見事に首位に輝いた為、片瀬クンの演じるドラマも「落ち」で放映されました。

「もしもツアーズ」では何度もスカされ捲る片瀬クンの「入浴場面」も、此の時は実録物ならではの演出ゆえに大盤振る舞いで披露されました。「2001年のおとこ運」や「ビバ!山田バーバラ」でも麗しい姿は魅せて下さったものの、此処まで素っ裸(まぁ、当然肌色の水着は着ておりますが)で挑む姿を晒して下さったのは余りにも貴重です。正に「ヴィーナス誕生」だっ。そして、其れ等の作品は押し並べて映像作品化されず、伝説と化してゆくのでした。桂由美せんせいのファッション・ショーでの晴れ姿を、真っ正面から拝んだ直後にアンテツ&うっぴー☆に発したコトノハを、もういちど云わせて下さい。

「伝説は、真実です」

真実は、常に現場に在るのだ。


(小島藺子)


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