え〜とですね、やっぱ、「タマンねぇ!」(及川クン声で)
ロバート・ウェルチ様の声は最高です。1970年代後期に、日本でも彼はブレイクしました。来日公演も在ったはずです。でも、パリス時代から彼を日本で押しまくって居た、敢えて名は伏せますが「某・ロケノン社長:渋谷陽一」サンが「逢ってみたら、僕のイメージと違った」とか云っちゃってですね、挙げ句に「最早、彼の音楽は時代に乗り遅れてる」とか書いちゃってですね、ボロ雑巾の様に捨てたのですよっ。確かに世界的には無名だった「PARIS」を日本で極地的にメジャーにしたのは渋谷サンの功績でしたけど、其れって単に「ツェッペリンに似てる」って理由だったんじゃまいか?だって、本人も明かして居るけど、マック時代のウェルチ様の事なんか「洋楽評論家」で「洋楽雑誌の代表」なのに知らなかったんだもの。
ま、そんな大昔の事はええのよさ。でもね、兎に角、日本で「ボブ」と云えば「ディラン」では無く「ウェルチ」って時が確かに在ったの。そして、其の頃のあたくしは10代だったのだよ。彼のブレイク後に所謂ひとつの「J-POP」ってのが生まれてしまうのです。其れは我が師匠である大瀧サマがやらかした「A LONG VACATION」を基点にすると思われます。当時に流行して居た「AOR」の日本語翻訳と捉えられそうな「ロンバケ」ですが、コアな「ナイアガラー」なら師匠の積み重ねたオールディーズや歌謡曲、そして何より「ROCK」魂を感じるでしょう。だってさ、「ロンバケ」って構成が THE BEATLES の「サージェント・ペパーズ〜」と同じなんだもん。しかも、根底に流れるメロディーは「キャロル・キング」姐御の「其のまんま」ですからね。
でもさ、あたくしは思うんだよ。アノ頃、寺尾サンと大瀧師匠の「鼻唄」に包まれて居た頃をね。アレって「ボブ・ウェルチ」のマネだったんじゃまいか?とさ。確かに「1981年の寺尾サンも大瀧師匠もAOR」だ。でも、特に大瀧師匠に云えるのは根底に在る音楽なのよさ。
ま、今ではみんな揃って「百円コーナー」に並んで居るのだから、好いのよね。凄いナァ。アノ頃に、昼飯を我慢したりして買ったレコが「百円」って、、、嗚呼、もう有難いのか悔しいのか分りませんです。
で、ウェルチ様の声を「ヴォイス・ハンサム」と名付けたのは漫画家の森脇真末味サンです。代表作の「おんなのこ物語」で事実上の主役だった敵役の仲尾クンがバンドで歌う場面が在るのです。「やあ」って云っていきなり歌い出すんだけど、其の「やあ」って前振りがカッコいいのよさ。で「アノ声は誰かモデルが居るのですか?」って問い合わせが殺到して、森脇サンが「アレは声はボブ・ウェルチです。ヴォイス・ハンサムだから」って云ったのよさ。でさ、あたくしは其の「やあ」ってフレーズを頂いたんです。
そんな素敵な音楽が、壱枚「百円」になっちゃったよ〜ん!嗚呼、、、
(小島藺子)