「壱番欲しいのは、ブートレグだ!」とは、ジョン・レノンの名言です。昨年(2009年)に、遂にリマスター盤が発売された「THE BEATLES」の音源は、ステレオとモノラルが高音質で聴ける様になり、更に其れ以前に出た「米盤BOX」も揃えれば大抵の「別ミックス」も容易に公式音源で入手可能になりました。
海賊盤音源ってのは、入手した時はドキドキもんなのだけど、結局は「ボツ」だったわけでして、壱回聴けばええやってもんなのです。THE BEATLES に関しては「アンソロジー」って「ボツ音源集」も出てますので、かつての様には積極的に西新宿へ向かうなんて事もなくなりました。何せ、彼等は「40年も前に解散したバンド」なのですよ。音源にも限りが在ります。
所謂ひとつの「ゲバ」もん(解散間際の1969年1月に行われたセッションで、公式には「LET IT BE」としてアルバムと映画で発表されたが、其の30日間をほとんど全部記録して居た為に膨大な未発表音源が存在する)まで手を出し、鼻唄や会話まで聴き尽くしたわけでして「もうブートはええやん」と、、、はならないのでした。
確かに、リマスター音源の登場は素晴らしく、音源としてなら20年は楽しめます。旧盤CDとの聴き比べとか、アナログとの聴き比べとか、時間が幾ら在っても足りない位です。なら、ええじゃん!とはゆかないのが「THE LONG AND WINDING ROAD」なのよさ。
ズバリ云って、映像作品なのです。THE BEATLES の映像作品も多く発売されていますが、名作「MAGICAL MYSTERY TOUR」は廃盤で、あたくしが最も好きな「LET IT BE」なんか未だにDVD化されていません。「アンソロジー」の映像版は素晴らしい作品ですが、プロモ映像が中途半端に収録されてたりもするのです。そもそも、天下無敵の「THE BEATLES」のプロモ集すらマトモに出て居ないってのは何故なの?
さて、其処で「必要悪」で在ります「海賊盤」の登場です。ええ、観れるんですよ。でもね、やっぱ「MMT」と「レリビ」と「プロモ集」位は、公式で発売しなければダメですよ。特に「レリビ」だな。ルーフトップ・セッションがブートでしか味わえないなんて酷いよ。片瀬クンの実演は、シュガーちゃんが記録用にハンディで撮ったもんまで公式映像作品化されてるんですよ。対して「THE BEATLES」は、映画用に撮った映像が出てないのよさ。もしかして、アップルちゃんはブート屋さんを儲けさせたいのかしら?
(小島藺子/鳴海ルナ)
あっ。全曲解説は、そろそろ再開しますです。