品番:AVCD-30494 / 発売中止盤
発売予定日:2003年9月10日
初回盤は新曲(後の「Necessary」か?)に他のアーティストとのコラボ作がカップリング、通常盤は新曲にアルバム「TELEPATHY」収録曲のリミックスをカップリングされると正式告知され、実際に品番まで残されてたものの発売中止となった音源で、残念乍ら、あたくしも未だに発見出来ない「幻の音源」です。
確かに公表されなかった所謂ひとつの「ボツ音源(アウト・テイク)」は、片瀬音源だけでは無く数多のアーティストには必然的に存在します。但し、其れらはあくまでも「非公開」で其の片鱗すら一般には出回らないので、「習作」として片付けて良い類いの作品以前のモノです。然し乍ら、あたくしたちが「幻の音源」と呼ぶ類いは「何らかのカタチで正式告知され、其れが確かに存在すると期待させられたモノ」を云うのです。其れはかつての「THE BEATLES / GET BACK」とか「THE BEACH BOYS / SMiLE」と云った音源です。レコーディング・アーティストとしては僅か一年半で終ってしまった「第一期歌手・片瀬那奈」時代にも、そんな幻の音源は存在します。其れが此の「タイトル未定(AVCD-30494)」と後に語る「赤道小町ドキッ」と云う二枚のシングル盤です。
「タイトル未定(AVCD-30494)」は、事前に「他のアーティストとのコラボ作」に向けてのファンからのアンケートまで募った程に具体性が在りました。「TELEPATHY」収録曲のリミックスに関しては、後に「Reloaded」に収録された「GALAXY〜Dub's Find Frontier Remix〜」の事だったのかもしれません。ま、コラボに関しても2008年に実現したわけですけどね。兎も角、正式な発売告知がされ品番までが残っていると云う事は、制作途中までは進行していたのでしょう。
此の発売中止事件は「片瀬の体調不良による録音延期が原因」とも噂されたのですが、発売を一ヶ月以上も延期して発売された「Necessary / EVERY***」での片瀬の声を聴いて「事の重大さ」を那奈ヲタは知るのです。延期したにも関わらず、片瀬の声は風邪声でした。思えば、歌手デビューから常にファンの前に降臨し続けた片瀬が2003年8月下旬から9月下旬までの約一ヶ月間、実演活動も休止しました。片瀬が精力的にプロモーション活動を再開するのは2003年10月からですが、「SHiNY Girls Summer Party」(2003年8月19日)を最後に休止していた実演を再開したのは、公式記録には何故か遺されていませんが「2003年9月27日」です。延期され『Necessary / EVERY***』として四枚目のシングルが発売されたのは「2003年10月16日」で、明らかに「空白の一ヶ月間」が存在します。其れを埋めるのが「タイトル未定(AVCD-30494)」です。
「片瀬音源」ばかりか「片瀬那奈史」でも最も大きな謎を未だに残すのが「タイトル未定(AVCD-30494)」です。あたくしも懸命に探りました。そして、在る程度は其の真相に近づいたとは思います。でも、矢張り、未発表だったのには、其れ也の理由が在ります。幻は幻の侭で在る方が好いと思うのです。「世の中には知らない方が好い事も在るんだよ、ベイブ☆」
(小島藺子)