Lyrics:NANA KATASE、Satomi & rom△ntic high
Music:Ryouki Matsumoto
Arrangement:Manao Dai
Strings Arrangement:Yasuaki Maejima
Mix:Maki Kosugi(Climbers)
Programming:Manao Dai
Chorus:Junko Hirotani
Strings:Kuwano Strings
品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」05)
発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)
TBS系ドラマ「こちら本池上署」主題歌
アナログならば「A面」の最後だったであろう5曲目に、名曲「Shine」が収められました。収録されたのはシングルと同一音源と思われますが、例によって時間差が在ります。「Shine」の場合は、シングルは歌入りもインストも「5'08''」アルバム「5'09''」で、「Reloaded」に収録されたのはアルバムと同じ「5'09''」版です。先行シングルと同一音源と思われる楽曲がアルバム「TELEPATHY」には5曲収録されましたが、其のほとんどに僅か乍ら「時間差が在る」のです。其の内「TELEPATHY」「GALAXY」「Babe」は「シングルよりも僅かに短いミックス」で、此れは、アルバムのトータル性を重視して「曲間」を短くしメドレーの様に展開させた為に生じた時間差と考えられます。対して、此の「Shine」は「シングルよりも僅かに長いミックス」で「REVENGE〜未来への誓い〜」が「シングルと同一時間」になっています。此の事実からも、アルバムは一旦「Shine」で「A面」で小休止し、更に最終曲は「REVENGE〜未来への誓い〜」で「B面」を終えて、最後の2曲は「ボーナス・トラック」だと考えられます。
片瀬那奈ちゃん自身が解説する通り、アルバム発売の僅か一ヶ月弱前に出たばかりの最新シングルの実質上のメイン曲が「Shine」でした。「コノ曲は、何にも考えないで歌ったんですけど、日に日に好い曲だなって、思ってですね」と那奈ちゃんも大胆不敵な預言をしておりますが、事実、其の通りでした。お気楽なコメントを聴くと、おそらく那奈ちゃん自身すら発表当時には此の楽曲の眞の素晴らしさに気が付いていなかった様に思われます。其れでも此の楽曲が持つ底知れぬ力を、確かに那奈ちゃんは知っていました。「ん?コノ曲って、だんだん好くなるじゃん」との「直感」を得て、実際に何度もカタチを変えて実演でも披露されてゆきます。其れにしても「何も考えないで歌った」って、、、凄い発言です。また「バラードだけどポジティブな詩をつけた」とも語っており、思えば此のアルバム「TELEPATHY」には哀しい歌が全く入ってない事実に気付きます。いえ、結論を急げば「片瀬那奈のオリジナル楽曲にはネガティブな失恋ソング等は全く無い」のでした。那奈ちゃん自身が「人は泣いて解放されるって事も在る」と真理を突いているのですが、其れを彼女は「後ろ向きな哀しい歌」では無く「前向きな希望の歌」で成し遂げようとしたのです。余談ですが、後のカヴァー路線の失敗は、其の多くが男性作詞家による「ネガティブな男性目線からの女性像」を歌った作品だった事にも原因は在ります。「もう、ダメ!ひとりきりあたし〜」なんて「女は弱い者」と捉えた男尊女卑思考丸出しな歌詞が、最も似合わないのが「腕白番長・片瀬那奈」ちゃんではないですか。だからアノ歌を実演で那奈ちゃんは壱度もマトモに歌えなかったんだよ。「赤道小町」で好かったのにさ、責任者出て来い!ぜいはあ、、、
此の所謂ひとつの正調版「Shine」は、前出のTV音楽番組と「渋谷タワレコ(2003年6月22日)」の後にはアルバム記念イベント「TELEPATHY WITH YOU(2003年7月5日)」で披露されますが、其の後は後述する「MAD FAT PAD MIX」に変更され、最終的には「アンプラグド・スタイル」のバンド生演奏をバックに「実演で初めて生歌のみで熱唱」された「第一期歌手時代の最後を飾る楽曲」となるのでした。リミックスでは無く、実演で三種類ものヴァージョンが歌われた楽曲は「Shine」だけです。僕にとっての「歌手・片瀬那奈」は、突然に「Shine」を歌って現れ、新たなカタチでの「Shine」を歌って消えました。僅か一年半の夢でした。余りにも短く濃密な時でした。其の事実だけで、僕が此の楽曲を生涯愛する理由には充分過ぎるでしょう。発売されてから早6年以上も経ったのに、いや、時を経た現在の方が、より深く此の曲は僕の心を打ちます。本当に那奈ちゃんが最初に語った通り「日に日に好くなる」至上の名曲だと思います。
ところで、此の連載を書く為に久しぶりに「初回限定DVD」での「片瀬那奈スペシャル・インタビュー」を全部観直したわけですよ。其れで「うわぁ!2003年の那奈ちゃんって、ゲロマブじゃん!」と思いつつもですね、流石に陸年前ですよ、私服の那奈ちゃんが「へんてこりん」なのよさ。いや、似合ってるんだけど「那奈ちゃん、若い頃は今以上に無茶なスタイリングをやってたんだナァ」と吃驚しました。何よりも「しゃべり」が「子供」で驚いたよ。確かに、アノ頃の那奈ちゃんって此れだった。あんまりフランクで無邪気で「何だ?コノコ、マジで芸能人?近所の下町のお姉ちゃんとおんなじじゃん!」と思ったもんでした。(いや、まさか本当にそうだったとは思ってなかったんですけどね。)ま、21才だもんナァ、当たり前なんだけどさ。那奈ちゃんって本当に素直で正直だからインタビューだと素に近いんだよね。ずっと追っかけて「日々是カタセ」で居るから、何年か前の「演技者では無い片瀬那奈」を観ると年月を感じます。アンテツあにいのラベルになると「那奈ちゃん、逢う度に大人っぽくなるナァ」って事になるわけですけど、僕も昨今其の領域に達したと「しみじみみあみあ」思うのです。なんてったって、追いかけて早10余年だもんね。自分でも呆れるもん。「何でこんなに片瀬那奈ちゃんが好きなの?」と、自問自答する事も在るのよさ。其れで、思ったよ。僕は「常に今の那奈ちゃんが壱番好きなんだ」ってね。10年以上も「NEXT ONE」を、那奈ちゃんは僕たちに期待させ、其の期待以上のステージに上がり続けて居る。こんな存在には、もう二度と逢えないよ。
僕は「21歳の輝き」も「22歳の輝き」も「23歳の輝き」も、幸いにも生で観て聴いた。其れらはすべて、眩しかった。
だから、いつかまた、ふたたび那奈ちゃんが歌う日を、ずっと待って居ます。
(姫川未亜)