Lyrics:kenko-p
Music:Marcus Granberg & Patric Sarin
Arrangement:Ta
Mix:Dave Ford
Programming:Ta
Chorus:Junko Hirotani
Special Arrangement:Shin-ya Sumida
品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」03)
発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)
テレビ朝日系ドラマ「逮捕しちゃうぞ - YOU'RE UNDER ARREST -」オープニングテーマ。
前述の通りに、シングルとは逆順で三曲目に「GALAXY」が登場します。然し乍ら、アナログ盤「TELEPATHY ep.」での事実上のA面は「TELEPATHY」でした。片瀬本人は「TELEPATHY」を眞のデビュー曲と認識していたのかもしれません。作詞を自ら担当した「TELEPATHY」や「FANTASY」とは違い、「GALAXY」は完全なる「与えられた楽曲」でした。しかも、カヴァー曲だったのです。
片瀬自身の解説を聞くと「もしかしたら、片瀬は此の楽曲がカヴァーだと知らずに歌ったのではないか?」と思えます。此れは「曲が来て、其れに詩がついて〜」と語られる「DVD全曲解説」からの推論です。「だんだんだん!って、もうギャラクシーじゃなくって、だんだんだん!だよね、がっはっはっは」などと無邪気に笑っていますが、其れは「北京語」と「英語」の異名同曲の存在を知らないからこそ云える「あっけらかんとした発言」に受け取れます。たぶん、片瀬は少なくとも歌入れする前に「北京語」版も「英語」版も聴いていなかったと思います。三カ国語で存在する競作作品で「GALAXY」のみが異彩を放っているからです。片瀬盤だけが、他のヴァージョンから「全く影響を受けていない」のです。発言からも察せられる様に、片瀬は此の楽曲を「インストロメンタル状態」で聴かされ、其れに「GALAXY」の詩が付いたと思わされたのでしょう。つまり、片瀬は此の楽曲を「カヴァー曲」とは認識せずに歌ったのだと思えるのです。
「GALAXY」の音源が世に出た時期から考えて、物理的に片瀬が録音前に「北京語」と「英語」を聴く事は「関係者が其れらの発売前のプロモ音源(そんなものが存在したかすら不確かだが)を入手して聴かせない限り有り得ない」のです。北京語盤が発売された時よりも早く「GALAXY」は「TV予告」や有線で流されていましたし、英語盤に至っては「片瀬盤の公式発売よりも後に発売された」のですからね。「北京語盤」と「英語盤」は、其の編曲が酷似している事や、何よりも「北京語盤」のクレジットに「英語盤」がオリジナルで在る事が明記されてある事から「相互関係が明確に在る」と云えるでしょう。対して「GALAXY」に関しては、少なくとも片瀬サイドからは他の二曲との関連を明言された事は一切在りません。
其の謎は未だ解明出来ませんが、片瀬が「GALAXY」をオリジナル楽曲に昇華した事実だけは遺りました。あたくしがアルバムの「A面」と認識する5曲目までは曲間もほとんど無く連なっています。「GALAXY」は片瀬のキラー・チューンで実演でも大いに盛り上がる楽曲のひとつだったのですが、此のアルバムではすんなりと流れに乗って聴こえます。其れは「TELEPATHY」と「GALAXY」が基本的には同じコード進行で展開される表裏一体の「姉妹曲」で在るからでも在り、「GALAXY」のエンディングが、続く「Deep Forest」のイントロにリンクするからでも在ります。「TELEPATHY」も「GALAXY」も「エンディングで終止和音を拒否する」のです。「TELEPATHY」は片瀬の「All My Love Is For You」と云う「必殺の壱行」がエコーで放り出され、「GALAXY」は決めフレーズでは終らずシンセの中途半端なアウトロで途切れます。単一楽曲として聴いた時に「何故?しっかりとしたエンディングにしないの?」と思えた其れが、アルバムでは「次曲へ繋ぐ為の仕掛け」だったと明かされるのです。此の事実からも「まずアルバム在りき」で此れらの楽曲が制作されたと考えられます。
ちなみに、御馴染みのタイム差ですけど、シングル盤はラフミックスのプロモも公式も「4'11''」で、アルバムは「4'10''」です。そして、シングル集と謳われた「Reloaded」に収録されたのはアルバムと同じ「4'10''」版でした。「Reloaded」は「CDDA」音源で在るばかりでは無く「単なるシングル音源の寄せ集めでも無い!」のです。ま、其れは後にじっくりと語りましょう。
(小島藺子)