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2009年10月01日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
#000「LONG TALL NANA」

first time―片瀬那奈写真集 内山理名 もうひとつのR-157「卒業」 [DVD]


「一人民族大移動!人間山脈、片瀬那奈選手の入場ですっ!!」と絶叫されても不思議では無い程に、

片瀬那奈は「デカイ!」です。

初めて彼女を紙誌面やTVで見た時(1998年)には、そんな印象は在りませんでした。片瀬はおんなじ位の身長でスタイル抜群の水着キャンギャルの一員として居たから「片瀬だけズバ抜けて脚が長いナァ」って思った程度でした。翌1999年に女優になってからも、画面上では相手役の男優さんよりも背が低く見えてましたので「片瀬はデカイ!」とは感じなかったんです。

僕が最初に「片瀬って、もしかして、デカイんじゃまいか?」と思ったのは「B.L.T.」誌上で実現した「内山理名ちゃん」との対談での立ち姿2ショットを見た時でした。お誕生日が同じで当時18才だった二人の「運命的な邂逅」に大いに感動したのですが、身長が公称157センチの理名ちゃんと対峙した公称172センチの那奈ちゃんの図は「大人と子供」でした。データ上では「15センチの差」なのに、写真で見る限りでは明らかに「頭ひとつ違う」のです。

もう衆知の事実でしょうけど、僕はデビュウ当時からの「内山理名ちゃんファン」です。其の対談が行われた当時(2000年1月)は、正直に云えば「一位:内山理名、二位:片瀬那奈」ってランキングの「DD(誰でも大好き)」でした。もっと云ってしまえば、片瀬那奈に興味を持ったのはデビュウ時のハプニングを「東スポ」で見て知り、プロフィールを見たら「1981年11月7日生まれ」と書いて在ったからだったのです。お誕生日マニアでも在る僕は「アレ?理名ちゃんとおんなじじゃん」と思い、注目度が大いに増したわけですよ。

だから、理名ちゃんは157センチだと思って居たのです。いや、実際にもそうなんでしょうけど、基準は「内山理名:R-157」だったわけですよ。2ショットを見た印象では、普通に「那奈ちゃんの肩の辺りが、理名ちゃんの天辺」としか思えなかったんです。「頭ひとつって、30センチ位?じゃあ、片瀬那奈ちゃんって190センチ近いの?」と思わざるをえませんでした。其れからはTVを観ても「アレレ?片瀬だけデカクない?」と他の女性陣と比較する様になって、気になり出しちゃったのです。「FLY」でも「2001年のおとこ運」でも「できちゃった結婚」でも、他の女優サンと比較すれば明らかに片瀬那奈は「デカイ!」と観えました。特に「Ban」のCMや「できちゃった結婚」では三人娘での場面が多く、片瀬だけがフレームからはみ出しそうになったり、明らかに片瀬だけ腰の位置が高過ぎたりするのを観てしまったわけです。当時は「一匹狼:那奈ヲタ」だった僕は交流する同志も無く「おいおい、片瀬ってもしかしたら物凄くデカイ!んじゃまいか?」との疑念が膨らみました。

そして、決定的だったのは「プリティガール」制作発表(2002年1月8日)を報じた記事でした。稲森いずみサン(公称169センチ)、米倉涼子サン(公称168センチ)と決して小さくは無い二人と並んでも、片瀬那奈(公称172センチ)の方が長身に見えました。いや、其れは実寸でも片瀬が僅かに上回って居るのですから当然なのですが、問題は敢えて名は伏せるが某・日刊スポーツ紙が掲載した「同じ背景での個別ショット」なのです。他の二人は壁だけを背景にして居るのに、片瀬だけが「天井も映り込ませる下から煽ったショット」で、如何にも「片瀬だけ天井に届きそうな位に巨人だった!」と思わせるレイアウトで、駄目押しに「デカイ片瀬」とキャプションが入って居たのでした。(「デパガ米倉、バイト稲森、デカイ片瀬」って三段落ちのアエライズム炸裂!なコピーなんだけどさ、、、酷いよ、朝日。。。)

あたくしは「おいおい、片瀬って馬場サン並みにデカイの?」と畏れおののき「プリティガール」を観ても「コブよりデカイじゃん!やっぱ、片瀬ってアンドレ並みにデカイんじゃまいか?」と推測せざるえなくなったのでした。其れで、後に実際に対面した時に「アレレ?全然、普通じゃん」と逆に驚いてしまったのです。確かに、身長167センチの僕よりも片瀬那奈は背が高かったけど、其れは「僅か5センチの差」だと見上げた角度で分りました。何せ、僕は多くのプロレスラーと対面して来ましたからね。那奈ちゃんは、金本よりも少しだけ小さくってライガーよりはかなり大きいってラベルの身長だと断言します。新日のジュニア・クラスって事ですよ。ちなみに公称170センチのライガーは僕よりも背が低いです。もっと云うなら、藤原竜也クンは僕とおんなじ位の身長でした。松山ケンイチくんは「L/竜崎」とは違って「公称180センチ」に近いノッポくんでした。那奈ちゃんがヒールを履いても、マツケンの方が上だったもんね。

那奈ちゃんは、確かに背が低くは無いです。でも、そんなにノッポでも在りません。まわりとの比較で大きく見えて居るだけなんだけど、其れは「個性」でも在るのです。モデルの世界だったなら、那奈ちゃんは普通だったでしょう。事実、先日の名古屋で「国際的スーパーモデル:富永愛」サンと並んだ那奈ちゃんは「愛サンよりも背が低い印象の宝塚の娘役」に見えました。だから、TVのバラエティ番組に出る時に那奈ちゃんが巨人に見えるのは「大きな武器」なんです。

プロレスを観る時、僕らは「ジャイアント馬場サン理論」で在る「デカイ奴が強い!」を無条件に納得させられます。特に、格闘技を10代からやって来た僕は「やっぱ、デカイ奴には敵わん!」って悔しい思いを幾度となく経験しました。だから、アノ時に内山理名ちゃんが「背が高いとカッコいいよぉ〜」と見上げた那奈ちゃんを益々好きになってしまったのかもしれません。でもね、此処が存在する最初のキッカケは「理名ちゃんが憧れちゃったコなんだから、那奈ちゃんも益々追いかけなきゃ!」って事だったんです。内山理名ちゃんが存在しなければ、此処は無い。だから、単純な構図で「理名=未亜/イコ=那奈」って展開になっていったのでしょう。

「デカイ!」片瀬那奈だから、好きになったんだよ。でも、そんなに身長は高くなかった。なのに、片瀬那奈は「デカイ!」んです。もっともっと巨大化してゆくのです。

じゃ、「エレナ」の第二部を始めようか。


(小島藺子/姫川未亜)



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「子育てプレイ&MORE」第12話「最終面接」

子育てプレイ&MORE プレミアムセット 2 【期間限定版】 [DVD]


MBS 1:25〜1:55

森瑠衣 役

「また、片瀬力かよっ!」

詳細は、後日。以下、あらすじを引用。

「アリもいるの?アリー!」女性の声に、「ママー」と玄関へ駆け出すアリ。
それを聞いた楠木と涼宮と町田は「ええ、ママー!」と叫び、北村は固まったまま床に倒れた。
アリを抱いて現れたのは森瑠衣、アリのママである。3人を見た瑠衣は思わず「何で・・・?」。瑠衣は3人と顔見知りだったのだ。
思いもしない再会に、3人も同時に「瑠衣―――?!」と叫んだ。森さんがアリを部屋に連れている間に話をする瑠衣と3人。
「本当に瑠衣さんがアリちゃんのママなんですか?」「それより、何でお前らが瑠衣を知ってるんだ?」
混乱した3人を横にシャンパンを飲んでくつろいでいる瑠衣は、
「ちょっと、そっちのコンセンサスとってきなさいよ。私、逃げも隠れもしないから」と余裕である。
3人はベランダで状況を整理しはじめた。
瑠衣はアリの母親らしく、瑠衣が過去に出版した二つの小説のモデルになったのが楠木と町田であった。
そして涼宮も瑠衣をよく知っているらしい。果たして、3人と瑠衣の関係は・・・? そして、アリの本当のパパとは・・・?



「子育てプレイ&MORE」毎日放送公式サイト


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2009年10月02日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 001「片瀬那奈」

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 出演作:『美少女H2』第18話「最後のデート」他(フジテレビ系)
 放映日:1999年3月9日(1:20〜1:50)、他

 映像作品:ヴィデオ「美少女H28 〜最後のデート〜 片瀬那奈」
      (ポニーキャニオン PCVC-10905)1999年9月17日発売


片瀬那奈ちゃんの女優デビュー作品として紹介されている『美少女H2』第18話「最後のデート」ですが、果たして此れが本来の意味での「女優デビュー」と云えるのか?との疑問が在ります。御存知の通り「美少女H」シリーズとは、フジテレビが「未来の月9女優養成番組」として企画制作した深夜番組です。其のメムバーには、内山理名、水川あさみ、小池栄子、佐藤江梨子、しらたひさこ(現・白田久子)、等の片瀬クンと同世代の当時10代中頃だった新人が抜擢され、「全員、芸名の侭で登場する」と云う言わば「新人のお披露目」としての「プロモーション・ヴィデオ」的な演出でした。毎回、主演を務める新人の脇を固めるのも「美少女H」の面々で、片瀬クンも主演作「最後のデート」以外に二作(20話「夢のかなう場所」3/23放映、最終話「卒業旅行」3/30放映)で助演しています。公式記録との放映日に壱日の誤差が在るのは、業界時間を排除する此処の「リアリズム」ゆえにです。

つまり片瀬那奈ちゃんの女優デビュー作とされる「最後のデート」では、「片瀬那奈が片瀬那奈を演じる」と云う「不条理な事態」となりました。其れでも若干17才の片瀬那奈自身は真剣そのもので、「モデルの片手間ではなく、今後は女優として頑張ります!」などと大真面目に宣言して挑んだのでした。「架空の自分を演じる」との難役を、贔屓目抜きにドラマ初主演の片瀬那奈ちゃんは真摯に演じ、深夜に其れを観た僕たちの心を鷲掴みにしました。

17才の片瀬那奈ちゃんには「自分は出来るコだ」との自惚れに近い自信が在ったのでしょう。現に小さい頃から何度もスカウトされながらも「あたしはヘアメイクさんみたいな裏方になりたいのよ!」と固辞して来たのです。ようやくモデルとしてデビューした時ですら「将来ヘアメイクさんになった時に活かされる勉強だから。チョットやってダメならヤメれば好い。」とお気楽モードだったからこそ、ハプニングにも動じなかったのでしょう。「芸能界なんて、チョロイ、チョロイ。海外にも行けるし、メッチャ楽しい!女優?やります!そんなの簡単でしょ?」ってな気持ちで臨んで「やっぱ、あたしって天才じゃん。完璧な女優デビューまでしちゃったよ。がっはっはっは!」なんぞとタカを括っておったわけですよ。

されど、17才の片瀬那奈ちゃんは出来上がった作品を観て絶望したのです。「何て演技が下手で、ブスに映っているんだろう」と激しく落ち込み、其処で諦めずに「悔しくて、もっと演技が上手くなって、いい作品を残したい」と誓ったのでした。そして次作の「GTOドラマスペシャル」(1999年、関西テレビ)で「伝説の台本(シュガーちゃん命名)」と称される努力を重ね「眞なる女優道」を歩み始めたのでした。

個人的には片瀬那奈ちゃんの正式な女優デビュー作品は「GTOドラマスペシャル」だと認識しています。此の「美少女H2」で演じた「片瀬那奈」と云う役柄は、あくまでも「大いなる助走」期間を垣間見せてくれたと思っているのです。なのに、其れが事実とは云え、未だに片瀬那奈の女優デビュー作は「最後のデート」と公式データで記されています。此れは、深夜番組として流されヴィデオ化されたもののすぐに廃盤となりDVD化もされない映像作品です。多くのファンは「幻のデビュー作」と認識しているかもしれないマイナー作品なのです。「黒歴史」化しても、問題視すらされなかったでしょう。でも、此の作品には前述の通りに片瀬那奈本人の「大いなる挫折と屈辱」が在り、彼女が其れを「忘れてはいけない!」と思っているからこそ、敢えて「デビュー作」として明記しているのではないでしょうか?

さて、肝心の「最後のデート」での「片瀬那奈」が演じた「片瀬那奈」を語らねばなりませんね。17才の片瀬那奈ちゃんは、有無を云わさずに「可愛い!」です。正に「ダイアモンドの原石」と云うべき愛すべき「アイドル:片瀬那奈」が此処に居ます。ストーリーは単純で、地方在住の高校生カップルが大学に進学する事になって「彼女・片瀬那奈」は東京の短大へ進学し「彼・悟」は京都の大学へと離れ離れになるので「最後のデート」をして綺麗に別れる事にしたものの、女友達の横やり等で滅茶苦茶になってしまい、、、って「おいおい、勝手にやってろよ!」的な稚拙過ぎる「痴話喧嘩恋噺」です。こんな脚本じゃ、天下無敵の片瀬那奈サマが舐めてかかっても致し方無いでしょう。でも、本人が幻滅した程に酷いのか?と云えば、全くそんな事は無く「美少女H」を愛した面々(あたくしも含む)も「よくぞ、此処で片瀬那奈と云う逸材を抜擢したっ!異議無しっ!!」と絶賛したのです。

そう、片瀬那奈ちゃんは初期「美少女H」プロジェクトでは其の名前すら挙がっていませんでした。其れは当然で、彼女はモデル・デビューすらしていなかったのです。シリーズの終わりに現れた片瀬クンは正しく「今後、新たな逸材をオーディションし追加加入予定」と企画書に記された「隠し玉」でした。ニコニコ笑って歩く水着ショーでの16才の片瀬那奈ちゃんしか知らなかった僕たちの前に、17才の「片瀬那奈」は「片瀬那奈」を演じて躍動し話し出したのです。片瀬那奈のプロモーション映像としてなら、完璧な作品です。でも、此れはあくまでも女優「プレ・デビュー」作品と僕は捉えています。流石に此の作品を観て後の「大化け」を予測する事は出来ませんでした。僕が「おいおい、コノコって変じゃん!」と気付くのは、約半年後の「天国のKiss」を観た時だったのです。兎も角、此れは「片瀬那奈」の記念すべき「女優デビュー作品」です。多くの処女作が内包する「デビュー作」ならではの「初々しさ」や「可能性」を秘めています。那奈ヲタなら必見!のお宝映像です。てかさ「美少女H」をDVD化しないのは、何故?思惑通りに2009年の現在でも其の多くが第一線で活躍中じゃん。彼女達の貴重なデビュー作品が満載なんですよっ。お台場さん、箱で出してよ。

えっと、もうお気付きの片も多くおられるでしょうが、此の「エレナ第二部」で在る「怪優・片瀬那奈・進化論」は、時系列的に彼女が演じた役を徹底的に考察して行きます。音源の方では「片瀬那奈がきこえる」で絶好調連載中の試みを、女優でもやらかそうと云うわけです。「全曲解説」と同様に、既に別サイト「CHANGES:怪優・片瀬那奈がゆく」として数年前から試行していた企画ですが、そろそろ「本家:ゼンキロ」で完全版を公開する時期が来たと考えました。歌手篇と併行して、じっくりと考察して行きますので、お楽しみにネ☆


(小島藺子/姫川未亜)



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2009年10月03日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#034:渋谷タワーレコード LIVE

Shine/REVENGE〜未来(あす)への誓い〜(初回)(CCCD)(DVD付)


2003年6月22日 @ 渋谷タワーレコードB1

 セット・リスト

 01. Shine(グリーンのロングドレス)

 <album試聴(「A・I・O」「Deep Forest 」)とトーク>

 02. Change this World(銀のレザー、ダンサーは男性二名)
 03. TELEPATHY
 04. GALAXY


第一期歌手時代の片瀬那奈は2002年11月から2004年12月の僅か二年間(実質的には2002年11月から2004年7月までの一年半余りで、2004年12月25日に奇跡的に復帰し、以後、沈黙します)に40回を超える実演を披露していますが、此の全曲解説で在る「片瀬那奈がきこえる」では、実際に筆者が参加した実演のみを検証して行きます。

2003年6月22日は、僕にとって生涯忘れられない日です。僕は其の日、生まれて初めて「片瀬那奈」を生で観たのでした。「Shine / REVENGE〜未来への誓い〜」を渋谷タワレコで購入するとオプションで参加券が貰えた「イベント」を待つ事約一ヶ月、興奮しきった僕は一睡も出来ない「アンテツ」ならぬ「カンテツ」で、イベント開始よりもかなり早い時刻に現場に居ました。(流石に誰も居ないだろうと思っていたのだけど、先んじられた二人組を見掛けました。其の二人は、最前列ど真ん中に陣取った。僕は思った。あいつらは、「アンテツ」と「ぽち」以外には考えられない!と。其の後も、彼等は常に那奈ちゃんイベントで行動を共にしていました。そう、アノ最後の日も最前列の「那奈ちゃん目の前」に居たよね?アレってさ、一年半前の「アンテツの志」に対する「ぽちの恩返し」だったんでしょ?ええ噺やナァ。「那奈ヲタ友情物語」やん。だから、アノ日、僕は本当は最初に「ぽち」サンと会話したのです。偶然に前に並んだ「ぽち」サンから質問されたから応えたんだけど、僕は「やっぱり、此のひとだったんだ!」と確信しました。だってさ、何度も「君たち二人」を目撃してたんだもん。其の後で「アンテツ」あにいに声を掛けたのです。ま、此れは余談です。)

僕は整理番号が二桁だったので「最前列なんて無理」だと思っていたのですが、入場すると目の前の最前列右側二つが空席でした。其れで、後方から怒涛の勢いでゲットしようとした勇者に内側を譲り、僕は「最前列右端」に座ったのでした。「ええ〜っ!片瀬那奈ちゃんをこんなに近くで観れるの?」と俄に信じられない状況に混乱しながら待つと、唐突に目の前に「片瀬那奈」が降臨したのです。

もう聞き飽きた位に語った事実ですが、生まれて初めて至近距離に現れた「片瀬那奈」には「後光が射して」いました。想像以上に、綺麗だった。其れでいて、可愛らしかった。僕は其の余りの「神々しい姿」に完全に圧倒され、自然と涙が溢れ、思わず手を合わせて拝んでしまったのです。ところがだ、当の片瀬那奈は「Shine」の歌詞を間違えて、事前録音のコーラス・パートでの片瀬那奈と「違う歌詞でのハーモニー」を見事に披露してしまい、失笑するファンもいる前で、「てへへ」と笑って退場したのでした。僕は「ポカ〜ン!」ですよ。其の後、青木さんとのフランク過ぎるトークでアルバムからの楽曲が紹介された時も、目の前の片瀬那奈は「はばぐったい、はばぐったい」って「A・I・O」のコーラスに合わせて「ふん、ふん、ふん」ってな感じでノリまくってたりして「コノコって、やっぱ『きれいなおねえさん』じゃなくって『おもしろいおねえさん』なんじゃまいか?」と魅了されまくったわけです。

そして、初公開の銀色のレザーを纏っての三曲には圧倒されたかと云うと、そうでは無く、明らかに会場を埋め尽くした「アイドル・片瀬那奈・ファン」と「新生・歌手・片瀬那奈」との意思疎通がもどかしくすれ違う光景に、居たたまれなくなってしまったのでした。最後の「GALAXY」で、ようやく拳を突き上げレスポンスを返し始めた観客でしたが、正直、一体どんな反応をして好いのか分らない状況でした。僕たちは、初めて間近で歌い踊る片瀬那奈を観たのです。百戦錬磨の「アイドルDD軍団」も多く参加していたイベントでしたが、正に「ポカ〜ン!」状態になっていました。逆に「洋楽者」で在る僕は、一人で立ち上がって踊り狂いたい衝動を押さえていました。

其れは、後の「777」でも再現された「異様な光景」でした。例えば「西豪寺エレナ様」とか「美月うらら姫」が実演で登場したと考えて戴ければ、お分かりになられるでしょう。片瀬那奈は、常に「ファンを置き去りにする」人です。彼女を追うのは至難の技なのです。御本人も其れを認め「あたしのファンはチャレンジャー」と断じています。只、此の当時は其処までは計り知れなかった。「那奈ちゃんって、もしかしたら、変なコ?」としか思えませんでした。せいぜい「おてんば」だと舐めていたわけです。でも、現在なら分ります。那奈ちゃんは最初から「わんぱく」でした。「片瀬那奈は腕白」と本人が宣言した通りのコトノハを前提にした時、此の「片瀬那奈全記録」で綴って来た彼女の言動が偽りの無い「真実一路」だと、僕は改めて知るのです。片瀬那奈は「まっすぐ」です。常に「斜に構えて」しまう僕にとって、彼女の存在は正に「太陽」で「明星」として対峙しました。「見つけた!例え、虫けらでも好い。生涯、此の人に仕えたい!!」と思いました。いや、マジで。ちなみに、片瀬は全4曲を確かに生で歌っていましたよっ。「生歌じゃなきゃ、間違えたり出来ないっつーの!」(加藤絵里声で)

未だ明るい渋谷の街に出た僕は、異常に昂揚していました。音楽仲間の女友達に、次々に電話して「遂に、カタセに逢ったぞ!アノコは神だよっ!!」とか捲し立てる僕を、当然乍ら「那奈ちゃんと同世代のガール・フレンドたち」は軽く受け流しました。火照り捲った僕は、開演前の階段で「那奈ちゃんのサイン入りポスターと実演参加券が付く」と云われて予約したばかりの彼女のアルバムを、近くのHMVでも予約しました。いえ、未だ理性は在ったのですよ。HMVでは、別のイベント参加券が付いたのです。出逢ってから4年以上が経過し「一生、逢えないだろうナ」と思っていた「片瀬那奈」との初邂逅は、其の後「一週間に十日来い!」状況となり、僕は何かに取り憑かれた様に「片瀬那奈」へ傾倒してゆきました。まさか、僕が住んでいる街が「片瀬の街」だなんて、全く知らなかったのです。只只、僕は眩しかったんだ。大袈裟に云えば、此の時、僕は本当に「神」に逢ったと思いました。わけも無く涙が溢れて、拝んでしまったのですから。

多くのスターを目の当たりにして来たけれど「片瀬那奈」以上に衝撃を受けた人はいません。マドンナよりも、ポールよりも、ジョージよりも、猪木よりも、手塚先生よりも、他の誰よりも、ぼくはビックリした。ドキドキした。「逢いたかったよ、那奈ちゃん。」と、心の底から感動したよ。でも、那奈ちゃんは歌詞を間違ったのです。きっと、那奈ちゃんが完璧に歌ったなら、僕はあんなにもドキドキしなかったでしょう。「ゼンキロ」も無かったでしょう。

2003年6月22日、突然目前に現れた片瀬那奈は「Shine」を歌い、歌詞を間違えた。そして、僕は彼女に恋をしました。まさか、其れが「永遠に届かないかもしれない無償の愛」への入り口とも知らずに、僕は「虚構:片瀬那奈」との恋に落ちたのです。其れは「永遠に覚めない夢」の始まりでした。きっと、僕が此の「甘い夢」から覚めるのは、泡沫の日々から解放される時だと思います。初めて遭遇した「21才の片瀬那奈」は、想像を遥かに超える程に輝いていたのです。


(姫川未亜/小島藺子)



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2009年10月04日

「月刊・未亜 アゲン #099」2009年10月号
お待たせ致しました「未亜ルナ対談」です。

Lark's Tongues in Aspic


未亜:あのさ、姐御、、、

鳴海:イコ姐さんは今回「二大連載」と新たな企画等で御多忙なので、ウチが代役っす。姫川のオジキ、よろしゅうたのんます。

未亜:だからぁ、もう「鳴海ちゃんは姐御」だってバレてるわけで、普通に「未亜イコ対談」で好いじゃん。

鳴海:はぁ?ウチは「鳴海ルナ」っすよ。バツイチで子持ちっすけど、何か文句ありますか?

未亜:お、お、おまいはイコ姐御だろっ!

鳴海:ウチは、イコ姐さんじゃねーよっ。

未亜:でも、姐御だろ?「くりぼう」かとも思ったけど、話した感じは、姐御だよな?こいつは姐御だよ。

鳴海:流石、姫川さん!分ってますね。コノ新ネタにそこまで付いて来れるって事は、イコ姐さんが云った通り姫川さんも「プロレス者」なんっすね。いやぁ、ソレなら話は早いっすよ。どうですか?ウチと組んで「コピコン」を復興しましょう!もうね、片瀬サンなんてどーでもいいじゃないっすか。やっぱ、プロレスっすよ。熱く猪木を語りましょう!

未亜:えっとさ、姐御、アンタは何を企んでるんだよ?鳴海ちゃんと喧嘩ゴッコしたいならさ、ひとりで勝手にやっててよ。ボキは元々、那奈ちゃんだけで好いわけですよ。其れでさ、姐御が「那奈ちゃん大好き宣言」をぶちかましたから、もう其の路線でガンガンと原稿も書いてるわけじゃん。やっと此処が本来の「片瀬那奈ちゃんサイト」になったと、多くの同志も喜んでますよっ。もうね「全部が那奈ちゃんへの道だった」って姐御自身が云っちゃったじゃん。枝葉は好いから、ドドンガドン!ドン!と「那奈ちゃん全曲解説」や「那奈ちゃん全女優歴解説」とか、あと未だ極秘のアレとかを発表しましょうよ。「コンプリ那奈ちゃん」の発表日は「2009年11月7日」って予告したじゃん。「FAB4」とかで道草喰ったから、もう間に合わないでしょ?いつまで延ばすのよさ?時間は無いぞ、どどんがどん!!

鳴海:ウチは姫川サンが何をいってんのか、ほとんどわかりませんよ。バカっすから。でもね、イコ姐さんが片瀬サンにゾッコン?あはははは、アンナの「一時の気の迷い」っすよ。イコ姐さんがアンナ「巨人」を好きになるわけないっすよ。片瀬サンって、2メーターは軽く超える「大巨人」じゃないっすか。「ガリバー片瀬」ってリングネームでいいんじゃないっすか?姐さんはね、昔から150センチ台の小さくて可愛い女の子が好みだったんっすからね。コノ10余年、イコ姐さんがずっと愛し続けて来たのは、内山理名サンっすよっ!姐さんと一蓮托生の姫川サンも本当は片瀬サンじゃなくって、内山サンが好きなんじゃないんですか?

未亜:くぅ〜、、、

鳴海:あらら、ホントなんですね。イコ姐さんから「未亜たんにグウの音も出させない方法は『内山理名』って云えば好いのよさ」って聞いて来たんっすよ。マジなんだ。姫川さんって、ホントは「内山理名さんファン」なんですね?いやぁ、ビックリですよ。みなさん、姫川未亜サンって、片瀬サンじゃなくって内山サンが好きなんですよぉーっ!こりゃマイッタね。なんで片瀬サンのサイトとかやってんの?大笑いっすよ。そっか、理名ちゃんの気を引くために親友の片瀬サンを利用して来たわけだ。すっごい、遠回りじゃないっすか。すっげぇ、マジ、ヤバイっすよ。もうハッキリと「ボキは、ホントは、那奈ちゃんよりも理名ちゃんが好きなんだぁーっ!」ってカミングアウトしちゃえばぁ?

未亜:あのさ、姐御、、、

鳴海:だから、ウチはイコじゃねーよ。ケケケ

未亜:ボキはね「那奈理名ヲタ」なんだよっ!悪いか?理名ちゃんを今でも好きで居てイケナイのかよっ。那奈ちゃんと理名ちゃんはセットなんだよっ!「まるで恋人同士である」なんだよっ!!ぜいはあ、、、

鳴海:なんすか?ソレ。わけわかんないっすよ。あっ。タッグって事っすか?片瀬サンと内山サンはタッグチームなんすか?だったら対戦相手は誰なんすか?

未亜:はぁ?そりゃ、最強タッグ「那奈理名」に対抗出来るって云えば、瀬戸朝香ちゃんと「あまみん」の「リコベン2コムビ」位じゃないかナァ。理名ちゃんは小兵ながら気の強さでは負けて無いからね、那奈ちゃんが後方に回るって図式になるよね。瀬戸サンとあまみんは、もう「猪木・坂口」ラベルの黄金タッグだよね。此の対戦が実現したら、話題騒然だよ。

鳴海:やっぱ、セコンドにはミクロちゃんとか後輩が陣取るってのがいいっすよね。

未亜:うん、那奈理名タッグのセコンドには、ミクロちゃんが居るよね。メイサも、いや、甘力全員が居るわけよ。当然、インセントや研音の綺麗どころも総動員さ。でも、瀬戸あまみん組のセコンドも凄い事になるよね。フォスター軍団に宝塚OGですよっ。しかも、甘力や研音のコ達も「どっちに付けば好いの?」って悩んじゃってますからねっ。志田ちゃんなんか「もう分んないから、成海サンについてくのが賢明だよね。でも、榮倉先輩はどっちに付くんだろ?天海サンは恩人だけど、片瀬サンも尊敬してるし、もう分んないよぉっ!」とか優柔不断な態度で路頭に迷っちゃうよね。

鳴海:いやぁ、コーフンしますねぇ、姫川サン!すげぇや、ホントに姫川サンって「プロレス者」だったんすね?ウチ、感激っす。

未亜:あのさ、噺を合わしてるだけじゃん。もう、こん位で好いですかぁ?姐御。

鳴海:ケケケ、ウチはイコじゃねーよ。でもな、おまいみたいなの、嫌いじゃないぞ。なんなら「貳代目イコ」を襲名させてもいい位だよ。

未亜:だからぁ、とっくに襲名してんじゃん。貳代目イコちゃんだから、未亜なわけじゃん。

鳴海:ウチには姫川サンが何をいってるのか、さっぱりわかんないっすよ。

未亜:ボキこそ、姐御が何を企んでるのか全く分んないよ。

鳴海:ウチは、イコじゃねーよ。

未亜:はい、はい。ツマンネ、撤収よっ!!鳴海っ。

鳴海:はぁ?その口調は、、、

未亜:何やってんのよさ、鳴海!撤収よ、撤収。

鳴海:貴方様は、もしかして、イコ姐さん?ええっ?姫川サンって、イコ姐さんだったんすか?

未亜:ボキは、イコ姐御じゃねーよっ。でもな、鳴海ちゃんみたいなコは嫌いじゃないんだよ。なんなら「貳代目未亜」を襲名させてもいい位だよ。

鳴海:姫川さん、、、デジャヴしてるっすよ。


(姫川未亜/鳴海ルナ)



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「水曜劇場 浅見光彦〜最終章〜」予告篇

浅見光彦 ~最終章~  (沢村一樹 主演) [DVD]


TBS 14:00〜15:54(「浅見光彦シリーズ 26」再放送にて)


二種類がオンエアされた「浅見光彦〜最終章〜」予告篇ですが、第壱話にゲスト出演する片瀬那奈ちゃんも片方のヴァージョンに登場して居ます。

おそらく明日(10/5)に放映される「浅見光彦シリーズ 28」でも此の予告篇は流れると推測されますので、見逃した片は「要チェック」ですね。


(姫川未亜)



「水曜劇場 浅見光彦〜最終章〜」TBS公式サイト


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2009年10月05日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#035:「Shine」PV Special Long Size Ver

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付)


 Lyrics:NANA KATASE、Satomi & rom△ntic high
 Music:Ryouki Matsumoto
 Arrangement:Manao Dai
 Strings Arrangement:Yasuaki Maejima

 品番:AVCD-17291/B

 発売日:2003年6月25日

 TBS系ドラマ「こちら本池上署」主題歌


片瀬那奈の唯一のフルアルバム「TELEPATHY」初回限定盤に付いたDVDに収録された「Shine」のPVは、其れまでの「中途半端なダイジェスト版」とは違い「Special Long Size Ver」と題された通りに、完全版どころか前後にイントロとアウトロ部分をも含めた「那奈分」にも及ぶ長尺な映像作品です。

ゆえに、音源的にも「前後にSEが加えられた別ヴァージョン」としても楽しめます。後の映像版「Reloaded」にも此の「ロング・ヴァージョン」が収録されます。此のPVでは、事務所の後輩だったミサンタこと「上原美佐」ちゃんが主役を張っていて、片瀬のPVでも異色の「ミニ・ドラマ」とも云える構成になっています。片瀬のPV作品に関しては、後に映像版「Reloaded」の項で詳述します。

さて、此のDVDには、引き続き「片瀬那奈本人によるアルバム『TELEPATHY』全曲解説」が収録されています。其れは、次回より此の連載の「核」として満を持して始まるアルバム「TELEPATHY」全曲解説にとって、最重要で大きな資料となる「発言集」です。

ソファーにふんぞり返って語り倒す「21才の姫」の姿は、愉快痛快爆笑必須です。続いて、片瀬にとって初の「フルサイズ実演」となった「広島フラワーフェスティバル」の映像と本人の解説、更には「Shine」PVに関する「自画自賛爆裂!」な解説、そしてPVで主役となった後輩ミサンタとのガチンコ対談へと繋がる構成は、多くの「初回限定付属DVD」の中でも最高傑作と云えるでしょう。個人的には、鼻水を垂らし乍らも健気にインタビューに応える次作シングル「Necessary / EVERY***」付属DVDも捨て難いです。

「落ち」でも散々「スペシャル特典DVDだから、みんなにしか見せない姿を晒してんですよ、、、てへへへ☆」なんぞとハシャギまくった事実を言い訳しだしたかと思ったら、思いっきり投げやりな態度で「またね〜☆」と不機嫌そうにヌカして終ってしまいます。

「那奈ちゃん、ぶっ飛ばしてるナァ」と、私生活での「ヤンチャな腕白番長」振りが大いに想像出来る、素晴らしい映像作品だと思います。ま、片瀬クンの付属DVDでの「スペシャル・インタビュー」って押し並べて「上から目線の偉そうな態度」なんですけどね。どこまで本気なのかは計り知れませんけど「タメ口で高飛車なスーパースター」みたいな態度で「何か、文句あっか?」と我を通し捲る「気の強さ777%」な「片瀬姫」が居ます。那奈ヲタって莫迦どもは、あたくしも含めてですけど、そんな「後に出現する西豪寺エレナ様風なインタビュー映像」を観て、益々「那奈ちゃんしかいないよっ!」とか盛り上がってしまう愚かな連中なのです。此の「片瀬那奈」にして、其のファン在りと解説するしかないでしょう。ま、片瀬の魔性にハマった輩は「彼女の奴隷」同然なんですよ。がっはっはっはっは☆


(小島藺子/姫川未亜)



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「水曜劇場 浅見光彦〜最終章〜」予告篇2

浅見光彦 ~最終章~  (沢村一樹 主演) [DVD]


TBS 20:00〜22:54(「浅見光彦シリーズ 28」にて)


前日は二種類(各15秒)でオンエアされた「浅見光彦〜最終章〜」予告篇が、再編集された長尺版(30秒)で流れました。当然、第壱話ゲストの片瀬那奈ちゃんも登場していました。

ま、那奈ちゃんの登場場面映像に関しては大きな差異は在りませんし、当然乍ら本編でも使われるカットだと思われますので、コアなファン以外は見逃しても悔やむ程では無いと思います。

僕がもしも録画し損なったなら、当然、悔やみますけどね。


(姫川未亜)



「水曜劇場 浅見光彦〜最終章〜」TBS公式サイト


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2009年10月06日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#036:アルバム「TELEPATHY」プロモ・カセット

TELEPATHY (CCCD)


 Track List

 SIDE A
 01. Change this World
 02. TELEPATHY
 03. GALAXY
 04. Deep Forest
 05. Shine
 06. Babe
 07. Communication

 SIDE B
 01. A・I・O
 02. The Wings
 03. Teardrops
 04. REVENGE〜未来への誓い〜
 05. FANTASY < Album Mix >
 06. Shine < MAD FAT PAD MIX >

 品番:なし

 発表日:2003年春頃


片瀬那奈のアルバム「TELEPATHY」が一体どんな手順で公にされたかは、いちファンでしか無い筆者には不明です。此のアルバムの音源や其れに収録される楽曲の実演を当時初めて聴いたのは、「渋谷タワレコでのイベント(2003年6月22日)」でした。そして、其の翌日(2003年6月23日)に「渋谷に明日も、また出現しちゃうかもよ!」と予告した那奈ちゃんはゲリラ実演を敢行します。残念乍ら仕事で行けなかったんですけどね。そして、正式な発売日の前日(2003年6月24日)にアルバムが店頭に並び、既に「渋谷タワレコ」と「渋谷HMV」で予約していたのに地元で「初回限定盤DVD付き」を嬉々として残業帰りに購入したのでした。ピクチャー・レーベル三種封入り商品だったのですから、最低でも三枚買うのはお約束でした。

ハッキリ云いますけど、那奈ヲタは其の商法を大いに楽しんでいました。何せ、アルバム「TELEPATHY」に連動したイベントが沢山在ったのです。アルバムを購入すれば、オプションで其のイベントに参加出来るのですよ。言わば「実演のテケツ代は無料!」なわけよ。其れで、那奈ちゃんは多種多様な商品を出してくれたわけで、那奈ヲタにとっては「願ったり叶ったり」状態だったのです。そんな呑気な相互関係も在り、音源は全く同一なのですが、市販盤だけでも五種類のアルバム「TELEPATHY」が店頭に並びました。然し乍ら、矢張り、当然の事ですが、アルバム「TELEPATHY」にも公式発売以前に流出した音源は在ります。其れがどんな順番で出回ったのかはしつこく云いますけど定かでは在りませんが、手元にはアルバム「TELEPATHY」のプロモ・カセット版とCCCDプロモ盤が確かに存在しています。

片瀬那奈の最高傑作で在るアルバム「TELEPATHY」を含めた音楽作品は、ベスト盤と云えるシングル集「Reloaded」を除く「実質上は現役時代全作品」が、2009年の現在でも残念ながらCCCDでしか販売されていません。其処で、プロモ・カセット版の価値が高まる結果となりました。先日20余年振りにリマスター化された「THE BEATLES」作品も「やはり、アナログだ!」との頑固オヤジの嗜好も在り、されど「アナログではスクラッチ・ノイズが避けられない」との理由から「テープ」への注目度が増しているとも聞きます。「THE BEATLES」作品の様にしっかりとしたリマスターCD化が成された音源ですら「CDじゃナァ」と云われてしまうのですから、片瀬の様に其の多くが悪しきCCCD音源でしか発売されなかった不運なアーティストの眞の姿を聴くには、現存する音源では「プロモ・カセット版」しか無いと断言するしか無いでしょう。

カセット版のアルバム「TELEPATHY」は当然乍ら「AB面」に別れています。其のアナログ感覚での構成では、果たして何処で裏面へと移行するのでしょうか?其れは「Communication」と「A・I・O」の間です。カセットと云うメディア上、丁度真ん中でひっくり返す展開になっているわけです。でも、本当にそうなのでしょうか?例えばの話、もしあたくしがアルバム「TELEPATHY」をアナログ盤でカット出来たなら、最後の二曲は外した11曲をLPにして、残りの「FANTASY」と「Shine」のアルバム用リミックスは付録12インチ・シングル両面に収めます。そしてLPのA面ラストは「Shine」で、B面最初が「Babe」にするでしょう。此の音源は、そんな夢想へと誘ったのです。「片瀬音源最後の砦」は、テープです。


(小島藺子)



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2009年10月07日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#037:アルバム「TELEPATHY」プロモ CCCD

「N」片瀬那奈写真集


 Track List

 01. Change this World
 02. TELEPATHY
 03. GALAXY
 04. Deep Forest
 05. Shine
 06. Babe
 07. Communication
 08. A・I・O
 09. The Wings
 10. Teardrops
 11. REVENGE〜未来への誓い〜
 12. FANTASY < Album Mix >
 13. Shine < MAD FAT PAD MIX >

 品番:AVCS-10930

 発表日:2003年5月?


avex のプロモで御馴染みの「黒い紙スリーブ」入りで流出した片瀬那奈のアルバム「TELEPATHY」プロモーション盤は、公式音源と同じく「CCCD音源」で、内容も「ほぼ公式と同一」です。片瀬の写真等も無く、ピンクのレーベルにタイトルや曲名等が羅列されただけの「ビジュアル重視の片瀬ファン」にとっても魅力に乏しいのが「プロモCCCD」です。毎回レーベルの色が違ったり同じ商品でも何種ものヴァージョンで出回ったりしたのですが、流石にそんなモンまで集めたいと思い実行する酔狂な輩は、なかなか居ません。あたくしが知る限りでは「流星☆ブラッドベリーズ」の「未亜&牧野」だけが嬉々として蒐集し自慢し合っている「せま〜い世界」での趣味だと思います。

然し乍ら、品番も明らかに違う音源です。やはり、其処には「差異が確実に在る」のです。其の些細な違いを発見した時を、僕たちは「快楽」と呼ぶのです。現在「女優篇」の執筆の為にドラマも再検証しておりますが、「西豪寺エレナ様」が大活躍した「鉄板少女アカネ!!」の第壱話を例に取っても「本放送、直後に放映された再放送、三話前に流されたダイジェスト、終盤に流された総集編、市販盤DVD」では、明らかな違いが在ります。「小早川妙子」が、市販DVDでは初回冒頭の見せ場を「全て無かった事」にされた様に、歴史とは常に改竄されてゆくのです。確かに、此処で記録している「片瀬那奈史」が全て本当では無いでしょう。此処の記述には、あたくしの主観が含まれます。いや、此処であたくしは常に「あたくしが観て感じた片瀬那奈」しか書けないのです。其れは、公式で女子マネちゃんが書く「マネ日記」とおんなじで、本当の片瀬那奈は「マネ日記」にも「ゼンキロ」にも居ません。「NANA DIARY」と云う名で送られて来る「片瀬那奈本人の日記」にすら、真実は無いのです。

何故なら、片瀬那奈と云う存在自体が「虚構」だからです。僕たちは、最初から「幻」を愛した。だから、何時だって裏切られて好いと思っていた。なのに、片瀬那奈と名乗る「虚構」は、僕たちを魅了し続けるのです。其れは、一体何故なのか?其の答えのひとつとして、アルバム「TELEPATHY」は在ります。片瀬那奈が其れまでの五年近いキャリアを白紙に戻してまで臨んだ「TELEPATHY SESSIONS」の集大成として、アルバム「TELEPATHY」は出現しました。其れは、トータル・アルバムとしてなら「PET SOUNDS」に匹敵する傑作でした。其の内包するテーマは「ジョンの魂」と同等だと思います。片瀬那奈の21年の全てを込めた「永遠のマスターピース」です。さあ、次回から其の詳細を語りましょう。お手元のアルバム「TELEPATHY」をヘビロし乍ら、刮目して待ってて頂戴!!


(小島藺子/姫川未亜)



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2009年10月08日

「怪優・片瀬那奈・進化論」
act 002「山口梨香」

GTO スペシャル [DVD] first time―片瀬那奈写真集


 出演作:『GTOドラマスペシャル』(関西テレビ系)
 放映日:1999年6月29日(21:00〜22:48)
 (視聴率「27.4%」)

 映像作品:ヴィデオ「GTOドラマスペシャル」
      (ポニーキャニオン PCVE-30962)1999年9月17日発売
      DVD「GTOドラマスペシャル」
      (ポニーキャニオン PCBE-50349)2002年9月4日発売


事実上の「女優・片瀬那奈」デビュー作品が『GTOドラマスペシャル』です。前述の通り、彼女のデビュー作品とされる「最後のデート」で片瀬クンが演じた役柄は「片瀬那奈」でした。新人女優の登竜門として存在した深夜番組の「美少女H2」が果たして純然たる「ドラマ作品」なのか?との疑問も在る上に、役名まで芸名とおんなじでは「女優デビュー?いやいや、此れはプロモーション映像でしょ」と、少なくともあたくしは思いました。本人は大真面目だった様だけど、ファンは「那奈ちゃんが動いてしゃべっている」だけで充分に満足だったし、其の後に彼女が「怪優」へと進む未来など夢想すらしていなかったのです。僕たちは「ヤンサン」のグラビア・アイドルとして、彼女を捉えていました。

されど、当の「17才の片瀬那奈」は自信満々で視聴した「最後のデート」を観て、おそらく其れまでの人生で初めての大いなる挫折感と屈辱感を味わったのです。「こんなはずじゃなかったっ!」と、無様に本人には映った演技を観て悔し涙を流したのでした。其れでも業界での「片瀬那奈」に対する評価は全く逆で、すぐさま大人気ドラマのスペシャル版へ準主役としての起用が決まりました。「17才の片瀬那奈」は「二度とあんな失敗は繰り返さないぞっ!」と誓い、実行します。

其処に居たのは「山口梨香」でした。主人公「GTO・鬼塚先生(反町隆史サン)」が新たに赴任した女子高の「裏番」とも云える「山口梨香」は、前任の担任教諭で在る「武田先生(細川・ヒビキ・茂樹サン)」と「教師と生徒」と云う禁断の恋愛関係(当時のドラマでは、よく扱われた題材ですけどね、、、)に在ったものの捨てられ、両親が離婚問題で揉めてもおり、ドンドンと尖ってゆきます。ツルんで居た三人娘グループの他の二人をも罠にはめ、完全に孤立してゆく梨香を「GTO」がお得意のハチャメチャなオレ様流な方法で立ち直らせる、と云う「マンガじゃん!」なストーリーなのですけど、原作が漫画なんだから仕方無いですね。余談ですけど、片瀬那奈ちゃんが出演したドラマや映画の約半数は「漫画が原作」です。「那奈ちゃん、また漫画かよ?」って決めフレーズも、かつてはお約束だったのですが「カタセカイ住人」でも在る「松山ケンイチ」くんの台頭で「マンガ役者 No 1」の座を奪われてしまいました。「マツケン、ぜんぶマンガだよ、マツケン」。

兎も角、スペシャル版でのヒロインは「山口梨香」です。果たして「ポッと出の新人」だった片瀬那奈ちゃんは、其の難役を懸命に演じ切りました。主演の反町サンと対峙しても見劣りしない抜群のプロポーションと身の丈(三人娘での場面では、既に異常に「デカイ!」です)。陰の在る役柄ゆえに際立つ強い目力と、改心した時に魅せる会心の笑顔!と「片瀬那奈ちゃん」の若々しい魅力が溢れた作品です。確かに、此処での片瀬クンは新人に共通する「絶叫型」の一本気な演技とも云えます。未だ「演技とは何か?」と云う地点には遥かに遠い場所で、もがいています。でも、其の「熱き心」は観ていた僕たちに確実に届きました。其れは、きっと「片瀬那奈」が本気になったからだったのでしょう。「あっ。那奈ちゃんは女優さんになる気なんだ」と認識しました。そして、其れはきっと成功するとも思った。「片瀬那奈が逸材で在る事実」だけは、きっと万人に届いたでしょう。深夜の「ヲタ向け番組」だった「美少女H2」とは違い、此の作品は堂々とゴールデン・タイムで流れたのですからね。おそらく、此の作品で片瀬那奈を知った方々も多くいると思われます。

後に顧みれば「きれいなおねえさん共演(貳代目&三代目)」でも在ったし、後の「カタセカイ住人」も多く出演している正にスペシャルなドラマです。高視聴率をマークし続けた連続ドラマを受けての特別版に続き、映画化もされた大ヒット作で、当然乍ら「連続ドラマ第2シーズン」に繋がるとも云われておりました。何故、其れが頓挫してしまったのか?なんて裏事情は、あたくし如き一般人には分りませんよ。其れこそ、当時「反町サンのマネジャー軍団」に在籍しておられた「現・チーム片瀬・チーフ」にでも訊いて頂戴☆

ナンダカンダと後付けするよりも、当時の正直な感想を記して置きましょう。僕は、「演技は其の内上手くなるんだよ。那奈ちゃんは『最後のデート』でも『GTOドラマスペシャル』でも、蕩ける位に可愛いじゃないか。こんなに可愛いコを観てるだけで、充分に幸せじゃん!」と、「17才のアイドル・片瀬那奈」を単純に好きになって行っただけだったんです。ホント、可愛いよナァ、、、(うっとり)

いえ、アノ、今でも、もっともっと、那奈ちゃんは可愛いですよっ!


(小島藺子/姫川未亜)



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「NANA DIARY」モバイル版 #073

Discipline: 30th Anniversary Edition


サブタイトル:「こんにちは」

「待ってて下さい 篇」



「御意。」


(小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 23:07| 7D | 更新情報をチェックする

2009年10月09日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#038:「Change this World」

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付) TELEPATHY (CCCD)


 Lyrics:rom△ntic high
 Music:Kazuhiro Hara
 Arrangement:Manao Dai

 Mix:Dave Ford

 Programming:Manao Dai
 Chorus:Junko Hirotani , Kumi Sasaki , Bang!

 品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」01)

 発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)


アルバム「TELEPATHY」の冒頭を飾り、片瀬那奈の実演でもオープニング・ナンバーの定番として披露された楽曲です。初回盤付属DVDに収録された片瀬那奈本人による解説に依れば、此の楽曲は録音順では「TELEPATHY SESSIONS」の最終段階で創られたとの事です。作家陣のデータを見ても、確かにアルバム発売前に先行した三枚のシングルに関わった方々が総動員されていますので、此のセッションの集大成とも云える濃密な「片瀬那奈の音楽」をアルバムの最初で大いに示す役割を果たしています。

作曲は「Babe」の原一博サンですが、作風としては「Babe」の様に明確にお手本とした洋楽曲(「Babe」の場合は「Love At First Sight」)をカヴァーに近い状態で「ヒッパレ」するのでは無く、次作シングル曲で片瀬の楽曲でも最も人気が高い「Necessary」を予感させる「異なったリズムやメロディーを持つ二曲を合体させた」様な「一人:レノン・マッカートニー」的な合作感覚の不可思議な魅力を持つ楽曲になっています。おそらく、原サン本来の作風は此の楽曲の様な「自由奔放」な曲なんだと思います。其れは「和製カイリー路線だから」との縛りを受けて書いた「Babe」のサビでの開放感(歌詞も「だから、1,2,3!」と「いきなりだナァ」になる部分)にも「ベーシック反復リズム」から逸脱しようとした抵抗が見えます。だからこそ原サンは「Babe」を「自分が書いた最高傑作!」と自画自賛したのでしょう。確かに「Babe」と「Love At First Sight」は、似て非なる楽曲なのです。

原サンが片瀬に提供した楽曲に共通する「ラップに近い様な単調なAメロ」から「メロディアスなBメロ」へと突然に変換する「万華鏡の様な複雑怪奇な展開」を魅せる楽曲の中で、最も革新的と云うか無茶苦茶な事をやらかしたのが此の「Change this World」でしょう。此れは、最初の「重厚なコーラス部分」と、次の「片瀬の語りに近い単調なAメロ」、そして「唐突に盛り上がるサビ」、と「まるで違う三曲を繋ぎ合わせた」かの様な摩訶不思議な展開を魅せる楽曲なのです。そうです、其の通りです。THE BEATLES や THE BEACH BOYS 等を愛するあたくしには「堪らない楽曲展開」なんですよ。

そして、Dave Ford がアルバム13曲中8曲をミックスしていますが、其れは「1〜3、6〜9、12」です。前述の通り、あたくしは此の作品を「全11曲+ボーナス・トラック2曲」と考えています。前半3曲と中盤から終盤近くまでの4曲を統一したミックスで聴かせる自然な流れが、此の作品の統一性を大きく支えています。

此の楽曲から始まるアルバム「TELEPATHY」は、トータル・アルバムです。明確なテーマが在り、統一された質感で、しかも多様な音楽が奏でられてゆきます。其の冒頭に配するには「Change this World」は絶妙でした。曲構成も目紛しく変わり、壱曲で此れから始まる世界を紹介してもいます。タイトルに偽り無く「あたしは此の世界を変える」と、片瀬那奈は高らかに宣言したのです。「無理矢理でも強引でも構わない。セオリーなんか抜きで、自由自在に歌えっ!」と、思わずあたくしは昂揚しました。「明らかに、女優の余技では無い!」と確信しました。

ハッキリ云いましょう。あたくしは、当初、片瀬那奈の音楽活動をナメていました。「単なるファン・サービス」と思っていたのです。其れがダンダンダン!と気持ちが変わり、遂にアルバム「TELEPATHY」に到った時には「那奈ちゃん、正直すまんかった!」と懺悔したのでした。片瀬那奈は「本気」だったのです。そう、いつもいつだって、彼女は「真剣」でした。僕たちは何度も油断して斬られたのです。でも、其の度に「峰打ちだよ☆」と彼女は云った。でもね、那奈ちゃん、僕たちも気付いたのよさ。「だったら、ファンも、真剣勝負しなきゃならんでしょ?」ってね。


(小島藺子)



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2009年10月10日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#039:「TELEPATHY」album version

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付) TELEPATHY (CCCD)


 Lyrics:NANA KATASE
 Music:Patric Johansson & Linus Norden
 Arrangement:Yasuo Kimoto

 Mix:Dave Ford

 Programming:Yasuo Kimoto
 Chorus:Junko Hirotani

 品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」02)

 発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)


二曲目は、タイトル・トラックとなった「TELEPATHY」です。音源的にはシングルと同一だと思われますが、シングルは「4'00''」でアルバムは「3'57''」と表示されます。此の「3'57''」は、実はラフミックスだったプロモ盤の「TELEPATHY」と同じタイムなのです。つまり、アルバムでの「TELEPATHY」は公式シングル盤と同一テイクで在りながら、時間は「三秒も短い」ラフミックスと同じに戻っているのでした。(ちなみに「Reloaded」でのタイムは「3'59''」です。)

シングルでは「GALAXY」〜「TELEPATHY」の流れだったのに、アルバムでは逆になっています。四曲目には「TELEPATHY」の続編的な詩作曲「Deep Forest」が繋がりますので、敢えて間に「GALAXY」を持って来る事には意味が在るのでしょう。

タイトル曲だからイントロダクションとしての「Change this World」の次にメイン・テーマとして「TELEPATHY」を提示するのは自然な流れです。片瀬自身の解説でも「まずテーマとして、TELEPATHY が在った」と明言されましたし、詩を発想したのが「広島へ内山理名と旅した時」で、「Deep Forest」も同じ経験から生まれた事も語られています。其の間に「GALAXY」をわざわざシングルとは逆順で挟み込んだ事で、世界観が大きく広がりました。

例えば、Dave Ford による冒頭三曲の統一感が在るミックスでの流れだけを意識して並べるなら「Change this World」〜「GALAXY」〜「TELEPATHY」で好かったわけです。シングルで聴き慣れた「GALAXY」〜「TELEPATHY」から「TELEPATHY」の続編「Deep Forest」でも全く問題は在りませんし、寧ろ自然だったでしょう。片瀬は敢えて「緩急」を付ける為に曲順を逆転し、更に同一テーマ曲を繋げずに間に別世界「GALAXY」を挿入する事で「全ては、同じテーマ」と示したのです。此の流れは見事です。「Deep Forest」の次には「Shine」が繋がり(何度も云いますが、此処までが「A面」です)、「Babe」へと向かいます。アルバムの半分までで先行シングルで発売された「タイトル・チューン全4曲」を惜しげも無く収録してしまったのです。前半だけなら「ベスト盤」とすら思える様な選曲なのですが、其れが「アルバムならではの展開」になっているのが素晴らしいのですよ。

其れは「TELEPATHY SESSIONS」に於ける楽曲が明確にひとつのテーマで制作され、しかも個々の楽曲も独立したヒット曲にも成り得た事実を示しています。アルバム「TELEPATHY」は傑作に成る可くして成ったのです。何故なら、片瀬は最初から此の流れを構想し制作しており、其のセッションで創られた楽曲を先行シングルとして個々に公表しヒットさせ、満を持して其れらを含む全貌を明らかにしたからです。

つまり「最初にアルバム在りき」で、其の中から怒涛の連続リリースで先行シングルとして数曲を発表したのです。当初からアルバム「TELEPATHY」が構想されていたのですから、本来なら第壱弾シングルと同時にアルバムを発表してから第二弾、第三弾のシングル・カットとなるでしょう。まして片瀬は歌手としては新人だったのですから「シングル三連続リリース」から「アルバム」へとの流れは、期待度が大き過ぎます。其れだけ「TELEPATHY SESSIONS」は実りが多く、スタッフも自信を持っていたのでしょう。其の大きな期待に、片瀬は応えました。

繰り返しますが、片瀬那奈は最初から「TELEPATHY」をメイン・テーマと発想し、其の後へ繋いで行ったのです。「トータル・アルバムを制作する」と考えて音楽活動を始めたのですよ。そんな新人歌手って、なかなか居ないよ。あたくしが知る限りで、いきなりそんな事をやらかしたのは、例えばジョン・レノン「ジョンの魂」とか、ジョージ・ハリスン「ALL THINGS MUST PASS」とか、ブライアン・ウイルソン「PET SOUNDS(名儀はビーチ・ボーイズだけど、アレはソロです)」とかで、つまり彼等はバンドを離れて「個人のトータル・アルバム」へと向かったのです。片瀬の場合は「第一期女優時代」がバンドだったのかもしれません。

「TELEPATHY」は、アルバムで聴くと印象が大きく変わります。其れは他のシングル曲にも云える事です。其れは、物凄い事なんですよ。「シングル曲がアルバムの流れにキチンと乗る」なんて、数多在る音楽家の何人も目指す「理想型」なんです。其れを、片瀬は歌手転向第壱弾で「うっかり成し遂げてしまった」のでした。片瀬那奈が音楽を始めた意味は、其の事実だけで、大いに在り過ぎます。


(小島藺子)



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2009年10月11日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#040:「GALAXY」album version

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付) TELEPATHY (CCCD)


 Lyrics:kenko-p
 Music:Marcus Granberg & Patric Sarin
 Arrangement:Ta

 Mix:Dave Ford

 Programming:Ta
 Chorus:Junko Hirotani
 Special Arrangement:Shin-ya Sumida

 品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」03)

 発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)

 テレビ朝日系ドラマ「逮捕しちゃうぞ - YOU'RE UNDER ARREST -」オープニングテーマ。


前述の通りに、シングルとは逆順で三曲目に「GALAXY」が登場します。然し乍ら、アナログ盤「TELEPATHY ep.」での事実上のA面は「TELEPATHY」でした。片瀬本人は「TELEPATHY」を眞のデビュー曲と認識していたのかもしれません。作詞を自ら担当した「TELEPATHY」や「FANTASY」とは違い、「GALAXY」は完全なる「与えられた楽曲」でした。しかも、カヴァー曲だったのです。

片瀬自身の解説を聞くと「もしかしたら、片瀬は此の楽曲がカヴァーだと知らずに歌ったのではないか?」と思えます。此れは「曲が来て、其れに詩がついて〜」と語られる「DVD全曲解説」からの推論です。「だんだんだん!って、もうギャラクシーじゃなくって、だんだんだん!だよね、がっはっはっは」などと無邪気に笑っていますが、其れは「北京語」と「英語」の異名同曲の存在を知らないからこそ云える「あっけらかんとした発言」に受け取れます。たぶん、片瀬は少なくとも歌入れする前に「北京語」版も「英語」版も聴いていなかったと思います。三カ国語で存在する競作作品で「GALAXY」のみが異彩を放っているからです。片瀬盤だけが、他のヴァージョンから「全く影響を受けていない」のです。発言からも察せられる様に、片瀬は此の楽曲を「インストロメンタル状態」で聴かされ、其れに「GALAXY」の詩が付いたと思わされたのでしょう。つまり、片瀬は此の楽曲を「カヴァー曲」とは認識せずに歌ったのだと思えるのです。

「GALAXY」の音源が世に出た時期から考えて、物理的に片瀬が録音前に「北京語」と「英語」を聴く事は「関係者が其れらの発売前のプロモ音源(そんなものが存在したかすら不確かだが)を入手して聴かせない限り有り得ない」のです。北京語盤が発売された時よりも早く「GALAXY」は「TV予告」や有線で流されていましたし、英語盤に至っては「片瀬盤の公式発売よりも後に発売された」のですからね。「北京語盤」と「英語盤」は、其の編曲が酷似している事や、何よりも「北京語盤」のクレジットに「英語盤」がオリジナルで在る事が明記されてある事から「相互関係が明確に在る」と云えるでしょう。対して「GALAXY」に関しては、少なくとも片瀬サイドからは他の二曲との関連を明言された事は一切在りません。

其の謎は未だ解明出来ませんが、片瀬が「GALAXY」をオリジナル楽曲に昇華した事実だけは遺りました。あたくしがアルバムの「A面」と認識する5曲目までは曲間もほとんど無く連なっています。「GALAXY」は片瀬のキラー・チューンで実演でも大いに盛り上がる楽曲のひとつだったのですが、此のアルバムではすんなりと流れに乗って聴こえます。其れは「TELEPATHY」と「GALAXY」が基本的には同じコード進行で展開される表裏一体の「姉妹曲」で在るからでも在り、「GALAXY」のエンディングが、続く「Deep Forest」のイントロにリンクするからでも在ります。「TELEPATHY」も「GALAXY」も「エンディングで終止和音を拒否する」のです。「TELEPATHY」は片瀬の「All My Love Is For You」と云う「必殺の壱行」がエコーで放り出され、「GALAXY」は決めフレーズでは終らずシンセの中途半端なアウトロで途切れます。単一楽曲として聴いた時に「何故?しっかりとしたエンディングにしないの?」と思えた其れが、アルバムでは「次曲へ繋ぐ為の仕掛け」だったと明かされるのです。此の事実からも「まずアルバム在りき」で此れらの楽曲が制作されたと考えられます。

ちなみに、御馴染みのタイム差ですけど、シングル盤はラフミックスのプロモも公式も「4'11''」で、アルバムは「4'10''」です。そして、シングル集と謳われた「Reloaded」に収録されたのはアルバムと同じ「4'10''」版でした。「Reloaded」は「CDDA」音源で在るばかりでは無く「単なるシングル音源の寄せ集めでも無い!」のです。ま、其れは後にじっくりと語りましょう。


(小島藺子)



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2009年10月12日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#041:「Deep Forest」

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付) TELEPATHY (CCCD)


 Lyrics:NANA KATASE
 Music:Hirofumi Asamoto
 Arrangement:Hirofumi Asamoto

 Mix:Kenichi Yoshimura

 Programming & Keyboards:Hirofumi Asamoto
 Guitar:Kenji Akabane(ZEPPET STORE)
 Chorus:Junko Hirotani

 品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」04)

 発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)


四曲目に収録された「Deep Forest」はアルバムの為の新曲ですが、前後4曲に陣取る先行シングルをも凌駕する「隠し玉」でした。発売当時、僕の多くの音楽仲間は「未亜ちゃんがアイドル那奈ちゃんに夢中になって暴走してる」と断じました。「片瀬那奈ちゃんは可愛いけど、所詮はアイドルの歌手ゴッコなんでしょ?」と小馬鹿にする「那奈ちゃん世代の友人たち」に、「でもさ、朝本さんも参加してるんだよ。ま、朝本さんは広末のプロデュースもやったし、ほら、林檎ちゃんも曲を書いてたじゃん」などと云うと「ええっ?何で?」と少しは食い付いてくれたものでした。

「アーティスト>アイドル」との「間違った認識」に落ち入るのは、「マニアックな音楽好き」が若い頃に通る寄り道のひとつです。自分が好きなアーティストは「洋楽と同等の格上の存在」で在って、決して「アイドル」なんかとは違うのだ!と根拠の無い「通好みを気取る意識」に貧弱な知識以前の狭い個人的な嗜好性のみを信じてしまうのです。特に「CD世代」となってからの若い音楽ファンと話すと、其の余りの歴史認識の欠如に愕然とします。当時、椎名林檎ちゃんのファン・サイトに常駐して居た僕は、二十代前半の林檎ちゃん大好きな男の子が「オレはビートルズはロックじゃないから大嫌いだけど、レッド・ツェッペリンはロックだから好きで聴いている」と恥ずかし過ぎる発言を平気で宣った時に呆れ返ってしまいました。そんな視野が狭過ぎる感性の片には、最早「おまえは、其れでも椎名林檎ちゃんファンか?何で林檎ちゃんは林檎ちゃんって源氏名なのよさ?亀ちゃんは誰が好きでベースを弾いてんのよさ?」と小一時間問い詰める気すら起きませんでした。

確かに「音楽は知識では無い」のですけど、だからって「無知をひけらかして暴言を吐く」のが許されて好いとはならないのです。大瀧師匠がかつて吐き捨てた通りに「せめてエルヴィスとビートルズくらいは聴いてない人と、僕は音楽の話なんか出来ないよ」なんです。「朝本が新曲を書いて編曲し演奏もして全面的に制作した楽曲も、片瀬那奈のアルバムには収録されているんだよ」と話した時に「通ぶった若者たち」が驚愕したのは「何故?UA と片瀬如きが同じ立ち位置に居るわけ?」との素朴過ぎる疑問からだったのです。

僕らは皆、最初に音楽を好きになった時の純粋な気持ちから離れてゆく。気が付けば「自分が好きな音楽こそが格上なのだ」との呪縛にハマってしまうのです。でも、そんな莫迦な話は無いんだ。僕が「月刊・未亜」や「COPY CONTROL」時代から繰り返し語って来たのは「音楽に貴賤無し!」って事です。片瀬だってクラシックだってビートルズだって、全部おんなじだ。全ては「芸術」に過ぎません。只の「虚構」なのです。絵空事なのよさ。そんなもんはさ、生きてゆくのに本来なら必要不可欠なモンじゃないじゃん。衣食住とは違うでしょ?でもさ、僕は子供の頃から「現実」よりも「虚構」を愛したんです。衣食住を犠牲にしてもレコードを買ったんです。だから、そんな下らない「虚構」にまで序列をつけてしまう世界が苦手なのよさ。そんな僕が到った結論が「此の世界は数式だ」だったのです。歴史すらも、何もかも「理にかなった事」だった。少なくとも、人間がやらかした事なんて、全部、理論化出来るのです。僕はずっと「数式」を書いているんだよ。

さて、肝心の「Deep Forest」ですが、片瀬本人も語る様に「朝本さんの曲だから」との大前提が片瀬サイドにも在りました。「コレは、すってんころりんと下手なんか転けませんよっ!」と気合いも入って、アルバムでも前半の大きな山場を演出する名曲になりました。前述の通り、片瀬自身が書いた詩はアルバムのメイン・テーマで在る「TELEPATHY」をより深化させた世界です。片瀬が曲を聴き「幻想的」と感じた音世界は、アルバム制作と同時期に屋久島で撮影された写真集「N」とも連動し、後の実演では屋久島での映像を使った「Deep Forest」のPVまで制作し公開され、其の映像は後に映像版「Reloaded」にも収録されています。此の楽曲は完全なる「朝本作品」ですが、其の世界観は見事にアルバムの一部として成立しています。ミックスも別なのに、全く浮いていません。ハッキリ云ってしまえば「片瀬は朝本を自分のフィールドに取り込んでしまった」のです。片瀬による詩と歌唱を例えば「UA」に置き換えれば、此の楽曲はそのまんま「UA」の当時の楽曲と何ら変わらない「朝本ワールド」なのです。其れは「UA」のレコードを愛聴し実演にも何度も参加しているあたくしだから云える「厳然とした事実」です。つまり片瀬那奈は「UA と同等の個性的な音楽家」なのです。何故なら、おんなじ制作者による楽曲をそれぞれの色に変えてしまったのですからね。

「そんなバナナ!UAちゃんとナナちゃんがおんなじなわけないじゃん!!ムキーっ!!」と「UA派女子」が喚こうが、「うーあ?シラね。那奈ちゃんと一緒にするなよ、ボケ」と「那奈ヲタ男子」が吐き捨て様とも構いません。其れは「個人の嗜好性」に過ぎない「世迷い言」で、何の説得力も無いのです。あたくしは「片瀬」も「UA」も好きで実際に観て聴いて「公平な立場」で云っているのだよ。物事を語りたければ「経験」と「実践」は不可欠です。僕が片瀬那奈の言動を信頼するのは、例えば彼女がかつて青うにょ師匠に「片瀬が好きなテクノのルーツだから」と一緒にクラフトワークの実演に行き、「確かにあたしが目指す音楽を始めた人たちなんだろうけど、あたしには面白くなかった」と語ったからです。片瀬は、闇雲にルーツを否定したりしません。ちゃんと聴いてから判断するんです。僕も大いに見習っておりますよ、片瀬師匠。

片瀬那奈のデビュー・アルバム「TELEPATHY」は、次曲「Shine」で前半のクライマックスへと至ります。此処で「A面」とする5曲目までが、まるで組曲の様に連なって大きな世界を形成しています。更に結論を急げば、続く「Babe」から始まる「B面」も、ボーナス・トラック2曲をも含む全13曲が「組曲」として成立しているのです。其れを支えるのは「Shine」と云う名曲の存在です。

では、次回は更にまた「Shine」を大いに再評価しましょう。「また見てね、チャオ☆」(中山千夏声で)


(小島藺子/姫川未亜)



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「女性のための漢方セミナー2009〜大人女子に贈る漢方で健康美人〜」放映

anan特別編集 漢方BOOK「ココロとカラダに効く漢方」 (マガジンハウスムック)


東海テレビ 11:00〜


9月8日の名古屋でのイベントで収録された番組です。東海地区ローカルなので観れませんが、イベントには参加出来ました。


関連記事:2009年9月8日「女性のための漢方セミナー2009 〜大人女子に贈る 漢方で健康美人〜」


(姫川未亜)



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2009年10月13日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#042:「Shine」album version

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付) TELEPATHY (CCCD)


 Lyrics:NANA KATASE、Satomi & rom△ntic high
 Music:Ryouki Matsumoto
 Arrangement:Manao Dai
 Strings Arrangement:Yasuaki Maejima

 Mix:Maki Kosugi(Climbers)

 Programming:Manao Dai
 Chorus:Junko Hirotani
 Strings:Kuwano Strings

 品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」05)

 発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)

 TBS系ドラマ「こちら本池上署」主題歌


アナログならば「A面」の最後だったであろう5曲目に、名曲「Shine」が収められました。収録されたのはシングルと同一音源と思われますが、例によって時間差が在ります。「Shine」の場合は、シングルは歌入りもインストも「5'08''」アルバム「5'09''」で、「Reloaded」に収録されたのはアルバムと同じ「5'09''」版です。先行シングルと同一音源と思われる楽曲がアルバム「TELEPATHY」には5曲収録されましたが、其のほとんどに僅か乍ら「時間差が在る」のです。其の内「TELEPATHY」「GALAXY」「Babe」は「シングルよりも僅かに短いミックス」で、此れは、アルバムのトータル性を重視して「曲間」を短くしメドレーの様に展開させた為に生じた時間差と考えられます。対して、此の「Shine」は「シングルよりも僅かに長いミックス」で「REVENGE〜未来への誓い〜」が「シングルと同一時間」になっています。此の事実からも、アルバムは一旦「Shine」で「A面」で小休止し、更に最終曲は「REVENGE〜未来への誓い〜」で「B面」を終えて、最後の2曲は「ボーナス・トラック」だと考えられます。

片瀬那奈ちゃん自身が解説する通り、アルバム発売の僅か一ヶ月弱前に出たばかりの最新シングルの実質上のメイン曲が「Shine」でした。「コノ曲は、何にも考えないで歌ったんですけど、日に日に好い曲だなって、思ってですね」と那奈ちゃんも大胆不敵な預言をしておりますが、事実、其の通りでした。お気楽なコメントを聴くと、おそらく那奈ちゃん自身すら発表当時には此の楽曲の眞の素晴らしさに気が付いていなかった様に思われます。其れでも此の楽曲が持つ底知れぬ力を、確かに那奈ちゃんは知っていました。「ん?コノ曲って、だんだん好くなるじゃん」との「直感」を得て、実際に何度もカタチを変えて実演でも披露されてゆきます。其れにしても「何も考えないで歌った」って、、、凄い発言です。また「バラードだけどポジティブな詩をつけた」とも語っており、思えば此のアルバム「TELEPATHY」には哀しい歌が全く入ってない事実に気付きます。いえ、結論を急げば「片瀬那奈のオリジナル楽曲にはネガティブな失恋ソング等は全く無い」のでした。那奈ちゃん自身が「人は泣いて解放されるって事も在る」と真理を突いているのですが、其れを彼女は「後ろ向きな哀しい歌」では無く「前向きな希望の歌」で成し遂げようとしたのです。余談ですが、後のカヴァー路線の失敗は、其の多くが男性作詞家による「ネガティブな男性目線からの女性像」を歌った作品だった事にも原因は在ります。「もう、ダメ!ひとりきりあたし〜」なんて「女は弱い者」と捉えた男尊女卑思考丸出しな歌詞が、最も似合わないのが「腕白番長・片瀬那奈」ちゃんではないですか。だからアノ歌を実演で那奈ちゃんは壱度もマトモに歌えなかったんだよ。「赤道小町」で好かったのにさ、責任者出て来い!ぜいはあ、、、

此の所謂ひとつの正調版「Shine」は、前出のTV音楽番組と「渋谷タワレコ(2003年6月22日)」の後にはアルバム記念イベント「TELEPATHY WITH YOU(2003年7月5日)」で披露されますが、其の後は後述する「MAD FAT PAD MIX」に変更され、最終的には「アンプラグド・スタイル」のバンド生演奏をバックに「実演で初めて生歌のみで熱唱」された「第一期歌手時代の最後を飾る楽曲」となるのでした。リミックスでは無く、実演で三種類ものヴァージョンが歌われた楽曲は「Shine」だけです。僕にとっての「歌手・片瀬那奈」は、突然に「Shine」を歌って現れ、新たなカタチでの「Shine」を歌って消えました。僅か一年半の夢でした。余りにも短く濃密な時でした。其の事実だけで、僕が此の楽曲を生涯愛する理由には充分過ぎるでしょう。発売されてから早6年以上も経ったのに、いや、時を経た現在の方が、より深く此の曲は僕の心を打ちます。本当に那奈ちゃんが最初に語った通り「日に日に好くなる」至上の名曲だと思います。

ところで、此の連載を書く為に久しぶりに「初回限定DVD」での「片瀬那奈スペシャル・インタビュー」を全部観直したわけですよ。其れで「うわぁ!2003年の那奈ちゃんって、ゲロマブじゃん!」と思いつつもですね、流石に陸年前ですよ、私服の那奈ちゃんが「へんてこりん」なのよさ。いや、似合ってるんだけど「那奈ちゃん、若い頃は今以上に無茶なスタイリングをやってたんだナァ」と吃驚しました。何よりも「しゃべり」が「子供」で驚いたよ。確かに、アノ頃の那奈ちゃんって此れだった。あんまりフランクで無邪気で「何だ?コノコ、マジで芸能人?近所の下町のお姉ちゃんとおんなじじゃん!」と思ったもんでした。(いや、まさか本当にそうだったとは思ってなかったんですけどね。)ま、21才だもんナァ、当たり前なんだけどさ。那奈ちゃんって本当に素直で正直だからインタビューだと素に近いんだよね。ずっと追っかけて「日々是カタセ」で居るから、何年か前の「演技者では無い片瀬那奈」を観ると年月を感じます。アンテツあにいのラベルになると「那奈ちゃん、逢う度に大人っぽくなるナァ」って事になるわけですけど、僕も昨今其の領域に達したと「しみじみみあみあ」思うのです。なんてったって、追いかけて早10余年だもんね。自分でも呆れるもん。「何でこんなに片瀬那奈ちゃんが好きなの?」と、自問自答する事も在るのよさ。其れで、思ったよ。僕は「常に今の那奈ちゃんが壱番好きなんだ」ってね。10年以上も「NEXT ONE」を、那奈ちゃんは僕たちに期待させ、其の期待以上のステージに上がり続けて居る。こんな存在には、もう二度と逢えないよ。

僕は「21歳の輝き」も「22歳の輝き」も「23歳の輝き」も、幸いにも生で観て聴いた。其れらはすべて、眩しかった。

だから、いつかまた、ふたたび那奈ちゃんが歌う日を、ずっと待って居ます。


(姫川未亜)



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「グータンヌーボ」新MCに決定!!

グータンヌーボ 女のセキララ名言集 LOVE


片瀬那奈&長谷川潤「グータンヌーボ」MC(サンケイ 10/13)

以下、引用。

 女優の片瀬那奈(27)と人気モデルの長谷川潤(23)が、フジテレビ系トークバラエティー「グータンヌーボ」(水曜後11・0)の14日放送回から司会に起用されることが12日、分かった。
 9月下旬の放送で番組卒業を発表したフリーアナウンサー、内田恭子(33)と、12月出産予定で産休に入る女優、江角マキコ(42)と交代。優香(29)とオセロの松嶋尚美(37)の司会陣に加わる。
 このほど新MCとして初収録に臨み、長谷川は「ガールズトークは大好きなので、楽しい!」とウキウキ。片瀬は「本当に何の打ち合わせもない。やはりガチンコ(トーク)だと思った」と興奮していた。


長谷川潤&片瀬那奈、グータン新MC(デイリー 10/13)

以下、引用。

 フジテレビ・関西系のトーク番組「グータンヌーボ」(水曜、後11・00)の新MCに、女優・片瀬那奈(27)とモデル・長谷川潤(23)が新たに加わることが12日、分かった。9月いっぱいで産休に入った江角マキコ(42)と番組を卒業した内田恭子(33)からバトンを受け継いで、14日放送分から登場する。
 2人は、レギュラー出演中の優香(29)、オセロ・松嶋尚美(37)と、4人体制でMCを務める。トーク番組の司会に初挑戦となる長谷川は、初収録を終え「点数をつけると…MCとしては0点です」と不慣れもあってしょんぼり。片瀬は「私は7点…10点満点で。これから良くなっていければいいと思う」と前向きに語った。
 番組歴代のMCには、江角、内田、松嶋に加えて、篠原涼子(36)も名を連ねており、いずれも結婚や妊娠などで“女の幸せ”をつかんだ顔ぶればかり。新MCの2人は独身だが、04年の番組スタート当初から出演し続けている優香も未婚とあって「何で私だけ、何もないんだろう?」とボヤキ節だった。



「片瀬那奈ちゃんの三つの企み」のひとつが発表されました。

過去、ゲストとして二回出演し、スペシャル・ドラマにも顔を出した「グータンヌーボ」の新メムバーに抜擢です!此れは、嬉しい。ゲストの時も其の「明け透けな発言」や「豪快な食いっぷり」が見事でしたが、今後は毎週逢えるわけです。

メインの回も月壱で在るでしょうが、発売中の「週刊ザテレビジョン(唐沢サンが表紙)」のP57に那奈ちゃんが写真入りで載って居ます。早くも来週(10/21)放送分で那奈ちゃんがメインですよっ。


(姫川未亜)



「グータンヌーボ」関西テレビ公式サイト


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2009年10月14日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#043:「Babe」album version

TELEPATHY(初回)(CCCD)(DVD付) TELEPATHY (CCCD)


 Lyrics:kenko-p
 Music:Kazuhiro Hara
 Arrangement:Kazuhiro Hara

 Mix:Dave Ford

 Programming:Kazuhiro Hara
 Chorus:Junko Hirotani

 品番:AVCD-17291/B、AVCD-17292(アルバム「TELEPATHY」06)

 発売日:2003年6月25日(オリコン最高位17位)

 2003 vodafone W杯モーグル テーマソング


アルバムの前半、所謂ひとつの「A面」は、メイン・テーマで在る「TELEPATHY」を言わば「観念的に提示する世界観」を持つ楽曲で構成されていました。其れは「空想的」とも「SF的」とも「幻想的」とも捉えられる「片瀬那奈の感性」で在り、「あたしは君の元へ飛んでゆくのよ〜〜」と歌われる「TELEPATHY」とか、「銀河色の弾丸をダンダンダン!と撃ちまくっちゃうぞ、莫迦野郎!」と意味不明な中学生男子的な愛の告白をスペーシーな演劇調でやらかす「GALAXY」とか、「デジャヴしてるよ、片瀬」な「Deep Forest」等が描く世界は、「夢見勝ちなロマンチストな那奈ちゃん」の心象風景を鮮やかに映し出しますが、「だから、何?」と問われたなら「ハイ!それまでヨ」な夢物語と捉えられても致し方無いでしょう。壱曲目でガツン!と「世界を変えちゃうかもよっ!」と宣言したわりには、何ら具体性の無い主張に「やれやれ、此れだからアイドルは、、、」と苦笑を禁じ得ない処で、片瀬は必殺の「Shine」を繰り出します。しかし「過去を肯定してこそ未来が輝くのだ!」と確信を持って宣言しても「其れは那奈ちゃんの生き方で在って、自己完結してるだけじゃん!ウチらと交流する気なんて、ないんしょ?どこがテレパシーなんっすか、片瀬サン?」と鳴海も呆れる「お姫様音楽」とも云えるわけです。

アルバム「B面」は、そんな批判を吹き飛ばす「片瀬式:具体的な他者との交流法」が歌われます。一見、「世界変革」とか「以心伝心」とか「銀河」とか「深い森」とか「みんな輝け!インスタントカーマ!!」などと壮大な世界を歌った様に見せかけて、実は非常に内省的な「カタセカイ」を示したのが「A面」でした。アルバムの最初から、片瀬は4曲も自分語りを繰り返しただけだったのです。其れがようやく「ねえ、覚えてる?」と語りかけつつも結局は「想い出語り」と「根拠不明な絶対的な過去現在未来全肯定ポジティブ志向」へと突入する壮大で誇大妄想的な名曲「Shine」で、第一幕は閉じます。其の余韻を切り裂く様に始まる「Babe」からは「外へ向かった片瀬」が出現するのでした。

「さあ、あたしの気持ちは語り倒した!どーする?」と、片瀬姫は僕たちに対峙します。いきなりだナァで「みんなと居るって事がどんなに素晴らしいか、分ってんの?」と歌い出します。踊り歌う片瀬に、意味も無く納得し追従する那奈ヲタ、、、「何もない世界から羽ばたく」とか「だから、123 ! だーっ!!で別世界」とか、全く以て根拠不明で空虚なアジテーションで盛り上がります。最早「宗教」です。一体何をしようって呼び掛けているのか?を抽象的な歌詞から察すれば、ま、よーするに「じゃれあって、うちあって、おちて、わらって、感じあう、よろこび」って事ですから「LET'S GET IT ON ! !」って事なんでしょうけどね。片瀬クンは、マーヴィン・ゲイかよ?

此の曲に限らず「kenko-p」サンが片瀬に提供した詩は、かなりセクシャルです。穿った見方などしなくとも、赤ら様に性的連想を想起させる表現を多様していますが、芸術はエッチじゃなきゃ売れませんからね。ジャケットやピクチャー・レーベル等のビジュアル面をも含めて「歌手・片瀬那奈」の商品価値は在ります。片瀬本人は私生活では「腕白番長」ですから、「セクシー路線」は苦手の御様子で、後の名曲「EVERY***」でのより具体的な「少しキスをして、優しく触って、感じる時」なる「エロ歌詞」を歌わされた時には、相当照れて抵抗していました。

大らか過ぎる性愛を高らかに歌った「Babe」で始まる後半は「愛に溢れた世界」が展開してゆきます。内省的でマイナー進行で進んだ「TELEPATHY」は、一転して攻撃的になるのでした。でも、其れは「いきなりだナァ」ではなかった。前半の最後「Shine」で「素直な心が輝き出す」と片瀬は宣言しているのです。終止和音を拒否したエンディングは、其の侭「Babe」のイントロへと誘っていたのでした。片瀬音源は曲順をどんな風にシャッフルしても繋がるのです。まるで、THE BEATLES みたいだ。

あっ。時間差は、シングル「4'17''」アルバム「4'16''」で、「Reloaded」はアルバムと同じ「4'16''」です。


(小島藺子/姫川未亜)



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