Lyrics:kenko-p
Music:KAZUHIRO HARA
Arrangement:KAZUHIRO HARA
Remixed by Huge
品番:AVCD-30445/B、AVCD-30424
発売日:2003年2月19日
最強シングル盤『Babe』の落ちは、此れまた「片瀬那奈楽曲で最強のリミックス」で在ります。担当したのは、片瀬と同い年の天才音楽家「Huge」でした。彼は、此の作品を片瀬と共に制作した後、間もなく夭折してしまいます。(2003年6月25日、21歳の若さで急逝。奇しくも、片瀬那奈のデビュー・アルバム発売日!)。片瀬にとって、同い年で既に第一線で活躍していた彼との仕事は大いに刺激になったでしょうし、其の早過ぎる死も無念だったでしょう。
此のリミックスでHugeは、片瀬の裏メロをメインにしています。一聴すると全く別の曲に聴こえてしまう位に原曲を破壊した行為ですが、其れこそが「Babe」と云う楽曲に対する愛情表現でしょう。此のリミックスを聴く時には、全く「Love At First Sight」を思い浮かべません。Hugeは楽曲を解体し再構築して「Babe」の深層を暴きました。其処に在ったのは「和製カイリー」では無かった。地声に近い低音コーラスを歌うのは、紛れも無く「片瀬那奈」でした。
片瀬自身も此のリミックスはお気に入りだった御様子で、実演時の女性バック・ダンサー四人のダンス・パートで流され、ファンには別名「テバサキ5のテーマ」として親しまれています。彼女たちは、片瀬を含め「テバサキ5」と片瀬サン命名。オリジナルTシャツまで制作し五人お揃いで着て踊っていました。片瀬の実演でのバック・ダンサーは、デビュー時は男性二名でしたが、此の「Babe」から女性二名も加わった四人に増殖し、最終的には女性四人に落ち着きます。「テバサキ5・Tシャツ」以外にも「TELEPATHY Tシャツ」や「Shine の衣装」等も片瀬本人がデザインを手掛けていて、其れは後の「So close, 7」での本格的なデザイナー・デビューにも繋がります。片瀬が一個ずつ手書きしたキャップの販売も在りました。歌手時代にレギュラー司会を担当していたNHK-BSの番組「真夜中の王国」で共演した鴻上サンと知り合い、彼が何度か片瀬のステージを観た事から「僕たちの好きだった革命」への初舞台出演が決まるのです。更に其の奇跡の初舞台を観た山田サンが「平山まどか先生を見つけた!」と確信し、舞台「フラガール」が始動するのでした。
順風満帆なアイドル女優の地位を投げうってまで挑んだ「歌手・片瀬那奈」の時代は、全てが未来へとまっすぐに繋がって行きます。音楽活動が、疑いようも無く、其の後の「女優・片瀬那奈」をスケールアップしました。そして、何よりも彼女が創造した音楽は、時を超えて「永遠」になったのです。
(小島藺子/姫川未亜)