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2009年09月06日

「夢みる歌謡曲」第那奈章: 片瀬那奈がきこえる
#019:「Babe」

Babe(初回) (CCCD) Babe(通常)  (CCCD)


 Lyrics:kenko-p
 Music:KAZUHIRO HARA
 Arrangement:KAZUHIRO HARA

 Mixed by Dave Foad

 品番:AVCD-30445/B、AVCD-30424

 発売日:2003年2月19日(オリコン最高20位)

 2003 vodafone W杯モーグル テーマソング


2003年2月18日、発売日前日に残業帰りの僕は、東陽町の今は亡きCDショップに閉店間際に駆け込み、此の「Babe」シングル初回限定DVD付きとボニー・ピンクの新作アルバムを買いました。あと数分で閉店だったので、兎に角、両方共に買えた事で満足したのです。

ところが、帰宅後、当然乍ら片瀬那奈の新譜CCCDを聴きDVDを堪能した後に、ボニーのアルバムを開封しようとしたら其処には「このCDはコピーコントロールCDです」と書いて在って愕然としました。「ええっ?ボニーまでコピコンかよっ!?」と。片瀬がCCCDで在る事は知っていて、でも其れしか出ないのだからと無念の想いで買ったのです。当時としては「片瀬那奈ちゃんの初めてのDVD」も付いていたのですから、大目に見るしかなかった。「此れで毎日、動く那奈ちゃんを観れちゃうんだもんね☆」の欲望には抗えませんでした。でも、まさかボニーまでCCCDとは予想していなかったっ。

時代は確かに「CCCD全盛期」でした。あたくしが初めて「CCCD」を買ったのは、2002年12月の片瀬那奈ちゃんデビュー盤です。其の後、THE BEATLES の「Let It Be ... Naked」の日本盤を、2003年11月に買ってしまいました。翌週には海外盤のCDDAで入手出来ると分っていても、早く聴きたくて買ってしまったのです。元々アナログ派のあたくしは「ビートルズと片瀬クン以外は絶対にCCCDなんか買わないぞっ!」と決めていました。なのに「ボニー・ピンクを買ってしまったじゃまいかっ!!あっちょんぶりけ☆」

今や「死語」に近くなった「コピーコントロールCD」や「レーベルゲートCD」等の、所謂ひとつの「インチキCD紛いモン」が席巻したのは結局は僅かな期間でしたが、不運にも片瀬那奈は其の第一期音楽活動時期に「ドンズバ!」で当たってしまい、しかも所属レコード会社が其れを推進していた「avex」でも在った為に、発売された9作品の内でベスト盤とも云えるシングル集の「Reloaded」以外の8作(其れはつまり、現役時代の全作品です)が「CCCD」のみでしか公式盤では存在しません。

「ふざけるなっ!」

マカーで在るあたくしなんぞは「Mac非対応」の文字列にワナワナと震えつつも、試しに「iTunes」を起動させリッピングすると「ぐがっ!がががが、がっ!!」と咆哮しながら健気にも読み込むじゃないのよさ。其れでCDRに焼いたら「CCCD」よりも些かマシな音源になったのでした。「なんじゃ、こりゃ?」

さて、枕が長くなりましたが、結論から云えばセカンド・シングル『Babe』は、第一期歌手時代の代表曲「Babe」をメインにした「片瀬那奈の最高傑作シングル盤」です。個人的な嗜好では、次作『Shine / REVENGE〜未来への誓い〜』や『Necessary / EVERY***』も大いに推したいのですが、壱枚の音盤として考えるなら『Babe』が最強でしょう。タイトル曲はかなり「音楽の偶然」もしくは「音楽の必然」を感じさせる楽曲ですが、ハッキリ云って片瀬那奈の「Babe」の方が原曲よりも好いです。てかさ、カイリーと片瀬では「世界観」が全く別なんですよ。「和製カイリー」と称された片瀬が決して「カイリー其のものにはなれない」と同じく、カイリー・ミノーグには「Babe」は永遠に歌えません。

デビュー・シングルのメインだった「GALAXY / TELEPATHY」に戸惑ったファンも「Babe」は歓迎しました。歌手転向以前からの那奈ちゃんファン(明るく愉快なきれいなおねえさん好き)にも分りやすいカタチで「歌謡ハウス」が提示されたのです。確かに原サンが云った「これまでで、最高の曲が書けた!」は、真実となりました。でも、矢張り其れは「片瀬那奈が歌った」から実現したのだと思います。他の誰が「Babe」を歌えたか?「此れはイケル!」とラッピング・バスを渋谷に走らせた片瀬クンも、遂に「PV」では無く、満を持して音楽番組への生出演を果たします。其れは「音源的にも興味深いモノ」ですので、別項で語らせて頂きます。

昨年(2008年)に奇跡的に復活した「歌手・片瀬那奈」が届けてくれた「bash」は、明らかに「Babe」の続編でした。五年を経て、片瀬那奈の創った音楽が遂に開花したと、時代が漸く片瀬那奈に追いついたと、本人が高らかに宣言した様な名曲です。其れをコトノハでは無く、キチンと音楽で証明しリベンジを果たした片瀬那奈を聴いて、あたくしは心底惚れ直したよ。

「歌手・片瀬那奈」を記録するのは「ノスタルジー」じゃない。常に「今の那奈ちゃん」が最高だし「あしたの那奈ちゃん」こそが其れ以上に最高なんです。僕たちはずっと、那奈ちゃんにそんな目紛しいシアワセを与えてもらって10余年も経てしまいました。最早、那奈ちゃんは僕たちの人生に無くてはならない「大切な存在」です。でも、其れは2009年の現在に流れるCMで那奈ちゃんが演じる女神みたいに、プールから突然に現れたわけじゃないんだ。そう、確かにアノ日、小出クンが演じる労働者みたいに驚いたんだよ。でもね、プールからジョージアを届けに来た女神にも「歴史」や「過去」は在るわけさ。何故、突然、彼の目前に出現したのか?って理由だって在るはずなのよさ。あたくしは、ずっと、其の「謎」を探っているんです。「何故、片瀬那奈は片瀬那奈になって、今でも片瀬那奈なのか?」を知りたいんです。

何故なら、片瀬那奈ちゃんが大好きだからです。いつもいつだって、那奈ちゃんにチカラをもらっているからです。此処を踏んでくれている方々も、きっとみんな那奈ちゃんが大好きなんだと思って、楽しんで欲しくて書いています。シュガーちゃん&女子マネちゃんだって、立場こそ違えど「那奈ちゃんLOVE」はおんなじだって思ってます。でなきゃ、文句なんか云わないわよ。あたくし、好きなコにしか文句云わないからさ。プロレス者だもの。アントニオ猪木の名言にさ「プロレスにとって最も大切なのは、対戦相手との信頼関係だ」ってのが在るのよさ。だから、あたくしがな〜んも云わなくなったら、お終いです。だからきっと、少なくともあたくしが「片瀬那奈に対して何も云わなくなるって未来だけは無い」でしょう。


(小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 00:07| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする