Lyrics:NANA KATASE
Music:Patric Johansson & Linus Norden
Arrangement:YASUO KIMOTO
Mix:Dave Ford
(Time:3'57'')intro 0'15''
品番:AVCS-10748
発表日:2002年秋
デビュー・シングルの2曲目に収録された此の楽曲は、初めて発表された「片瀬那奈本人作詞」による作品であり、後に詳細を述べる彼女の唯一のオリジナル・フル・アルバムのタイトルにもなった重要な楽曲です。其の詳細は、追々、じっくりと書いてゆきます。市販版と違って、此のプロモ盤は「GALAXY」と「TELEPATHY」の2曲しか収録されていません。此れは後述するカセット版も同じです。
「衝撃的な歌手転向」を演出する為に(avex お得意の手法のひとつだが)此の2曲入りプロモの段階では「片瀬那奈」の名前は未だ伏せられていました。ゆえに、「GALAXY」が「有線お問い合わせチャート壱位」になったと云う話は「はんぶん不思議」です。確かに此のプロモ音源は有線でヘビロされました。だからこそ「お問い合わせ」が殺到したって事でしょう。「アノ曲のタイトルと歌手を知りたい」と。でも、人々は其の楽曲名も歌手名も知らなかったはずです。其れではリクエストは出来ません。だからリクエストは殺到しなかったはずです。お問い合わせも「アノですね、♪だんだんだんどぅでぃどぅでぃだんだん♪って歌ってるのは誰なのよさ?」ってフザケタモンが殺到するわけないじゃん。ゆえに、人々の耳に残るほど流れたのは「片瀬サイドの戦略」で、問い合わせ殺到だって「眉唾モン」なんですよ。「TELEPATHY」のプロモCCCD版及びプロモ・カセット版は「GALAXY」同様、ラフミックスです。流石にデビュー曲だけあって、プロモーションにもチカラが入っていました。後述しますが、此の作品には「片瀬作品で唯一のアナログ盤」まで存在します。
楽曲的にはカイリー・ミノーグの「Can't get you out of my head」に、非常に良く似ています。「GALAXY」も和製カイリー路線ですが、「TELEPATHY」はショートケーキに限りなく近いほど似ています。然し乍ら、こうした「可愛いおねえちゃんが和製エレクトロ・ポップを踊りなが歌う」と云う路線は現在(2009年)では当たり前ですが、2002年のメジャー・シーンでは片瀬以前には皆無でした。そう、片瀬は「先駆者」だったのです。「先駆者」は、売れない。早過ぎたのだよ。「GALAXY」と「TELEPATHY」共に作曲陣やミックス担当は欧米人を起用しており、片瀬の「洋楽志向」が強く伺えます。「GALAXY」に関しては、前述の通りオリジナルは英語の楽曲で在り、片瀬盤はカヴァー作品なのです。其れでも、後に詳しく述べますが「GALAXY」はオリジナルを完全に凌駕しています。
ちなみに、此の2曲入りプロモCCCDのレーベルは、黒地に銀文字です。未だ、後の「怒涛のピクチャー・レーベル殺法」は封印されていました。其れどころか「楽曲で勝負したい」との頑固な姿勢ゆえに、歌っているのが「片瀬那奈」で在る事すら伏せられていました。
(小島藺子)
初出「LISTEN NOW ! 片瀬那奈が聞こえる」2007年9月10日を全面改稿
RE-MIX:小島藺子