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2009年06月15日

「無念だ!」

理想主義者


「うるぐす」を録画しながら観て、チャーリー・ブラウンみたいに「ためいきばかり」になってしまった。

盟友:エッチューさんが語った様に「リングで死ぬ」なんて有り得ないレスラーが、三沢光晴だ。絶対に有り得ない事だって、僕らは信じて居たはずだ。生で彼の試合を一度でも見た事が在るのなら、誰もがそう思って居ただろう。徳光さんは解って居るよナァ。「プロレスは受け身の競技」と云い切った。「三沢はストロング派だ」と断言した。確かに人間的にも立派だったけれど、そうした「人間:三沢光晴」を讃えるエピソードよりもVTRを観て思わず云った「彼のレスリングは、素晴らしいね」に泣いた。徳サン、ありがとう。

三沢にとって、此の人生の結末は、幸せだったのだろうか?レスラーなら「リングで死ぬ」ってのは理想だろう。かつて、アントニオ猪木の売りは、正に其れだった。「こんなプロレスを続けたなら、なんちゃらかんちゃら」とファンを煽動し、実際に自作自演でホーガンに殺される演技を完璧に演じた。馬場サンは忸怩たる思いだった。「カンちゃんの芝居には付き合ってられんよ」と無視した。

でも、弟子の三沢は怒った。本気で「だったら、俺がやってやるっ!」と誓ったのだ。三沢の道は、馬場サンでは無く、猪木の其れと似て居た。全日の社長になったのに、独立してノアを旗揚げした。日プロを追い出されて新日を創った猪木よりも、三沢の選択の方がリスキーだ。安定した雇われ社長の座を自ら捨てて「理想」に向かったのだから。其れが「私利私欲」では無かった事を、僕ら「プロレス者」は知って居る。どんなに誹謗中傷されても、三沢は最後まで「プロレスは、真剣勝負だ。世間に認知させてみせる!」と闘った。そして、リングで死んだ。

「三沢殉職」の意味は、重過ぎる。漫画じゃないんだぜ。
「あしたのジョー」じゃないんだよ。なんて理不尽な世界なんだ。

一体、誰が三沢を殺したんだ?


(小島藺子)


posted by 栗 at 01:31| KINASAI | 更新情報をチェックする

FAB4-078:ANOTHER GIRL

ALL BECAUSE OF YOU GUYS(紙ジャケット仕様) jane.jpg Jane Asher's Book of Cake Decorating Ideas


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ノーマン・スミス
 2E:ケン・スコット(2/15-18)、ジェリー・ボイズ(2/15-16)、マルコム・デイヴィス(2/23)
 録音:1965年2月15日、16日(take 1)
 MONO MIX:1965年2月18日
 STEREO MIX:1965年2月23日

 1965年8月6日 アルバム発売 (「HELP !」 A-5)
 パーロフォン PMC 1255(モノ)、PCS 3071(ステレオ)


「一筆書きの人:ポール・マッカートニー」の覚醒直前を伝える「やっつけ仕事」です。1965年2月15日、新作録音初日、革新的なジョン・レノン作「TICKET TO RIDE(涙の乗車券)」の録音に全力疾走したポールは、自作を軽く一発録音で完成させてしまいました。いえ、其れで好いのだ。こんな楽曲は、軽く流してサントラ面の息抜きにして、次から二連発で来る「愛しのジョン」の楽曲を引立て様じゃないか!と、未だポールは思っていたのです。「ボキはジョンのメンゴだもん!うふっ☆」てなもんですよ。此の楽曲も決して悪くは在りません。此のロカビリー風マッカ節は、近年の怪作「THAT'S ME」へとまっすぐに繋がっています。イントロ無しで始まり、リンゴでも歌えそうな単調な曲が、流れる様に急転してメロディアスになる中間部が「ギラリ!」と光ります。でも、マッカにとっても、無論レノンにとっても「大した曲じゃねーや」ってなもんや、です。

ところが、此処でトンデモな事態が派生します。確かにビートルズは一発で此れをやっつけました。でも、リード・ギターが「へっぽこりん」だったので、録音し直したのです。いたいけジョージは、後の地獄を予感させられたでしょう。ポールに云われ、10回も録音しました。其れでもポールは「オッケー!ジョージ良くやった」とは云わなかった。「鬼の完璧主義者:ポール・マッカートニー」は、「TICKET TO RIDE(涙の乗車券)」とおんなじ仕打ちを、かつての相棒ジョージにします。ポールは最初「レノマカ」では無く「マカハリ」だったのだよ。ポールの相棒はジョージだったのです。二人で「マッカートニー / ハリソン」として共作していたのに、ポールはジョージとの共作タッグを見限って、ジョンに擦り寄ったのだっ!

なな、なんと、散々ジョージのギターにダメ出しし捲くった翌日に、ポール・マッカートニーは「えーいっ!分からず屋めぇーっ!!」と鉄腕アトムの大義名分決め台詞の様に(アトムは、一応は「おんなじロボット同士なんだからさ、仲良くしよーよ」とか云って、其れでも暴走する敵役を10万馬力で破壊する時に「こんなに云っても分らないのかぁーっ!!」と自分を正当化する為に絶叫するのでした、、、僕は小さい頃から「アトムって、おっかねえ、、、」と思いました。)、いたいけジョージのギターを消去し、、、自分でリード・ギターを弾いたのです。僕は、思う。

「ポールって、おっかねえ、、、」


(小島藺子/姫川未亜)



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