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2009年03月24日

「WBC二連覇達成記念大盤振る舞いか?」

悪なあなた~歌謡番外地




かつて「食わず嫌い」で那奈ちゃんと対決した「4番:城島選手」は散々でしたが、優勝したから、ええじゃまいか!ええじゃまいか!こんな時だけ、俄国粋主義者になり、俄ベースボール・ファンになるわけですが、ま、兎に角目出度いから美味い酒が呑めるわけだ。

偶然ながら、かつては「ベイスターズ命!」と公言していた片瀬那奈ちゃんが、「優勝記念で半額だよっ!」(森田ちゃん声で)此れは、「お買い得だよっ!」(更なる森田ちゃん声で)


(小島藺子)



posted by 栗 at 19:23| PRODUCE | 更新情報をチェックする

FAB4-003:PLEASE PLEASE ME

Please Please Me [12 inch Analog] Beat En Francais


 w & m:McCARTNEY / LENNON

 P:ジョージ・マーティン
 E:ノーマン・スミス
 2E:A.B.リンカーン('63-2/25)
 録音:1962年11月26日
 MONO MIX:1962年11月30日
 STEREO MIX:1963年2月25日(take 16、17、及び 18 の編集ヴァージョンより)

 1963年1月11日 シングル発売(最高位1位 or 2位)
 パーロフォン 45-R 4983(モノ)

 1963年3月22日 アルバム発売、パーロフォン PMC 1201(モノ)
 1963年4月26日 ステレオ盤発売、パーロフォン PCS 3042
 (「PLEASE PLEASE ME」 A-7)


「やったな、君たちは初のナンバー・ワンをモノにしたぞっ!」

録音が終了した途端、英国紳士ジョージ・マーティンが珍しく興奮してビートルズに云いました。そして、一ヶ月半後に発売された彼らの二枚目のシングルは、マーティンの予言通りに首位を獲得したのでした。めでたし、めでたし。

かつて「ビートルズ物語」では、此れが定説でした。しかし、2000年に発表された「1」には、在ろう事か「PLEASE PLEASE ME」が収録されていなかったのです。英米どちらかのチャートで首位を獲得した楽曲のみで構成されたCDには、大傑作「PLEASE PLEASE ME」ではなく、英国17位の(しかも、エプスタインが買い占めて無理矢理チャートを操作した)「LOVE ME DO」なんぞが堂々と壱曲目にのさばっていたのです。(1964年の米国制覇時に、ドサクサに紛れて過去のシングルもガンガン発売した米国では「LOVE ME DO」まで首位を獲得しちゃったのよさ。)「PLEASE PLEASE ME」は、実際には「2位」止まりだったと云うのが、現在では知られています。いや、首位を獲得したローカル・チャートも在ったみたいなのですが、有名チャートでは、今一歩届かなかった様です。

此れは、松田聖子ちゃんの名曲(最近CMでフカキョンも熱唱!)「青い珊瑚礁」が2位止まりだった未来を予見する様な「歴史的事実」です。思えば、聖子ちゃんもデビュー曲「裸足の季節」は最高12位、2ndの「青い珊瑚礁」が2位止まり、そして其の二番煎じだった3rd「風は秋色」で首位と、ビートルズとおんなじ道を辿りました。

「聖子ちゃんは、日本のビートルズなのかっ!」

あっ。今、ボキは多くの音楽ファンを一気に敵にまわした悪寒が走った。其れでも更に続けるなら、此の連載の最終部に出て来る逸話、『「クリムゾン・キングの宮殿」が「ABBEY ROAD」をチャート首位から引きずり降ろしたっ!』ってのも事実では無い様です。だって、あたくしもプログレならクリムゾンが好きだけど、そんなの日本だけの評価ですからね。世界的には、売れてないっすよ、フィリップ翁。

ま、本当の噺だけど冗談は此れ位にして、此の楽曲でジョン・レノンの大逆襲が始まりました。ビング・クロスビーの歌詞からパクリ、ロイ・オービソンの曲と歌唱法からパクったと自ら堂々とカミングアウトした「PLEASE PLEASE ME」を聴いたジョージ・マーティンは「名曲だが、そんなスローテンポじゃダメだな」と、現在我々が耳にしているアップテンポに変更します。ジョンは「てやんでいっ!」と思いながらも、渋々承諾し、見事に特大ヒット曲をモノにしたのでした。でも、ファンって贅沢なのです。僕らは「幻のスローテンポ・ヴァージョン」も聴きたくって、今日も海賊盤を漁るのです。嗚呼。

此の楽曲も「LOVE ME DO」と同じ様に、彼らには珍しく「2テイク」が存在します。そして其の違いは、ハッキリと分ります。片方のヴァージョンで、ジョンが歌詞を間違えて笑いながら歌っているのです。多くのビートルマニアが愛するのは、其の「歌詞を間違えてしまったジョン」の方だと断言します。確かに完成度ではモノの方が断然好いのだけど、其れは本人達も気合いが違っていたわけです。でもね、ハッキリ云えば「手抜き」の「ジョンが歌詞を間違えて笑いながら歌う」ステレオが、とても愛らしいんですよ。抜けた感じが好いのよさ。其れは、たぶん40年近く付き合って辿り着いた境地なのでしょう。「FAB4の失敗」こそが、愛おしいのです。だから、みんなブートなんかを喜々として買って来たんじゃまいか?

兎も角「首位問題なんて、どーでもええやん?」と思える程に、掛け値無しの傑作です。後に詳しく語る彼等の記念すべきデビュー・アルバムも、一般的には「PLEASE PLEASE ME」と呼ばれています。然し乍ら、彼等の処女作の眞のタイトルは「PLEASE PLEASE ME With Love Me Do and 12 other songs」と云います。此れは大変重要で、必ず試験に出ますので覚えて置きましょう。では、此の辺で本日のヨタ噺はおしまいです。


「あっ。此の曲で太鼓を叩いて居るのは、紛れも無く、リンゴ・スターです。」


(小島藺子)


初出:「COPY CONTROL AGAIN」2008-6-13
REMIX-1:「COPY CONTROL」2008-9-1

(and this is REMIX-2 by 小島藺子)



posted by 栗 at 00:15| FAB4 | 更新情報をチェックする