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2008年07月27日

「ぼくたちの失敗」

ぼくたちの失敗 森田童子/ベスト・コレクション


きょうも、イコおねえちゃんといっしょに「あかさかあくとシアター」にいった。

それは、ぶたい「フラガール」をみるためです。片瀬那奈ちゃんがしゅやくをやっているので、イコおねえちゃんはしごとをやすんで、「あかさかあくとシアター」はぜんぶみるといった。ぼくは「そんなのむりじゃん!」とおもったけど、イコおねえちゃんはかいしゃをヤメてしまって、ほんとうにまいにち「あかさかあくとシアター」にいくようになったので、ぼくはびっくらこいただ。

イコおねえちゃんは、ぶたい「フラガール」がないひと、ぶたい「フラガール」がよるしかないひいがい、ぜんぶやすみにしてしまった。それではせいかつしてゆけないから、イコおねえちゃんは、まいにち、ぶたい「フラガール」がはじまるまえに「たからもの」をうりはじめました。たいせつなほんやレコードも、どんどんうった。きょうは、エレキベースまでうってしまった。ちゅうがっこうのときから、ずっと「あたくしは、ベーシストなんだよ」といっていたのに、うっちゃった。

「くりぼう、おねえちゃんはさ、もう片瀬那奈ちゃんのグッズいがいはぜんぶいらないんだよ」といったけど、「りんごちゃんベース」をうったあとで、イコおねえちゃんはないていたのを、ぼくはみてしまいました。でも、イコおねえちゃんはすぐにわらった。そしていった。「くりぼう、さっきのがっきやさんもいってたでしょ?あのベースはへんなおとしかでないって。だから、すぐにあたらしいのをかってあげるから、だいじょうぶ」

イコおねえちゃん、ぼくはベースはひけないよ。ひくのは、未亜おじさんじゃん。「あっ。もしかして、イコおねえちゃんは『未亜おじさんのベース』をうっちゃったの?」と、ぼくはきいた。イコおねえちゃんは「えっ?なんのことかしら?」といって、まちがいなく「未亜おじさんのたいせつなベース」をうったおかねでかった「カロリ」をいっきにのみほして、こういった。

「だって、未亜たんだって、そうしろっていってくれっがらっ!」

「おまいは、ねもとはるみサンかよ。」とぼくはおもったけど、たしかに、未亜おじさんは「イコおねえちゃんのいいなり」だから、これでいいのだ。てか、さっきのは「うそなき」かよ。

げきじょうについて、いちばんさいしょにはいったイコおねえちゃんは、タバコをすいながらなんども「うっぴーサン」にでんわをした。イコおねえちゃんは、「もう、うっぴーったらなにやってんのよっ!きょうは『ていこくにこいっ!』っておしえたでしょ?アレでわかんないなら、とっとと那奈ヲタなんかやめちまえっ!」と、ぶたいで片瀬那奈ちゃんがやっている「まどかせんせい」そっくりないいかたで、はきすてました。

「フラガール」のかわいいバッチがもらえることになっていたから、イコおねえちゃんははやくいった。でもさ、それなら、ちゃんと「うっぴーサン」にせつめいすればいいのにね。ぼくがそういったら、イコおねえちゃんは「うっぴーは、ほかのれんちゅうとはちがうのっ!那奈ちゃんにおたんじょうびまでおぼえられているひとなんだから、ぜんぶいわなくっていいのっ!」といかりくるっちゃったので、ぼくはだまりました。でも、やっぱり「うっぴーサン」はかけつけて、ちゃんとバッチをもらっていました。よかったです。

12かいめの「ひらやままどかせんせい」をやった片瀬那奈ちゃんは、きれいでした。ぼくは、12かいもみたのに、きょうの片瀬那奈ちゃんがいちばんきれいだとおもった。

げきがおわったら、すぐにイコおねえちゃんとうっぴーサンがでぐちにいって、れいのばしょへむかいました。もう、こえもかけずに、まっすぐに片瀬那奈ちゃんのくるまがあるところへ、ひとごみをかきわけてまっしぐらにいきました。

フラガールズのおねえちゃんたちが、たくさんでてきた。シュガーちゃんがだれかをおみおくりしていた。ぼくたちのほうに、そのおじさんがきた。そしたら、イコおねえちゃんは、「あっ。こうかみサンじゃん!」といって、そのおじさんとなにかはなしていました。うっぴーサンは、なぜかあきれてそのばめんをみていた。なぜだろう?

「はなよりだんご」のおにいさんがでてきて、ちかくで「ルーキーズ」のイベントにきていたひとたちがきづいてしまって、いっぱいやってきた。

「きみこちゃんのおにいさん」は、げきもみていないひとたちにかこまれても、ぜんぜんイヤなかおをしないで、サインをしたり、いっしょにしゃしんをとったりして、じぶんでくるまをうんてんしてかえっていきました。「きみこちゃんのおにいさん」は、げきのなかでもやさしくって、片瀬那奈ちゃんをすきみたいだったので「ぼくとおんなじだ」とおもっていたのだけど、げきがおわっても「ほんとうにやさしいおにいさん」だとわかりました。うっぴーサンが「こーゆーときに、ほんとうのすがたがみえますね。あべつよしクンは、りっぱです」というと、イコおねえちゃんも「うん、かれはすばらしいね」といったけど、そんなのぼくだってわかったよ。だって、そんなのあたりまえじゃん。「きみこちゃんのおにいさん」は「ふつうのひと」なんだよ。なのに、なぜ、イコおねえちゃんとうっぴーサンはほめているんだろう?

「べんとうやさん」のくるまが、ずっとあって、おかあさんも、ふくださきちゃんも、「くまさん」も、だれもでてきませんでした。シュガーちゃんが、またでてきて、ぼくらをみていた。女子マネちゃんもでてきて、くるまからにもつをもってへやにはいった。そしたら、さっきシュガーちゃんといっしょだったおねえさんがでてきて、かかりのおじさんになにかいった。

それで、かかりのおじさんが、ぼくらにきかづいてきて、こういった。「片瀬さんは、きょうはべつのでぐちから、もうかえられたそうです。だから、もうまっていなくていいそうです。」

イコおねえちゃんとうっぴーサンは、それをきいたら、あんまりガッカリはしていなかった。あめがふってきていたのです。つよしクンいがいにだれもでてこなくって、いつもはすぐに「おべんとうのはいたつ」にいく「キチホンさん」ですらでてこなかったし、あしたはげきがおやすみだから、きっとみんなでどこかへいったのだと、ぼくはりかいした。

でも、かかりのおじさんがおしえてくれなかったなら、ぼくたちはずっとあめにうたれながら片瀬那奈ちゃんをまっていたでしょう。ぼくは、おもった。きっと、片瀬那奈ちゃんが、シュガーちゃんと女子マネちゃんにいったんだと。「あたしのファンがまっているでしょ?だから、もういないっておしえてあげて。そうしないと、みんなずっとまっていてくれるから」と。

うそぢゃないよ。だって、片瀬那奈ちゃんは、そういうひとです。ぼくは、しってる。那奈ちゃんが、すてきだってことだけは、わかる。「このせかいのなぞ」を、なんにもしらないけど、それだけは、しっている。それだけが、ぼくの「真理」です。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (くりぼう)



posted by 栗 at 22:38| ACTRESS | 更新情報をチェックする

『フラガール』九日目(12/36)

Exciting Wilson Pickett


12:30開場、 13:00開演 赤坂ACTシアター


 「ダンス天国」


 舞台「フラガール」


【キャスト】
 片瀬 那奈:平山 まどか
 福田 沙紀:谷川 紀美子
 阿部 力:谷川 洋二朗
 根本 はるみ:熊野 小百合
 風間 水希:佐々木 初子
 福本 伸一:熊野 五郎
 華城 季帆:まどかの後輩:なつき&フラガールズの一員
 今井 りか:早苗
 田山 涼成:吉本 紀夫
 久世 星佳:谷川 千代
 、ほか。

【スタッフ】
 脚本:羽原大介
 演出:山田和也
 振り付け:カレイナニ早川
 テーマ音楽:ジェイク・シマブクロ
 、ほか。
 主催:TBS、TBSラジオ、朝日新聞社



(小島藺子/姫川未亜)



「革命への序曲を聴いた午後」
posted by 栗 at 17:07| ACTRESS | 更新情報をチェックする

「アッコにおまかせ!」で「フラガール」

フリー・ソウル 和田アキ子


TBS 11:45〜12:54


絶賛上演中の舞台「フラガール」出演者から、僕らの片瀬那奈ちゃん、福田沙紀ちゃん、阿部力くんの三人が「アッコにおまかせ!」の為に撮り下ろしの映像でVTR出演しました。

那奈ちゃんは、他局ですが有名バラエティ番組(「芸能人格付けチェック」)で「アッコさん」との共演歴も在り、其の時も大変可愛がって戴きました。其の恩を忘れない那奈ちゃんがセンターで、

正に「アッコさん」の為のコメントを連発!

小窓で観ているアッコさんが始終笑顔だったのも頷けます。

那奈ちゃんの「よいしょ!」にはイヤミがないっ!

ちゃんと、心からアッコさんを立てています。

「エライなぁ、やっぱり」(小鉄声で)

20年前に「トップ10」に「うしろ髪ひかれ隊」が初出演した時に、しーちゃんがアッコさんを見事に「よいしょ!」して、一発で気に入られた場面を思い出しました。彼女のソロ・デビュー曲を、那奈ちゃんはカヴァーしています。旦那サンとも数奇な因縁が在り、先日、遂に初共演を果たしました。

「縁(えにし)」ですね。


(小島藺子)



「アッコにおまかせ!」TBS公式サイト


posted by 栗 at 12:57| TV | 更新情報をチェックする

「僕が出待ちをしない理由」

ブルー・ハワイ


舞台「フラガール」を連日観続けている僕ですが、所謂ひとつの「出待ち」を敢行したのは今までの九日間で「二回」だけです。

昨年の初舞台「僕たちの好きだった革命」の時は、観劇した9回全部「出待ち」もしました。那奈回観劇した盟友:うっぴーと一緒の時は勿論、ひとりで観た日も待っていました。確か、9回中、8回は那奈ちゃんを見送れたと記憶しています。1回だけ失敗した日は、うっぴーと二人で6時間位待っていて、隣のコマで公演中だった「サブちゃん」まで観ちゃったっけ。天下のサブちゃんが目の前にいるのに、僕とうっぴーは「おまえじゃねーんだよっ!」と全く感動しませんでした。

「サブちゃん、御免!」

ちゃんとレコード買いましたよ。100円だけどさ。

初日は那奈ヲタが四人集まったのだけど、余りの感動に「出待ち」って声さえ出ませんでした。二日目は昼夜公演で、那奈ちゃんが疲れていると思ったので帰りました。三日目は、まるかちゃんがいたけど、其の日が初めてだった彼女が舞台だけで感動しちゃっていたのでやりませんでした。

つまり、今回の舞台はカーテンコールに超特大なサービスが在るので、那奈ヲタは舞台だけで充分に満足してしまうんです。いえ、はっきり云えば、、、

「昇天しちゃって、出待ちのエナジーが無くなっているのだよ!」

四日目、二回目だった「うっぴー」と、五回目だった僕は「そろそろ、行きますか」と出待ちを敢行し、成功しました。でも、其の次の日からまたひとりになった僕は、出待ちはせずに帰ることにしたのです。

六日目には、ふうこさんが来ていたので、三公演のテケツを買いながら其の日しか観劇出来ない彼女を誘って「出待ち」をし、逢えました。いや、今回は「革命」とは違い、「出待ち」をすれば確実に逢えるのです。でも、僕はひとりではしないと決めました。

ふうこさんが「えーっ!未亜さんって、ひとりじゃ出待ち出来ないのぉ?」と云うから、「そんな訳無いじゃん。『いいとも!』とか普通にひとりでやっているし、遠征だって大抵はひとりだし、其れに元々みんなと出逢った五年前までは一匹狼の那奈ヲタで、単独行動していたじゃないですか」と返しました。

舞台「フラガール」は、本当に舞台だけで感動しちゃって、ひとりで出待ちするのが申し訳ない気分になってしまうんです。だって、他の那奈ヲタだって、本当は毎日観たいわけじゃん。でも、僕だけが其れを許される立場に在っただけなんですよ。

那奈ちゃんは、毎日、舞台上から僕を確認しています。11回目の公演で、何度か目が合って、其れが明らかに意図的な事だと分ったのです。だったら、其れで充分過ぎるじゃないか。七日目に僕が遅刻し最初の登場場面を見逃した時、二度目の登場時の彼女は、階段を降りながら、サングラス越しに、まっすぐに僕を観ていました。

「何だよ、最初からいないから心配したよ」

妄想でも何でも無く、確かに那奈ちゃんの顔にそう書いて在った。片瀬那奈ちゃんとは、そういうひとなんです。那奈ヲタなら、みんな理解してくれるはずです。だって、僕らは、そんな那奈ちゃんだから好きになったんだ。どんなに有名になっても、アンテツあにいを玄関まで迎えに来ていた「10代の那奈ちゃん」は、変わっていない。

お花が沢山、那奈ちゃんに届いています。主演だから当然だ、なんて思わない。だって、随分と前に共演した方々からも全員から届いているんです。ふうこさんが「だって、みんな那奈ちゃんを好きになっちゃうもんね」と云いました。彼女が云うと「説得力」があるよね。(知ってる人だけ、ニヤリとして頂戴☆)


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (姫川未亜)



posted by 栗 at 00:07| ACTRESS | 更新情報をチェックする