最近の「ワールドプロレスリング」は、面白い!主役は「天山」です。現在の新日の軸は「天山物語」で構成されているのです。気が付けば、「押しも押されもしない中堅レスラー(馳せんせい声で)」に成り下がっていた「心優しい猛牛」は、師で在る蝶野の軍団に対抗すべく独立し若手を集い新軍団(GBH)を作りました。されど、怪我で欠場している間に下克上が待っていたのです。軍団の長だったはずの天山は裏切られ、孤立します。思えば、山本クンは凱旋帰国時から「おまえ、どっちに来るんだよ?ごらっ」と常に軍団抗争の犠牲にされてしまった「内気なあいつ」でした。
其処に「友情タッグ」を組もうぜっ!と「飯塚」が擦り寄って来ました。そして、其れは案の定「罠」だったのです。天山よりも本当に「後が無い!」飯塚にとって、最後の賭けだったのでしょう。心優しい天山は、全てに踏みつけられたのです。飯塚にまで裏切られた天山は、正に「孤立無援」で闘い続けました。されど、試合で勝っても、すぐに他の連中が乱入して、毎度御馴染みの「公開リンチ」状態になってしまうんです。最近では珍しい、かつての「猪木黄金時代」をも彷彿とさせる「大河ドラマ」の主役に、気が付けば「天山」がいました。でも、もう、本当に味方は誰もいなくなってしまいました。こんな時、かつては決まって、あいつがいた。でも、其れは遠い過去の想い出です。彼は天山の元を去り、大きく成長し、かつての相棒を完膚無きまでに叩き潰しました。もう、天山はお終いです。
其の時、其の惨状を見かねた「漢」が、突如、リングに私服で駆け上がりましたよっ!彼の名は、
江東区出身の「小島 聡」と云います。あたくしは、久しぶりに新日を観て感動しちゃったわよ。だってさ、袋叩きされるしかない天山を救う為に、コジが来たのだよ。
「テンコジ」復活だよっ!「待たせたナ」って云ったコジのマイクに、不覚にも涙が出たよ。此れだから、プロレス者はヤメらんないんだよね。かつての「テンコジ」タッグは、明らかに天山が上だったのよ。だからこそ、コジは武藤ちゃんと一緒に「全日」へ行ったんだろ?そして、ゼロワンとの対抗戦では、アノ頃の小川にボコボコにされたよな。苦労して、三冠を穫った。そして、古巣でかつての相棒・天山との四冠戦を制した。「コジは、強くなったっ!」と絶賛したよ。いや、天山の情けなさに泣きもした。でもね、天山は不器用だから、優しいから、トップに立てなかったんだよ。だからこそ、コジが、必要なんだよ。
其れにしても、地元の「コジマさん」って、みんな、すぎょいっす。
初出:「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)