テレビ東京 21:00〜22:48
(撮影:2007年5月/京都、奈良ロケ)
■ キャスト
藤田まこと:猪狩文助(弁護士)
片瀬 那奈:夏目理恵子(新人弁護士)
小林正寛:野口耕一(事務員)
勝村政信:本間 博(被害者の夫)
白井 晃:青山義信(検察官)
大路恵美:本間景子(被害者)
田中 実:辻武/鈴木益夫(被告人)
大寶 智子:辻 伊都子(辻武の妻)
尾美としのり:岩本隆明(ショッピングモール社長)
北見敏之:森本泰史(法医学主任教授)
芦川よしみ:松子(料理店女将)
綿引勝彦:室伏直造(元刑事)
■ スタッフ
原作:和久峻三
(告発弁護士・猪狩文助シリーズ「時の剣」より/講談社文庫刊)
脚本:古田 求
監督:岡屋龍一
【みどころ】
“法廷荒らし”の異名を持つ弁護士・猪狩文助(藤田まこと)は、時効間近に逮捕された時計店店主・鈴木益夫(田中実)の弁護につく。鈴木は15年前に起きた西陣織老舗店夫人・本間景子(大路恵美)殺害の容疑者で逃走を図っていたのだ。猪狩は、新人弁護士・夏目理恵子(片瀬那奈)と共に独自に調査を進めていく。交際関係が派手だったという被害者と容疑者の関係とは?老いた偏屈弁護士が、鋭い勘と観察眼で事件の真相に迫る!
「那奈ちゃん、準主役です!」
待ちかねておりました、此のドラマ。那奈ちゃんの「二時間ドラマ」出演は、今年2月の「らんぼう2」(撮影は昨年12月)につづき二度目ですが、丁度其の間に初舞台「僕たちの好きだった革命」への出演が在りました。放送は遅くなりましたが、此の作品こそが「革命」以後、片瀬那奈が初めて挑んだドラマなのです。相手役は、必殺!「藤田まこと」さん!舞台経験を経て、最初のステージとしては申し分のないものです。
御存知の通り、那奈ちゃんは京都に常駐するのではなく、東京での仕事と掛け持ちで三往復もするハード・スケジュールで撮影に臨みました。其れは来春放送予定の「いのちのいろえんぴつ」での北海道と東京の往復でも再現されたのですが、本当に那奈ちゃんは「強いひと」です。
さて、最初の奈良駅でのシーンから那奈ちゃん、いや、夏目理恵子が登場です。此の立ち姿、歩く姿の姿勢の良さ、美しい!!司法試験を一発で合格した新人弁護士役ですから、知的で「静」の演技が求められます。私は那奈ちゃんの当たり役は圧倒的に「西豪寺エレナ様」に代表される「動」の演技だと思っています。しかし、舞台を経験して那奈ちゃんは変わった。
ま、何が嬉しいかって、那奈ちゃんが演じる「夏目理恵子」が、ずっと出ていることですよ。準主役で、主人公のパートナーですからね、もう出ずっぱりですよ。調査も担当しますから、はっきり云って那奈ちゃんの出番が壱番多いです。
那奈ちゃん祭りだ、祭りだ、祭りだ、わしょーいっ!!
好いナァ、煩いモジャ公も出て来ないし、最高のドラマじゃないですか。お召し物も場面ごとに変わるし、日本酒を一升瓶で呑む珍しい酔っぱらいシーンも観れました。猪狩弁護士を見つめて、黙って頷くトコなんか上手いナァ、と思いました。
やはり、片瀬那奈ちゃんは「絵になる」し「華」が在ります。アノ天性の容姿は大きな武器です。只、立っているだけで神々しいのです。其の彼女が、人知れず努力して女優業を全うしようとしているのですからドンドン良くなって行くしかないじゃないのよさ。以前の「静」の演技では、此の佇まいだけで魅せる迫力はなかった。「女優:片瀬那奈」は、完全に覚醒し、化けました。
「シリーズ化を、切に願います」
(姫川未亜/小島藺子)
視聴率は「10.7%」でした。
水曜ミステリー9「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」(リンク切れ)