1. 「ロールオーバー大塚愛」CDを叩き売りしてるのに、小山ルミの紙ジャケ復刻CDを参枚とも買ってしまった。あたくしも色々と所謂「カルト歌謡」を聴いて来たけど、「小山ルミ」は最高峰ですよ。すぎょすぎる。ルミの前では「東京ビートルズ」なんて屁の河童ですよ。
「あんた、河童を信じるかい?あたいは信じるよ」(ふみか声で)
そう、小山ルミは「河童」ですよ。小山ルミさえ在れば、もう他の1970年代の歌謡曲なんていらないって云っても過言では在りません。(すいません、誰にでも分る「嘘」をつきました。其れは言い過ぎです。)最初に購入した「ビートルズを歌う」は、数多ある THE BEATLES の日本語カヴァーが莫迦莫迦しくなって全部売ってしまった位の衝撃でした。「ベンチャーズ・ヒットを歌う!/二つのギター」なんて、「10番街の殺人」とか「急がば廻れ」にまで無理矢理日本語の歌詞を乗せて歌っているんですよ。なんじゃこりゃ?!「ロックン・ロール・ミュージック」は、ルミのアルバムでは壱番マトモだけど、其れでも狂気に満ちてる。ジョン・レノン・レベルのカヴァーの天才です。つまり、最上級です。「小山ルミはカヴァーの女王サマ」なのだっ!!最近は、「ポール(「マッカートニー」って人ね、念の為)」と「ボウイ(「DAVID」です、念の為)」と「イコちゃん(みあみあ)」ばっか聴いてるんだけど、ルミも聴かないとダメになっちゃったよ。
大塚愛よ、精進したまえ。先達は、恐ろしいぞ。なんて提言しても「古い音楽なんてシラネ」とぬかすであろうトコが「愛ちんちんのパワー」なのだ。新作「ラブ・ピース」なんだってナ☆あたくし、オリジナルアルバムを全部レンタルしてナニしたけど、レノンを引用するなら新作はDVD付き初回盤を新品で買うわよ。がんばれ、愛ちんちん☆お前さんの進んでいる道は、正しいぞよ。
2. 「あはんあはん、納豆ーっ!」ええ、買いましたわよ。「LOVE PiECE(DVD付)」初回限定盤をね。
あたくし、最近毎日の様にCDを売りまくってまして、もうマトモに残っているのは「片瀬那奈ちゃん」と「SYREETA」だけです。「THE BEATLES」も「Stevie Wonder」もぜ〜んぶ売ってしまいました。今後はポールとマドンナを中心に売ります。よーするに「片瀬那奈ちゃん」以外は全部売る気でいます。其の分、アナログが増殖中なのです。「THE BEATLES」も「Stevie Wonder」も、やっぱアナログで聴かなきゃね☆(などと云いつつジャケットを眺めながらCDRを聴いていたりする、売ったモンは全部参機在るPCに取り込んで在るわよ。けけけ)そんな「GOOD BYE ! CD」宣言した此のイコ様が、大塚愛ちんちんの新譜を初回限定盤で買ってしまった。此れは「事件」です。邦楽のリイシューでは無い新作を速攻で買ったのって、もしかしたら「片瀬:歌手時代」以来?
レジの優しいお兄さんは「此の色で好いですか?」と訊きやがりました。さっさと逃げ出したい程恥ずかしいのに、、、云ってやったわよ。「ええ、ピンクが好きだから此れでいいわよ。あら、随分色んな色が在るのね」愛ちんちんのファンって全色買って、さらに通常盤も買うんだろうナァ。でも外から色が見えるから親切だよね。かつて、僕たち「那奈ヲタ」はCDでトレーディング・カードもどきの「悪徳商法」にまんまと引っ掛かったもんですよ。こーゆーことをやらかす会社って、、、
「やっぱり、avex じゃまいかっ!!」正直DVDなんていらない(愛ちんちんのルックスが其れ程好みじゃない)のだけど、つまり「純粋に楽曲で好きになってしまった」わけで、1st〜3rdとベスト盤を全部レンタルで済ましちゃったし、タイトルが「レノン」なので、買いました。11曲入りで既発曲が6曲って、ものすぎょい「お嬢様商売」で、困ったことに、あたくしが気に入ったのは其の「既発曲6曲」だけでした。明日にでも売り飛ばしてしまいそうですけど、あたくしは東京事変の「遊戯」を買うくらいなら「大塚愛ちんちん」を選びます。
「洋楽?何歌ってるか分んないから聴かない」と言い放った「愛ちんちん」は「ROCK」なんですよ。カッコいいじゃん。只の莫迦でも貫けば「ROCK」なんだよ。
3. 「アノコハテンサイ」「J-POP」と云うのは「日本語ロック」とおんなじで在りまして、其れはつまり「元々は洋楽だった」ってことですね。
「ロビタ」が元は半分「人間」だったみたいなもので、純粋培養ではない「雑種」なのです。日本には「ポップス」も「ロック」も在りません。其れらはすべて、洋楽の借り物なのです。そうして出来たのが「歌謡曲」や「演歌」だったのですが、其処へ「日本語ロック」や「日本語フォーク」が対抗し、其れらが「ニューミュージック」になり、再び「歌謡曲」へ取り込まれました。現在在るのは、全部「歌謡曲」です。ヒットチャートを見ると、相変わらず横文字のタイトルが並び、歌手名すら横文字です。アレだけみると此処は日本では在りませんが、日本人くらい英語をマトモに話せない人種もいないのです。未だに「アメリカ幻想」でも在るのでしょうかしらん?英語だとエライのか?そんなに憧れているのかい?
大塚愛の天才性は、彼女が書く音楽は紛れも無く「洋楽ポップス」を先祖としているのに、本人には其の自覚が全く無い処です。実際に彼女は、最新洋楽ヒットの感想を訊かれ「(英語だから)何いってるか分らん!」と言い放ちました。自分がやっている音楽の元になったモノを認識していないのです。すぎょいっ!彼女はおそらく、少し前の「J-POP」だけを聴いて音楽を始めたのでしょう。具体的には「aiko」とかに憧れて曲を書く様になったのでしょう。普通は「だったら、aikoサンはどうしてこんな曲が書けるのだろう?」とか考えて、aikoが影響を受けた音楽も聴いてみるのです。其処には当然、洋楽も含まれるのです。けれど、大塚愛は「天才」なので、そんな面倒な手続きはしないし、「aikoみたいな曲なんて、簡単に書けるよ、ほら」てな感じで作曲法を学んでしまったのです。ものすぎょすぎるっ!
「J-POP」の情けないトコは、タイトルばかりか詩にも英語が混じってしまうトコで在りまして、大昔の「日本語ロック論争」は結局はどちらの勝ちでも無く、勝利したのは「歌謡曲」だったのです。そして、大塚愛のものすぎょい点は「英語が分らない」ところだったのです。彼女の詩には、ほとんど「英語」が登場しません。例外的に「ハッピーデイ」とか「ピーチ」とか歌っても、そんなモンは幼稚園児でも理解出来るので英語ではなく「外来語」です。あれほど洋楽的なメロディーを書きながら「英語が分らない」ゆえに、英語で決めフレーズを書くことが出来ず、日本語ばかりの洋楽紛いの音楽が出来上がったのです。英語の方がカッコいいから、みんなサビで英語を使うのに、大塚愛は英語を覚えるのが面倒なので日本語でやってしまったのです。そして、其れが、ちゃんと乗った。
アレだけ悪戦苦闘した松本隆が「阿呆」に見えます。な〜んも考えないで、大塚愛は「はっぴえんど」を超えたのです。おそらく、彼女は「はっぴいえんど」なんて知らないでしょう。おんなじ avex グループから現在は発売されていますから、デレクターあたりが「愛ちゃん、此れあげるから聴いて勉強してごらん」なんて渡しても「何やねん、こんな古臭い音楽、イラン!」と捨ててしまうでしょう。其れで好いんです。其れこそが「天才」です。小島麻由美は「孤高の天才アーティスト」です。大塚愛は「大衆音楽界の天才」です。現在の歌謡界に、彼女以外には「天才」はいません。
此の文章は皮肉でも冗談でも在りません。あたくしが目指し超えなければならない「大いなる壁」が、大塚愛です。あたくしには「知」と「未知への探求」こそがすべてだ。彼女は其のあたくしの思想を、せせら笑っているのです。でも、其の「無知」こそが、あたくしを魅了するのです。
くりかえし云います。
「大塚愛は天才です。」(小島藺子)
初出「COPY CONTROL」
2007-9-15、9-26、11-22 全3回連作