きのうのあさ、イコおねえちゃんがぼくをたたきおこした。おねえちゃんはじゅんびばんたんととのえて、おとこぎまるだしで、こういいました。
「くりぼう、片瀬那奈ちゃんにあいに、おおさかへいくぞ!」
ねむいめをこすりながらとうきょうえきへいくと、ジョッジさんがまっていました。おねえちゃんが「ごめん、みあたんはおいてきた。かわりにこいつでええだろ?」といみふめいなことをいっていると、うっぴーさんがニコニコわらってやってきたので、僕たち(うっぴーさんがかんじをおしえてくれました)はしんかんせんにのって、大阪(ジョッジさんがかんじをおせーてくれました)へいった。
大阪について、やっと僕はなにがおこっているのかがわかってきました。それは片瀬那奈ちゃんのぶたいをまたみれるってことです。それがわかったから僕はコーフンしてはなぢをだしてしまったら、おねえちゃんが「はなぢブー!」といってケラケラわらった。ジョッジさんとうっぴーさんもわらっていた。ひどいよ、みんな。
みんなでごはんをたべて、げきじょうにいきました。おねえちゃんとうっぴーさんが、いつものキャップをかぶらないので、僕はおねえちゃんに「どうして?」ときいた。おねえちゃんは「くりぼう、もう、ぼうしはかぶらなくていいんだよ」といって、やさしくわらいました。僕はよくわからなかった。
げきのとちゅうで、片瀬那奈ちゃんが、とつぜん僕のせきのしたにはしってきて、げきをやっているのにせきについていなかったこまったちゃんにぶつかりそうになった。那奈ちゃんは「ごめんなさい」といって、ぶたいへはしっていった。僕は、びっくりした。「はぷにんぐも片瀬那奈ちゃんはゆうきにかえられるんだよ」って、いつもおねえちゃんがいっているけど、それはほんとうでした。
僕もいっぱいこのげきをみたので、やっとわかってきた。だから、さいごのほうで、まわりのおとなのひとがなかむらまーくんのいってることをきいてないていたのも、なんとなくわかりました。おねえちゃんは、はなみずをたらしてないていた。びじんがだいなしだよ。
おねえちゃんは「くりぼう、きょうはでまちはしないよ」といっていたのに、うっぴーさんとジョッジさんといっしょに「がくやぐち」へいくといいだしたので、僕はびっくりした。「おねえちゃんは、うそつきなの?」といったら、イコおねえちゃんはこういった。
「くりぼう、こうかみさんが、がくやぐちのばしょをおしえてくれたんだから、あたしはいくよ。あーゆーことをいわれていかなかったら、だめなの」おねえちゃん、わけがわからないです。おねえちゃんがさっきアンケートをてわたししていたおじさんが「こうかみさん」なの?
「がくやぐち」へいくと、あめがふってきた。おねえちゃんは「はれおんなのぶたいがおわったからね」といった。しばらくすると、タクシーがきて、そこへ片瀬那奈ちゃんがめがねをかけてでてきました。サングラスではなくて、くろぶちのめがねをかけていました。めがねをかけた片瀬那奈ちゃんをみたのははじめてなので、僕はびっくりした。片瀬那奈ちゃんはめがいいのにめがねをかけていたのは、きっと片瀬那奈ちゃんがおしゃれだからです。
片瀬那奈ちゃんは、だまっててをふる僕たちを、すぐにみつけて、わらいました。そして、タクシーにのってからもずっとてをふっていました。
イコおねえちゃんが、「かわいい!」とつぶやき、ふるえていた。ジョッジさんが「みてわらいましたね」といった。うっぴーさんが「よかった」といった。そして、おねえちゃんは「もう、僕たちはキャップをかぶらなくていいんだ」といいました。
ぼうしをかぶっていなくとも、片瀬那奈ちゃんは、おねえちゃんやうっぴーさんを、すぐにみつけた。ただ、だまって、てをふっているだけの、おねえちゃんとうっぴーさんをみて、わらった。それは、僕がいままでみたたくさんの片瀬那奈ちゃんのなかで、いちばんきれいでした。ほんとうにきれいでした。
うっぴーさんはひがえりなのでおわかれして、おねえちゃんとジョッジさんとげきじょうのあるたてもののなかへいきました。あめがふっていたので、そうした。
すると、ハリケンレッドがあるいていた。ぼくはびっくりした。そして「おねえちゃん、ハリケンレッドだよっ!」といった。すると、おねえちゃんはすこしイライラしながらいった。「そんなことはしってるよ、くりぼう。それよりハリケンレッドについていってるあのおとこのこは、な〜に?」だれだろう?とおもって、そのこをみた。そして、それは、僕のともだち「すぽにちくん」だった。
僕たちは、もう、びっくりしなかった。
初出「COPY CONTROL」 (くりぼう)