これはきのうのつづきなので、きのうのおはなしです。おねえちゃんといっしょに、またかぶきちょうのりんごへいきました。ちかにおりると、うっぴーさんがニコニコしてまっていました。うっぴーさんはしごとをしてから、バイクではしってきたそうです。おねえちゃんはかいしゃをやすんだし、ぼくもがっこうをやすんだのに、うっぴーさんはえらいなあとおもった。
よるのせきは、いちばんまえだったので、ぼくはびっくりした。うっぴーさんは3れつめにいて、ちかくでした。にちようびに、はじめてぼくがほんものの片瀬那奈ちゃんをみたときは3れつめだったけど、うっぴーさんもすぐそばのおんなじ3れつめにいました。おねえちゃんとうっぴーさんは、いつもおんなじみどりのキャップをかぶっているから、きっとなかよしです。でも、よくみるとちがうので「どうしてすこしちがうの?」とおねえちゃんにぼくはきいた。おねえちゃんは「これは那奈ちゃんがいっこいっこてがきしてくれたから、このよにいっこづつしかないたいせつなぼうしなんだよ」といいました。
ぶたいに片瀬那奈ちゃんがでてきた。みどりにきいろのじゃーじをはいていました。おねえちゃんがすきな「ぺっとさうんず」というCDとおんなじいろでした。おしばいのないようはよくおぼえていません。さんかいめだったけど、よくわからなかったです。だって、ぼくはずっと片瀬那奈ちゃんをみていたから。あんなにちかくでほんものの片瀬那奈ちゃんをずっとずっとみていたのは、はじめてだったので、ぼくはとてもしあわせです。おねえちゃんは、なぜなのかわからないけれど、さいごにハリケンレッドをみてないていた。もしかしたら、片瀬那奈ちゃんだけぶたいからいなくなったから、さみしかったのかもしれない。ぼくはうれしくってげんきはつらつです。
へやがまっくらになって、もういっかいあかるくなったら、片瀬那奈ちゃんがもどってきた。おねえちゃんは、こんどはわらっていた。あかいふくをきたおじさんもだいにあがった。なにかもんくをいってたけれど、みんなわらっていたからおこってはいないとおもいました。みんなでいっしょにてをあげて「しゅりんぷこーーる!」とさけんでいるので、ぼくもマネをしたら、なかむらまーくんが「とっととかえってくれーっ!」といった。片瀬那奈ちゃんもよこで「かえれーっ!」「かえれーっ!」となんどもいった。みんなわらって、よろこんでいたから、きっとゆかいなことなんだろうな。ぼくもなんだかたのしくなっていたら、片瀬那奈ちゃんはおどりながらかえっていきました。
へやがあかるくなったらすぐ、おねえちゃんとうっぴーさんが「さあ、でまちだ」とまたいった。にちようびに6じかんもまっていてあえなかったのに、また「がくやぐち」にいくというので、ぼくもおいかけました。
もりたあやかちゃんがニコニコしながらでてきた。きょうとうせんせいやせいとかいちょうさんや那奈ちゃんのママのやくのひとたちもでてきた。すると、おねえちゃんが「あっ。しゅがーちゃんだ」といって、うっぴーさんとふたりでぎゃくのところへどんどんいってしまったので、ぼくもついていくと「がくやぐち」からはこんやもサブちゃんがでてきたけれど、おねえちゃんもうっぴーさんもぜんぜんちがううらのほうへいって、そこにはくるまがありました。
おねえちゃんが「でぐちはべつにあるから、あっちからくるよ」といった。うっぴーさんも「がくやぐちでまってたら、またあえないとこでしたね」といって、ふたりでちいさくがっつぽーずしていました。ほんとうにこんなところでまっていて片瀬那奈ちゃんはくるのかなあ?とぼくはしんぱいになっていたら、おねえちゃんが「くりぼう、那奈ちゃんきたよ」といいました。
さんぐらすをかけてせいふくではないきれいなふくをきた片瀬那奈ちゃんが、ほんとうにぎゃくのほうからあるいてきて、ぼくに「ありがとう」といった。そして、くるまにのってかえっていった。ぼくはびっくりした。ぶたいの那奈ちゃんもきれいだったけど、さいごにみた那奈ちゃんはもっともっときれいで、せなかのうしろにひかりがみえました。どうして、アンテツさんやうっぴーさんやおねえちゃんが「でまち」をするのか、ぼくはわかった。
かえりのでんしゃで、おねえちゃんが「くりぼう、また片瀬那奈ちゃんにあいたい?」ときいたので、ぼくは「はい」といいました。
初出「COPY CONTROL」 (くりぼう)