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「MARQUEE MOON(堀北真希と日々の泡)」に、
「長澤まさみ、上野樹里、綾瀬はるか、沢尻エリカ、石原さとみ、そして堀北真希。
実は堀北と他の5人を比べた時、明らかに違う点がひとつあります。
それは、他の5人はオーディションを経験して芸能界入りしていますが堀北はスカウトだということ。
つまり、5人は自分の意思でこの世界に入ったわけですが、堀北は「人生経験になるから」
と事務所の社長に説得されて入ってきた。
堀北真希が全然ガツガツしていないように見えるのはこの理由の違いもあるんじゃないかなぁ。」との考察が在りまして、「なるほどっ!」と思わされました。
思えば、「西豪寺エレナ様」として共演した「片瀬那奈」も、其の親友で堀北真希の事務所の先輩でも在る「内山理名」も、更には片瀬と「離婚弁護士II」での共演以来、親友関係となった「瀬戸朝香」までもが、みんな「スカウト」で芸能界へ進み女優となったのです。
オーディションで芸能界に入った女優さんたちは「自分の意思で」進んだわけだけど、其れはつまり、応募する時点で自分は「シンデレラ」や「国民的美少女」だと自覚して居たってことですよね。すぎょい。
片瀬那奈も芸能界への憧れは在ったでしょう。でも彼女は、将来はヘアメイクの様な裏方の仕事を志望していました。そんな高校一年生の彼女が新宿アルタ前でスカウトされた時、当然のごとく丁重にお断りしたのですが、友人の薦めやスカウトマンの熱心さに根負けするカタチで事務所に所属してしまいます。ゆえに、彼女は「いつ辞めったっていいや」と考え、水着キャンペーンガールに決まっても「あら、あたしかい?」てなもんで、有名なお披露目でのハプニングにも動じず、海外ロケは勿論、地方まわりの水着ショーまでも大いに楽しんでやっていました。
が、まわりが此の逸材を放って置くわけがないわけで、次々にグラビアに登場し、CMも決まり、「JJ」誌のモデルにもなり、ごく自然な流れで「女優デビュー」も決定してしまいます。
1999年3月、伝説の番組『美少女H2』第18話「最後のデート」(CX)で、役名も「片瀬那奈」として、彼女は女優デビューを果たしました。ビデオ化もされた此の作品は、言わば「片瀬那奈のプロモーション・イメージ・ドラマ」みたいなもので、此れは『美少女H』や『美少女H2』(更には『美少女H3』も)なる番組の全体を通じて云えることです。主演するのも脇を固めるのも、すべてデビューしたばかりの女の子ばかり。「未来の月9女優養成番組」がコンセプトの深夜番組です。が、其の試みが成功したのは『美少女H』出身女優の現在を観れば明らかでしょう。(参考までに主な出身者には、内山理名、水川あさみ、小池栄子、佐藤江梨子、しらたひさこ、などが居ます。)
ファンの立場からすれば、17歳のあどけない片瀬那奈が記録された此のドラマは「お宝」です。幾ら演技がつたなくとも「そんなこたぁ問題じゃない」とも、断言出来ます。
しかし、本人は違っていました。
ドラマを観た片瀬那奈は
「何て演技が下手で、ブスに映っているんだろう」と激しく落ち込みます。
そして、なら「辞めちゃえ」とはならなかったのが、片瀬那奈が片瀬那奈である所以です。
彼女は
「悔しくて、もっと演技が上手くなって、いい作品を残したい」と決意したのでした。(つづく)
※文中敬称略、片瀬那奈の発言は「サンケイスポーツ」第15617号 平成18年(2006年)11月12日付(発行/産業経済新聞社)掲載インタビュー「ヒューマン 進化し続ける!片瀬那奈変化!!」より引用しました。
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)