第二弾シングル「Babe(2003)」からは、ピクチャーレーベル3種封入りに加えて初回限定盤にはDVD(前シングル曲の編集プロモ映像とインタビューを収録)が付属された為、片瀬那奈の歌手活動は「やはりビジュアル重視で、モデル出身女優の片手間なお遊び」と捕えられたりもしましたが、前出の通り楽曲の質は高く、評価は上がって行きました。
そんな中、歌手デビュー決定時より封印していた「女優・片瀬那奈」が、少しの間復活します。第三弾シングル「Shine / REVENGE〜未来(あす)への誓い〜(2003)」収録の「Shine」が主題歌となったドラマ「こちら本池上署」の第二話(4/21放映)にゲスト出演したのです。
個人的な当時の正直な思いは「片瀬那奈は歌手なんかやってないで、さっさと女優に復帰しろっ!」でした。「確かに「GALAXY / TELEPATHY / FANTASY」も「Babe」も良く出来ていたけど、別に片瀬那奈がやらなくともええじゃん。てか、カイリー聴くって。思い出つくりにアルバム一枚出したら、女優復帰だねっ!いない間にアノコやコノコがどんどん出世してくじゃないかっ!!片瀬那奈が女優をつづけていたら、今頃もう主演してたはずなんだよ。」ってな感じでした。そんな時に束の間の女優復帰。ドラマを観て「やはり片瀬那奈は女優だ」と強く思ったものです。が、しかし、そこで流れた「Shine」との出逢いが「歌手・片瀬那奈・絶対肯定」へとあたくしを変えることとなります。
前二作とは違って、バラード二曲とそのカラオケを収録した一見普通のシングルには、片瀬那奈のライヴ参加券が付いていました。それは渋谷のタワーレコード限定だったので、シングル発売日前日に別の店で既に入手していたものの、発売日(5/28)に渋谷までまた買いに行きましたよ。「なるほど、ジャケットやピクチャーレーベルが色々出てるのはこのためか。」などと既にすっかりavexの販売戦略に騙されつつ、6月22日を待ちました。ちなみに「Shine」のストリングス・アレンジは、KANちゃん「50年後も」や森高千里、初期モー娘。などでも御馴染みの前嶋康明氏が担当。「REVENGE〜未来(あす)への誓い〜」は SMOOTH ACE の「SHINE」の歌詞タイトル違いのカヴァーで、同日発売。これは、もしかしたら「Shine」が何作か競作され、選ばれた二曲がカップリングされたのでは?とも考えられます。
何度も言って来たことですけど、また言います。突然目の前に現れて「Shine」を歌った片瀬那奈には、後光が射していました。それまでも片瀬に逢える機会は何度もあったのだけど、あたしは最初に観たのがこの時で良かったと思います。あたしが最初に目撃したのは「歌手・片瀬那奈」以外の何者でもなかった。その瞬間、あたしは「完全なる那奈ヲタ」へと変貌を遂げたのでした。「いつまで片瀬那奈の話がつづくんだよ?コレはONDOカテゴリで歌謡曲論を展開するってことじゃねーのかよっ!これじゃいつものNANAカテゴリの片瀬噺じゃん。」とお怒りの片へ。慌てない慌てない。てか、ココは「COPY CONTROL」です。すべては片瀬那奈なしでは始まりません。
結局、その後「YUMEKAYO」カテゴリを新設いたしました。(つづく)
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)