3日、代々木「HERO'S」の会場にタイガーマスクを被った男が出現、その入場テーマや体格から「桜庭和志」ではないか?と大騒ぎになり、翌4日には谷川将軍様、前田SVと共に、素顔で桜庭が会見し、仰天の「PRIDE」から「HERO'S(よーするに「K-1」)」への移籍が発覚しました。
東スポは「代々木でシウバを見たっ!!」などと「イズム炸裂の煽り」で「KとPの仁義なき引き抜き合戦スタート」と書き飛ばし、翌5日に「無差別級トーナメント」を開幕する PRIDE 陣営も会見を開き、猪木から離れたはず(タコちゃんねるの実況は酷過ぎる)の「野獣」藤田が「全面戦争勃発です」と「猪木イズム丸出しの挑発コメント」を出す始末。いや、あたくしは好きなんだけどね。
桜庭は確かに、PRIDE をメジャーにした功労者だけど、リアル・ファイトでの全盛期は、とっくに終わっています。このまま PRIDE で、明日なき闘い(はっきり言えば「噛ませ犬」になってしまいかねない状況だったと思う)をつづけるよりも、未知なる相手との邂逅を願ってしまうのは、致し方ないことでしょう。
そんなことよりも、この引き抜き(いくら否定しても、そうとしか言えません)は、あまりにも「プロレス的」ですね。PRIDE 側でも、ミルコやハント、そして今回の藤田を取っているわけで、いや、もともとヒョードルもノゲイラも、前田がリングスで発掘した選手だし、昨日散った「世界のTK」も前田の弟子ですからね。
もはや、本当に「猪木の時代ではない」のだけれど、前田や高田が前面にいる限り、あたくしは「プロレス者」としてしか総合格闘技を見れません。そして、それらから「プロレス」の匂いが消えることは、おそらくないでしょう。
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)