イコ:「CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD」って名盤だな。
未亜:姐御、いきなりだなぁ。
イコ:今回は、此れでおしまい。
未亜:あのね、それじゃ肯定派も否定派も納得しませんよ。こんなのはクズだって云ってる連中が居るんですよ。
イコ:賛成の反対の賛成なのだ。
未亜:姐御、惚けたのね。
イコ:ぼけぇっ!!あたくしが惚けるかよ。惚けてんのは、ケイオスを貶してる連中だろー。
未亜:いや、私も聴いたんですけど、なんか地味なアルバムなんですね。此れじゃ今時のコは踊れないから、那奈ちゃんにはオススメ出来ないなぁ。
イコ:ポールはダイアナだって踊らせたんだぞ、片瀬だって踊るに決まってるだろっ!!ステラの服着て、ポールのライヴに行くんだよ。
未亜:そりゃ来日したら那奈ちゃんも☆ちゃんと一緒に行くと思うけど、新作はつまんないと思ってますよ、きっと。
イコ:おのれはぬるいのぉ。片瀬はおまえなんかより色々聴いてるし宅録系も好きなんだよ。てか、なんで片瀬の話に持ってってんだよ、此の唐変木が。
未亜:だって、此処の売りは「那奈ちゃん」でしょ?誰もポールの話なんか期待してませんよ。
イコ:そんな妄想してんのはチミだけなんだよ。此処の売りは「イコ」なの。
未亜:はぁ?なんでそーなるかな、せめてビートルズとか云わないと。
イコ:ビートルズに関してなんて、もっともっと詳しいひとが☆の数ほどいるのよ。
未亜:ええ、でも姐御もかなり異常だとは思いますけど。
イコ:あたくしのドコが異常なんだよっ!!
未亜:だって、ビートルズの同じアルバムを何枚も持ってるし、ブートとかも沢山持ってるし、今回のポールも同じ曲なのにシングルやアルバムを何枚も買うし、
イコ:おまえさんは、まだそんな基本的なこともわからんのかっ!!今日こそは、片瀬のCD及びCCCDついでにDVDコレクションを根こそぎ持ってかえるぞ。けろけろ
未亜:話をすり替えないでよ。世間一般のひと、と云うか音楽好き、いやもっと云うならビートルズのファンはせいぜいアルバムを全部持ってるくらいですよ。
イコ:そんなの当たり前じゃん。だから、あたくしもそーゆー普通のファンじゃん。
未亜:だからぁ、普通のファンは同じアルバムを何枚も買わないって。
イコ:あたくしは未亜たんと違って、同じアルバムなんか買ってないって何回云わせるんだよ。
未亜:あのね、姐御、普通はモノもステレオもミックス違いも全部同じなの、分りますか?
イコ:はいはい、此の世には「ホーイチ」しかいねーのかよ。
未亜:姐御、そりゃヤバイ発言だよ。新聞に載っちゃうよ。のまのまいえー♪
イコ:なんであんなもんを記事にするのかね、それこそ連中は大喜びだろーが。
未亜:兎に角、発言には気をつけて下さいね、みんなに迷惑がかかるんだからね。
イコ:ポイズン。
未亜:はぁ?なにいってんの?
イコ:軽くスルーしろよ、てか、前振り長いな。
未亜:なんか、此の侭ぐだぐだで終わらせようって魂胆がみえみえですよ。
イコ:未亜たんが相手だと、マトモにポールのことなんて語れないからなぁ。
未亜:何を責任転嫁してんですか。姐御が今回はポールの新作をネタにするって云ったんじゃん。
イコ:だから、「CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD」って名盤だなって、最初に云っただろ。
未亜:かつての明るくって誰でも楽しめるポールがいなくなったとか、セールス惨敗とか、ナイジェル態度でかすぎとか、ポール死んだとか、叩かれてますよ。
イコ:ポールは昔から何やっても叩かれてたじゃん。叩かれなくなったらポールは終わりなの。其れにポール死亡説なんて1969年から在ったじゃないの。
未亜:声が出なくなったとか、メロディーがないとか、盗作だとか、ナイジェルは禿げだしポールはズラだとか、滅茶苦茶ですよ。
イコ:歌えなくなったら裏方になるでしょ。「Fine Line」のスタジオ・ライヴを聴くと、まだまだ声も健在だね。そりゃ還暦過ぎてるんだから、衰えは在るさ。でもね、「Let It Be」を聴くと深みが増してるんだよ。メロディーがないなんて云うのは「ホーイチ」の戯言。盗作?莫迦じゃねーの。禿げとズラは、音楽にかんけーねーだろ。
未亜:でも、やっぱヒット・シングル連発の時代と比べて、落ちぶれたって云う意見がありますよ。
イコ:あはははは、そんなこと云ってるコは、最近ビートルズやポールを聴き始めたのよ。あたくしは断言するよ。きっと、ポールの新作を聴くのは、今回が初めてなんでしょ?
未亜:そんなこと、決めつけちゃってええの?
イコ:うん、少なくとも「FLAMING PIE」あたりからしか、リアルタイムで聴いてないよ。来日公演は、前回初めて行ったってトコだろ。
未亜:ダメだよ、姐御、根拠もないのに。
イコ:底が浅いし、愛がないんだから、ジョン・ヲタとポール・ヲタなんてのも、もっと云えばジョージ・マンセーも全部、後追いの小僧どもだよ。
未亜:後追いだってええと思うけどな。ええもんはええんだから。
イコ:じゃ、おまえは「決定盤 ジョン・レノン」でも聴いてろよ。
未亜:何それ?そんな事より、今回のポールが一体なんでそんなに姐御のこころに響いたのかが不思議だよ。
イコ:まだ全然響いてないよ。もっともっと響くと思って何度も聴いてるのさ。こんな気持ちにさせてくれたポールのアルバムは、久しくなかったからね。最初に「ABBEY ROAD」を聴いて、何でこんなモンを買ってしまったんだろうって思った、厨房時代を思い出したよ。
未亜:じゃあ、姐御はまだ理解してなくて絶賛してるの?
イコ:理解なんか一生出来ないよ。でもね、最初に聴いた時に「なんだかわからない、全部同じ曲に聴こえる、どーしよー」って思ったアルバムは全部、いまでは宝物になってるんだよ。流石に最近じゃそんなモンにはなかなか出逢えなかったんだけど、ポールの新作で其れを思い出したの。繰り返して聴きたくなるって感じ、より深みに嵌っていくって、真の新たなる音楽をまさかポールで体験するとは思ってなかったよ。
未亜:昔のばっか聴いてるから、耳が退化してんじゃないの?
イコ:ふん、何とでも御云い。カニエちゃんなんて、すぐに素敵って思ったわよ。
未亜:だから、其れはサンプリングに反応してるんだって。
イコ:そーよ、だからこそ、ポールの新作は凄いんじゃないの。新しいんだよ。其れで、ずっと聴けるんだよ。聴けば聴くほどに沁みるんだよ。本物の名盤だね。
未亜:でも、姐御はポールだから聴いてるんでしょ?他の誰かが同じことをやってもダメなんでしょ?
イコ:その通りだな。でも、此れだけは云って置くよ。他の誰かが「CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD」を作れるはずがない。もしそんな奴がいるなら、そいつがポール・マッカートニーになってたよ。
未亜:話にならねーよ、姐御。ええ歳こいて、トキメキすぎだよ。
イコ:「CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD」って名盤だな。
未亜:はいはい。
初出「hilite」 (小島藺子/姫川未亜)