池袋で小島麻由美のライヴを観た。
会場の自由学園明日館講堂は、礼拝堂みたいな内装で、とてもライヴ会場には思えない。長椅子に腰掛けてゆったりとアコースティック・ライヴを堪能できた。編成は下北沢での塚本さん:ギター、kyon:ピアノに、長山さん:ウッドベースを加えたもので、会場のPA設備もお世辞にも良いものではないので、完全にバックに徹した演奏で、コジマユの歌を全面に出した感じ。
「もしも自由がほしいなら」で始まったセットは、前半塚本さんはアコギで「あの娘はあぶないよ」「先生のお気に入り 」「ディビ・ドゥビ・ダー」「ショートケーキのサンバ 」「ドロップ」「ハートに火をつけて」と新旧取り混ぜた結構レアな選曲で、かなり「ぐっときて」しまった。
塚本さんが「なんちゃってバンジョー(6弦ある)」に持ち替えて「砂漠の向こう」「SWEET MEMORIES」(またやりました)「黒猫 」としっとり決めて、後半はエレキで「さよなら、カエル」「黒い革のブルース」「刺青」「蛇むすめ」「茶色の小瓶」と妖しい路線でぶっ飛ばし、ラストはなんとアコギでの「ひまわり」(よくあることだが、イントロでとちってやり直した)で、アンコールなしは相変わらず。一時間強で終わってしまったけれど、毎度のことでMCもほとんどなかったので、まぁ、どれもいつものことなんで慣れてしまってるんですが。
今回は特に前半のアコギ・パート(ラストの「ひまわり」も含めて)が良かったな。コジマユは美しい曲を書くひとなんだって、しみじみと再認識させて戴きました。(やっぱ、太鼓はいらないな、歌が聴こえないもん。)体調があまり良くなくて、久しぶりに一人だったし池袋まで出掛けるのも億劫だったのだけど、コジマユの歌を聴いていたら体に力がもどってくる様な気分になった。「音楽に癒される」なんて、ちゃんちゃら可笑しいと思っていたけれど、「歌」には何かそんな不可思議な効用も在るのかもしれないなぁ、と思いました。
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子/姫川未亜)